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207/423

寄り道をする。

 金曜日になった。

 15時ともなると、生徒の人たちの大半が学園を出る。

 正面玄関から正門との広いスペースに、たくさんのお迎えの馬車が待機している。

 上空には、ドラゴンが飛び立ち帰路へと飛翔する。

 私は、ヘンリー様の婚約者という事は伏せているので、歩いての帰宅となる。

 馬車の迎えもない。

 町の乗合馬車の乗合所まで行き、乗合馬車に乗らないとならない。

 本当は・・・ライ様にアマルテアの背に乗り、寄って欲しいところがあったのだが、きっぱり断られた。

 「ヘンリー様の気持ちを考えると無理だ。直帰してやれ!」

と、言われ、一人アマルテアに乗りクローライトの屋敷へと飛んで行ってしまった。

 直帰できるような気分ならそうしている。

 だけど、姉さまの事が気がかりで直帰する気になれない。

 私が向かいたい場所・・・そう王宮だ。

 姉さまの捜索の件がとこまで進展したのか聞きたい。

 ルベライトの屋敷に帰れば、聞くことも出来なくなるだろう。

 ・・・そして、月曜日。

 なんてことに、なりかねない。

 現実は、しっかりと・・・ある。

 姉さまが、ドラゴニアに向かっただろうという現実が・・・。

 私は、乗合所で、ルベライト屋敷前まで行く乗合馬車に乗る。

 2階建ての馬車の2階に乗り、馬車に揺られる。


 ・・・母の形見の品であるリュヌの銀の櫛の使い道。

 姉さまがドラゴニアに向かったことで、大変な事が起きると想定して、ウィリアム伯父様が贈ってくれた物。

 姉さまの為だけに使うことは出来ない。

 前回は、ナーガ国の捕虜となったドラゴンと、そのドラゴンと絆を結んだ者との解放を願うために使った。

 その事で、ドラゴニアとナーガ国の両国の関係悪化を防ぐきっかけともなっていた。

 ウィリアム伯父様が、ドラゴンの療養にピューゼンを指定したことも、関係の悪化を免れた結果である。

 今回も、両国の利害関係の事を考えないとならない。

 簡単にヘリオドール家に捕らえられている弟、義母と、姉さまの解放を願っても、そこに利害関係はない。

 今回の姉さまの逃亡をなかった事にする。

 それも、却下されるだろう。

 過去にドラゴンのいたナーガ国の者が動くのだ。

 危険と隣り合わせの事を信用ならざる者の為に動かす訳がない。

 逆に、ウィリアム伯父様に幻滅されるだろう。

 そちらの方が怖い。

 今後、ウィリアム伯父様からの情報が入らないという恐怖。

 敵対するということだ。

 ドラゴニアにとって損でしかない。

 

 私は、ルベライトの屋敷付近の乗合所で降り、ルベライトの屋敷に向かう。

 門番は私を見るや、すぐに門戸を開ける。

 門番にお礼を言い、ルベライトの屋敷の敷地に入る。

 まっすぐ続く道を歩く、

 そして、建物が見えて来る。

 ルベライトの屋敷だ。

 道はそのまま屋敷の中を突っ切るようにトンネルの様になっている。

 因みに、屋敷の玄関は、サイドの階段を昇り2階にある。

 私は、屋敷のトンネルを突っ切る。

 そして、門が見える。

 王宮へ続く橋が架かっている前にある門。

 私は、門番にハミッシュ陛下に謁見したい事を伝え開けて貰う。

 そして、橋を渡り王宮へと向かった。 

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