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妻の考え、夫の考え。

 ヘンリー様が優しく暴走をした翌日。

 私は、清々しい気分で学園生活をするために聖ドラゴニア学園へと戻った。

 戻って早々の手芸の授業での睡魔との戦いは『ない』と、言ったら嘘になるが、刺繍針で指を刺す事はなかった。

 だが、週末の出来事を思い返し、恥ずかしさで顔を真っ赤にしたのは言うまでもない。


 考えてもみてよ、ルベライト城に帰ってすぐの温泉での一コマ。翌朝の朝食前の、これまた温泉での一コマ。

 そして、王都のルベライトに帰って来てからの夜の一コマ。

 私はこの休日・・・休み日なく甘い時間を過ごしていたのだ。

 昨夜に関しては、恥ずかしながら私が誘ってしまった。


 世の中の・・・この際、前世ですら含めて、新婚家庭の甘い時間は、連日モノなのだろうか・・・わからないわ。

 かと言って、誰にも聞ける内容でもない。

 だって、もし『連日なんてありえない』と、なると私・・・変態じゃない。

 そんなのお断りよ。


 でも、私って・・・そもそもヘンリー様しか知らないわ。

 つまり、万が一私が変態だとしても、変態にしたのはヘンリー様。

 きっとそうよ・・私の中に元々存在していたなんて・・・・ありえない・・はず。


 結果的に、新婚家庭の甘い時間は連日モノでなくてもヘンリー様のせいよ。

 そうよ。全てヘンリー様のせい!

 そういう事で、責任をとって可愛がって貰いましょう。


 具体的にどのように?


 再び私が誘ったり・・・する?

 なるほど・・・世に中に、スケスケのナイトドレスがあるのは、この為なのか。

 でも、あれは過激すぎだわ。

 キャサリン様から贈られたナイトドレスも、それなりの破壊力があるドレスだったし・・・。

 あんなドレスを着たら、月曜日に学園へ戻れなくなるわ。

 タンスの奥にしまっているが、そのまま定位置をキープよ。


 ◇ ◇ ◇


 サーシャがとうとう学園生活へ戻ってしまった。

 この3日間は、ルベライト城へ帰るなどの移動があったが、その様な中でも夫婦の営みが出来たことが嬉しかった。

 最終日は、サーシャが誘うという行動をとってくれた事が、何よりうれしい。

 

 そう・・・シルビア王太子妃の発した一言。

 『やたらと独占力を行使する公子』

 この言葉を聞いた時、その通りだと素直に自分の中に入って来た。

 

 これまで、独占力については、いろいろと言われてはいたが、気にする程度にしか思っていなかったのだ。

 理由は、言われた相手がハミッシュ陛下やフレディなど、伴侶の絆を結ぶことが出来ない闇の時代を独身を貫いた者たちで『お互い様』と、いう言葉で返せるのが原因だったのだろう。

 だが、シルヴィア王太子妃は違う。

 そして、シルヴィア王太子妃はフレディの子で、ピューゼンの王女クリスティーナの子でもある。

 言葉の一つ一つに、重みというのか、衝撃というのか、いい意味でも、悪い意味でも、他人より言葉に力がある人だ。

 だから、王太子妃にとっては何気ない一言でも、俺には衝撃を受けた。

 

 これまで、サーシャを独占した日々を思い返すと、注意されていたにも関わらず、自分の欲をサーシャに叩きつけていたと思う。

 サーシャもそれを健気に受け止めるから、なお可愛くて、愛しくて、欲望が溢れてしまって・・・この先は言うまでもない。

 俺がこんなにもなるとは思わなかった。

 当たり前だが、俺相当な年上だぞ。

 その俺が、余裕なくなるとか、情けないだろう。


 だがら、昨夜は我慢すべきと思った。

 月曜になりサーシャが学園へ戻れば否応なしに我慢せざるおえなくなる。

 ・・・それを待っていた。

 だが、無理だった。


 『ヘンリー様が足りないの!!』

 『優しく暴走してください。』


 これで、靡かないとかありえないだろう。

 

 ・・・・この優しい暴走は正当のはずだ。


 だから、早く金曜日になって欲しいと思う気持ちも正当だ。  

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