〇番外編〇 チュウ、チュウ
「ハミッシュ陛下。お聞きしたいことがございます。」
と、仕事の休憩中に、ピアーズが用意したお茶を俺の前に起きながら質問してきた。
「何を、聞きたいのだ?」
「マウスパットという物です。」
サーシャが入学して早々、俺を呼び出した際に持ち出した、前世にしかない物の事か。
・・・どう説明をすればいいのだろうか。
「マウスパットのマウスは、ネズミ・・の事ですよね。」
ああ、ネズミの形に似ている事からつけられた名だからな。
その通りだが・・・。
「文字や絵をかく際に用いると言ったら、何を思い出す?」
質問を質問で返している。
それも、俺自身もわかっている内容なのだが・・・。
案の定、紙とペンと答えてくれた。
「前世の世界では、紙とペンは存在はしているが、パソコンという物も、紙とペンの役割もしているんだ。」
もちろん、他にもいろいろな機能が存在している。
「紙とペンよりパソコンの方が便利な所は、一度入力・・・えっと、一度記入した文字や絵と全く変わらない物を、プリンターという物を通して、簡単に何枚も書き上げてくれるところなんだ。」
こんな説明を・・・まずすればわかるかな?
ピアーズも、想像を胸に落とすように頷いてくれた。
「それでな・・パソコンの操作を補佐してくれる物に、マウスという物があってな。」
「ネズミを使うのですか!!?」
ピアーズが化け物を見る目で俺を見る。
まあ、落ち着いてくれ。
「俺の言うマウスはな。ネズミの形に似ているから、マウスと命名された物であって、本当のネズミではないから安心してくれ・・・いいな。」
説得するように俺言っているな・・。
ピアーズも説得に応じてくれて、わかってくれた。
「そのマウスと命名された物をスムーズに操作するために、マウスパットというシートを、マウスと命名された物の下に敷くとよくてな・・・。」
まあ、マウスパットを敷かなくても、動けるっていえば動けるが、適さない物あるからな・・。
「いろんな種類や、いろんな柄などがある。」
「そうですか・・・ちなみに陛下は、亡くなられる前に使われていたご自宅用のマウスパットは、どのような物だったのですか?」
ああ・・・アレね。
「イラスト・・・絵だったな。歴史人物を想像して、美形にアレンジされた殿・・・5人の王の絵だった。」
俺のゲーム会社・・・それも所属していたロードネイションチームの手がけた、歴史的有名な殿のイラストのマウスパットだったな。
「陛下・・・それって・・・不敬罪に値しませんか?」
・・・・え?
「王様のお姿を描かれた物の上に、ネズ・・マウスを置くのですよ。・・・その・・・チュウ、チュウと・・・。」
「マウスに、ネズミの鳴き声はしないから。」
即答で鳴き声の否定をした。
だが・・・何だろう。
ピアーズの意見もわかる気がするな・・・・。
って、オイッ!
俺の顔が徐々に青ざまていく・・・・。
俺・・・ゲームのキャラクターです。
それも『ドラフラ』に至っては、攻略キャラの筆頭です。
ゲームのパッケージイラストでは、攻略キャラで一番目立っています。
もちろん、俺の姿の描かれたマウスパット・・・・たくさん種類出てます!
その上に、チュウ、チュウと、ネズミが這っているのかーーー!!
マウスだけどな~!!
不敬罪に値するよ~~!!
なんて、ショックだ。
とんでもない、ショックな気づきだ。
申し訳ございません殿の方々、俺は・・・不敬罪を働いてしまいました。
この場を借りて・・・殿~っ!!大変に・・・真に、申し訳ございませんでした!!
因みに・・・。
今現在、私が使用しているマウスパットも、とあるキャラクターが3人描かれています。
この場を借りて・・・堂々とありがたく使わせていただいています!




