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塩梅と出汁の調整

 ヴァネッサ様から、銀のブローチを頂いた後、そのままヴァネッサ様の部屋の温泉に一緒に入る事になった。

 「目立つわね。」

と、ヴァネッサ様がボソッと言った。

 目立つと言われて、考えられるのは・・胸元でしょうね。

 やはり、ヴァネッサ様は、金色の伴侶の文様の上に点々・・点々点々と付いているキスマークを見ていた。

 まあ、そうですよね。

 「その・・・今は、招待状は来ていないので大丈夫なのですが、もし、夜会の招待状が届いたら、どうすればいいのか、不安なんですよね。」

 夜会のドレスは胸元が開いたドレスを着るのが一般的。

 特にドラニアは、ドラゴンと共存している国なので、ドラゴンと絆を結んでいる事は名誉とされる。

 故に、伴侶の絆である見せるのが常識までの域なのだ。

 それを今の私がやるとなると・・・。

 伴侶の絆である文様を見せる。

 金色の文様なので、この上ない名誉です。

 だが・・・キスマーク、キスマーク、キスマーク。

 キスマーク×まだまだ、あります。

 それも、見える範囲だけでも・・・・です。

  

 「そうよね。赤い文様ではないから、そのような事が起きるのよね。」

 赤い文様では・・・ないから?

 ヴァネッサ様の伴侶の文様は『赤』

 その文様の上から、キスマーク、キスマーク・・・・キスマーク・・・かくれーる。

 隠れるよ。

 ヘンリー様がジジイ様と絆を結んでいたら、このように悩むことがなかったって事なのか?


 でも、コスモの文様は、デザイン性が綺麗で結構気に入っている。

 ここは・・・我慢ってことなの?

 それも、それで、おかしいわ。


 こうなれば、夜会前は別居するしかない。

 『夜会前なので実家に帰らせていただきます。』

 ・・・・逆に考えると、何故、夜会前にお実家に帰るの?

って、事になるな~。


 ・・・困ったな。

  

 子供11人も生んでいるクリスティーナ様もキスマークが結構ありそうだわ。。

 でも待てよ。

 フレディ様なら、見える所にキスマーク何て付けないか・・・。

 

 私は、どっとため息をついてしまった。


 「サーシャ。王族主催の夜会なら、王族を立てる意味で、文様を隠すことは出来ると思うけど・・・。」

 ヴァネッサ様、どうしてそこで、悩まし気に考え込むのですか?

 「ただ・・王族主催でも、ヘンリーは嫌な顔をするでしょうね。」

 ヘンリー様の独占力がって・・・事だよね。

 私が生まれる前から、我慢しているんだもんね~。

 よく、見えるか見えないかのところに、キスマークを付けるってよくあるよね。

 ちょっと変わった行動をすると、キスマークがチラ見っていう・・・。

 

 でも、ヘンリー様は羞恥心を落としまくっている方だわ。

 堂々と表現してもいいだろうって、言いそう。

 

 ああー面倒くさい!!


 「レースや、透き通った生地で覆い誤魔化すしかないわね。」


 そうなりますよね。


 「そのようにさせて頂います。」

 私は、ヴァネッサ様にお礼を言う。


 「それから、ヴァネッサ様に報告しておきたい事項がありまして・・。」

 私は、カルデネの事があり、アシュムの管理運用を公爵夫人や王太子妃がやる事を依頼しようとしているのを伝える。

 「それは、いい考えだわ。」

 ヴァネッサ様も賛成してくれた。

 「それで、セラさんとの繋がりの為に、シナバー商会には、どのような行動をするのかしら?」

 うん・・・実はそこも悩みどころなのよね。

 私は、素直に悩んでいる事を伝える。

 「そうね~、繋がりを作りたいのだから、繋がりを強化できるような物を提供するのがいいわね。」

 まあ、そうだよね。

 キンバーライトとルベライト、もしくはクローライト。

 「出来れば、クローライトとキンバーライトの繋がりを考えた方がいいわね。」

 リオンの刺客を入国させたのがキンバーライト領だったので、クローライトとキンバーライトとのつながりが、他の領地よりも、ぎこちない雰囲気な事を、ヴァネッサ様が言ってくれた。

 「だから、双方の利益になるような物を作るのがいいわね。」

 そうなりますよね。

 ・・・何がいいんだろう。

 「いい塩梅というのか・・・いいお出汁が出るような関係になればいいわね。」

 うん、それは当然な言い分だわ。

 ・・・塩加減に出汁。

 ・・・・出汁。

 「あっ!」

と、私は思わず口にしてしまった。

 いいアイデアが浮かんだのだ。

 まあ、問題点も浮かび上がったけど。

 

 それでも、やりがいがあるわね。


 「いい案が浮かんだのね。」

 「はい!!」

 私は満面の笑みで答えた。

 

 

 

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