アリシア・クローライト
「ゲームでの、大団円ルートの最後リオンの暗殺しようと企て、誘拐したのはユニコーン狂なのはわかるな。」
・・・はい。
『神聖なるユニコーンの想いよ永遠に・・・』って、リオンに斬りかかろうとしたところに、攻略キャラが登場するんですよね。
「現実は、イリス帝国のクラウンコッパー公爵家の刺客がリオンを殺した。」
・・・・・・。
「リオン様とキャサリンの出身国イリス帝国の三大公爵家の一つです。」
カリスタ様が付け加えて言ってくれた。
今いるドラゴニア王国と隣国ピューゼン王国はジャンナ大陸といい。
その南東の大陸を一つ越えて存在する、コアルト大陸にイリス帝国という国がある。
リオンとリオンの母キャサリンの出身国である。
キャサリンは、イリス帝国のトラバイト男爵の娘で、チャロアイト侯爵家の侍女として働いていた。
そこで、侯爵のお手が付きリオンを出産する。
よくある話ではあるが、問題も当然のように生じた。
侯爵には、三大公爵家の一つクラウンコッパー公爵家の令嬢という格の違う令嬢の正妻がいた。
正妻は、妾がいるだけでも嫌がるのに、その妾に子ができる。
その妾の子が、金色の瞳をした子を産んだとなるとプライドが許せなくなる。
クラウンコッパー公爵家の力を借りて排除しようとなるのは、当然のこと。
キャサリンは、リオンを連れて国を出て、ドラゴンのいる国ドラゴニア王国へ逃げてきたのだ。
だが、クラウンコッパー公爵家の刺客はそれでも追ってきた。
ドラゴニア王国の南東を流れる川モルガ川で、リオンとキャサリンは転落して川に流され、2人ははぐれてしまったのだ。
その後、リオンはルベライト公爵家へ、キャサリンはクローライト公爵家へ保護されることになる。
クラウンコッパー公爵家の刺客は、川に流された事で2人は死んだとみなし国に帰った。
それで、クラウンコッパー公爵家の刺客は、再び現れることはない。
ただ一人の恋愛ルート以外は・・・。
「俺の恋愛ルートではないのに、クラウンコッパー公爵家の刺客が動いたのだ。」
ハミッシュ陛下が、ため息をつくように言う。
「俺は、リオンが亡くなったことで、前世の記憶を思い出した。そのことで、リオンの死に疑問を持った。だから調べ、アリシアがクラウンコッパー公爵家の刺客を招き入れていた事実を知った。」
その後、アリシアを牢屋へ幽閉することになった。
アリシアが、クラウンコッパー公爵家の刺客を招き入れた理由は、リオンに対する嫉妬だった。
アリシアは、生まれる前からハミッシュ陛下の婚約者なのだ。
アリシアの父マティアスは、金色の瞳をしている。
そのことで、王よりも王にふさわしいと言う輩がいたようだ。
マティアスは王家と確執を生みかねないと思い、すぐに行動に移した。
クローライト公爵家は、青の公爵と呼ばれている一族で、代々青いドラゴンと絆を結んでいた。
だが、マティアスは水色の瞳の赤い雄のドラゴン『フォボス』と絆を結んだのだ。
そして、貴族の位の低いが歴史ある子爵家の令嬢と結婚。
王家にハミッシュ王太子殿下が生まれると、自分の夫人のお腹の子が女の子だったら、王太子の婚約者にして欲しいと国王アレクサンダーに願い。それが受理された。
なので、アリシアは生まれた時から、王家に嫁ぐ運命だった。
幼少の時から、お妃教育を強いられていた。
母は、アリシアが3歳の時に流産のショックから亡くなっていて、甘える場所がなかった。
だが、7歳の時に記憶がない女性が優しく接してくれた。
それがキャサリンだった。
キャサリンは、アリシアが将来王家に嫁ぐことを知り、国民すべての母になるのだからと、自分の母性をアリシアに注いだ。
そのことがきっかけで、マティアスはキャサリンに好意を持ち結婚することとなった。
キャサリンが母となったことでお妃教育にも磨きがかかり、いい方向へ進んでいるはずだった。
キャサリンの記憶が戻り、リオンを養女としてクローライト公爵家に招き入れても・・・。
リオンは、領民と仲の良いルベライト公爵家に家族同然に育てられていた。
リオンもその影響か、老若男女地位ですら問わず隔たりなく丁寧に接し、アリシアを母と共に支えた。
だが、アリシアは気づいてしまったのだ。
リオンが理想のお妃の姿だという事を・・・。
それだけでなく、リオンはドラゴンと意思疎通できるだけでなく、怪我も治すことのできる特殊能力もあった。
自分が理想のお妃の秀才となれても、リオンは天才な上に、神がかった能力まで持っている。
それに嫉妬したのだ。
「アリシアが妃に、リオンが妃の第一女官となれば、国を盛り立てられると、俺も周りも最善の事と思っていた。ゲームでもそのような内容だった。だが、嫉妬が狂わせた。リオンがいたら、自分の意味がないと。それで、クラウンコッパー公爵家の刺客を招き入れ、リオンを殺させたのだ。」
そして、ハミッシュ陛下の話が、さらなる黒歴史の話へと続ていった。
「リオンという、ドラゴンにとって重要な人物の信頼するアリシアが、リオンを殺した首謀者とドラゴンが知ると、ドラゴンは女性に不信感を抱くようになり、伴侶の絆を結ばなくなったのだ。」
・・・衝撃の一言だわ。
「デリック先生もホレス様も妻子持ちのはず。その様に言って・・・まし・た。・・・あのカリスタ様、カリスタ様のお歳はおいくつなのですか?」
私は、ある推測のもと、確認のためにカリスタ様の年齢を聞いた。
「ちょうど今年100歳になりました。」
18足す125は?
143歳。
ハミッシュ陛下の年齢は143歳。カリスタ様は100歳。
「年の差43歳!?・・・そして、ハミッシュ陛下は初婚!!」
そうだと、ハミッシュ陛下は肯定してくれた。
「も、もしや・・・前世ではなれなかった30歳童貞に、今世ではなられたということですか?」
ハミッシュ陛下は、口を開き静止した。
そして右頬をひくひくさせた後、2人分の魔法を保有していたことまで告白してくれた。
「前世で、30歳童貞を祝ったのに、ならなかった事への友人からの呪いがあったという事なのでしょうか?」
「やめてくれよ。あながちありえそうで怖いぞ。」
その様に言った後、真面目な話をしているのに、水を差すなと軽く叱られてしまった。
サブタイトルで、人の名前を初めて挙げたのが悪役令嬢枠のアリシアだとは・・・。
自分自身驚いてます(笑)。
小説家になろうで投稿するまで、タイトル決めるのが面倒で、書き始めた年月日がタイトルでした。
今回、初投稿で、タイトル~ぅと悩みまくり、この頃の傾向が長文並みのタイトルでも大丈夫と知り、ホッとしました。(それでも悩みましたが・・・。)
サブタイトルを数字にしなかったのは、これからたくさん作品を書いていきたいので、タイトルの向上を考えたのと、軽い気持ちでタイトル決めていいのよっていう自分へのタイトル決めへの慣れが目的です。
内容とだいぶ違くない?
と、思うことあると思いますが、『年月日タイトルで、これまでやっていた人だからね。』と、仕方ないよと思ってくださるとありがたいです。
これからも、どうぞよろしくお願いします。