黒歴史終焉の絆
「それで、ドラゴンはいつごろまで伴侶の絆を結ぶことを拒否したのですか?」
私は、ハーブティーのお替りをカリスタ様にお願いするついでに言った。
「75年前だ。」
「50年目です。」
・・・。
説明しますね。
75年前と言ったのが、ハミッシュ陛下。
50年目と言ったのは、カリスタ様。
二人一斉に年数を言ったのだ。
・・・う~ん。
「もう一度、説明をしてもらっていいですか?」
数字だけ言ってもわからないし、同じ数字を述べたなら、私の中に入ってくれたと思うのだけど、違うとなると脳が拒否をしてしまいます。
「今から75年前で、リオンが亡くなってから50年目の年だ。」
なるほど、そういう意味ね。
リオンが亡くなり50年間、伴侶の絆は結ばれていない。
男性がドラゴンとの絆は結ぶことが出来ても、男性の伴侶を娶ることが出来ない。
つまり、独身が大量ってことになる。
もしくは、結婚、再婚、再々婚ってわけか・・・。
ピクッと私の右頬に力が加わった。
・・・・も、もしや、でも・・・想像してはダメよ。
絶対にダメ!!
前世で、私はなんてモノを見てしまっていたの?!
・・・ダメだ・・聞きたい。
国の意向を決めているお方が、目の前にいるのよ~。
・・き、き、き、き、聞きたい~。
「そ、その・・・ドラゴンと絆を結んだ方々に、しゅ、衆道~、なんて・・・国の軍事・・機関は、許したり・・とか・・ありますか?」
私の口のバカ!!
2人して静止してしまっているじゃない。
BL小説の軍事モノでは、軍の意向で衆道を許可しているなんてモノのがあったのよ~!!
だから、許してよ~
「浅見沙弥那の人生を軽蔑したい。」
どうぞ、遠慮なく。
私もしたいとかねてより、思っていますから・・・。
ドラゴニアは、衆道許可は出していないことがわかった。
そして、再びカリスタ様が、心落ち着くハーブティーを新しく入れなおす事態となった。
「つまりだな、カリスタがこの聖ライト礼拝堂のシスターとなり、ドラゴンたちと寄り添う努力をしたおかげで、ユピテルがカリスタを伴侶と認め、リオンが亡くなってから50年目にして、伴侶の絆を結ぶことが出来たんだ。」
ハミッシュ陛下が、カリスタ様と伴侶の絆を結べたことで、これまで結ぶことをしなかったドラゴンが、次々と伴侶の絆を結ぶようになったことを説明してくれた。
「75年は結婚75年目ということでもあるのですね。」
やっと、年数の理解が出来た。
”ボ―――ンッボ―――ンッボ―――ンッ”
低い鐘の音のような音がする。
”シャララランッシャララランッ”
今度は、水琴鈴のような音色がチャペルの方から聞こえる
「ドラゴンの大樹から発せられている音色です。ドラゴンが亡くなったことを知らせる音色を奏でいます。」
カリスタ様が私の疑問に思ったことを説明してくれた。
「見に行こう。付いてきなさい。」
ハミッシュ陛下は、そういうと部屋を出ていく。