表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

214/423

ボランティア活動の日

 ゲームの世界時である127年前と、現在とでは、授業内容が多少変わる。

 金曜日の丸一日『ドラゴン奉仕』と、書かれている日があるからだ。

 ボランティア日って事ね。

 ハミッシュ陛下が即位されて、授業に取り入れる事になった。

 うん、ボランティア精神を学ばせる事はいい事だわ。

 

 私にとっては、入学して2回目の授業となるのだが、学園の併設されたドラゴンの施設での授業となる。

 ドラゴンと絆を結んだが、人間側が病気等で先に亡くなり残されたドラゴンがいる施設。

 そのような施設を『アジュム』と呼んでいる。


 王都のアジュムは、元々学園から少し離れた場所にあったが、ハミッシュ陛下が即位して数年後、学園とアジュムとの間をぶち抜き、隣接させ国で一番広大な施設にしたのだ。

 まあ・・・学園とアジュムの間には、林と数件の地方貴族の屋敷があっただけだったので築けたのだろうけど・・・。

 まあ、提供してもらった地方貴族の屋敷は、現在アジュム内の児童施設となっている。

 施設内では、料理の勉強の他、ドラゴンの世話したりなど、将来は料理人の他に、ドラゴン騎士団などでドラゴンの世話係として雇ってもらったり、中にはドラゴンと絆を結んだりと、有望な人材の育成場所にもなっている。

 

 このドラゴン奉仕のこの授業に同級生である2年生の数人は、出ていない。

 その理由が、この時間は、ドラゴンと絆を結ぶための時間にも割り振られているためだ。

 外出届けを出せば金曜日は、授業を受けた扱いとなり、最長で丸3日間は、ドラゴンと絆を結ぶための時間にもなる。

 いや、待てよ・・・場合によっては、月曜の午前までか・・・。

 武芸に手芸の授業は、あまり関係ないような気がするからな・・。

 まあ、武芸も手芸もあったに越したことはないが。


 この日は、施設の子供たちと一緒に、ドラゴンの施設の清掃やらをする時間となっている。

 はっきり言おう。

 学園に入学している生徒のほとんどが貴族のボンボン。

 清掃は全て使用人にさせている者がほとんど・・・・。

 格好は、学園から作業着が提供されれいるので立派だが、行動が伴わない。

 施設の子供の方が出来る。

 まあ、小さな時から毎日の積み重ねがあるからそうなってしまうが・・・。

 ほうきをサッサと掃くのではなく、モップの様にズズズーと長い距離を押す者もいた。

 ・・・・普段から、使用人の行動を見ていないのね。

 使用人のありがたみを知るいい機会でもあるわね。


 私は、前世の特殊清掃の経験から、どんとこいだわ。

 てきぱきとドラゴンの巣の清掃をする。

 天井を清掃するのに、長い棒にはたきを繋げて使っていた事を驚いていた。

 「さすが、下級貴族は違いますわね~。」

 ハイハイ、取り巻きの一人エメラ・オージャイトがわざわざその事を言いに来てくれました。

 出来ましたら、持っているほうきを使いしっかりとゴミを掃いてくださいね。

 「私は、手が荒れますから本当は嫌なのですけどね~。」

 そう言いながら、取り巻きさんのニーナ・ソーエン。

 この人は、嫌々ながらしっかり、ほうきを使い履き仕事をしています。

 「あちらで、ラヴィニア様が呼んでいましてよ。」

 仲間を呼びに来た取り巻き最後の一人ダリア・ボルツ。

 取り巻きさん方、お疲れ様です。

 そして、出来ましたらまた月曜日に会いましょうね。

 それまでは、わざわざ関わりに来ないで頂きたい。


 ざっと、履き仕事も終わったし、モップを取りに行きましょうか・・・。

 ・・・?

 道具倉庫前に、人だかりが出来ているけど・・・何が起きたの?

 「誰ですの、モップを壊したのは、名乗り出なさい!!」

 ラヴィニアさんの足元に、数本のモップの柄の部分が、折れているのが見えた。

 「掃除をしたがらない者の仕業ですかしらね。」

 ラヴィニアさんは、掃除よりも犯人探しですか・・・。

 そんな事は、後でいくらでもすればいい。

 私は、雑巾とバケツを持ってその場を去る。

 「サーシャさん、どちらへ行かれるのですか?」

 ラヴィニアさんのその一言で、一斉に私の方を人だかりが見る。

 「掃除の続きをしに行くのですよ。」

 私は、その場を去ろうとする。

 「犯人だから、逃げたいのですの?」

 何ですって!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ