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微かに残っている聖地の面影

 「あの・・・トラバイト家って、もしかして聖女リオンの姓名ではありませんか?」

 避けた集団の中から私に質問をする声。

 はい、あってますね。

 この質問の答え・・・出来てますよ。

 「聖女リオンはクローライト公爵家ではなくって?」

 ラヴィニアさん、その答えもあっていますね。

 「聖女リオンの、クローライト公爵家に養女に入る前の姓名がトラバイトと言うのは伺っています。」

 私は、リオンの生母であるキャサリン様の旧姓がトラバイト家だと、言いキャサリン様がが後見人であることも伝えた。

 「聖女リオンの生母であっても、クローライト公爵家はアリシアの呪いがある家でしょう。」

 オレンジに近い茶色の髪の取り巻きさんが嫌みっぽく言う。

 「キャサリン様の・・来孫の・・ライナス様は、今回入学して生徒として1学年にいらっしゃいますが、水色の雌のドラゴンのアマルテアと絆を結んでいますよ。」

 そう、ヘンリー様と私の婚約を披露した国王主催の舞踏会の時に、ライ様はアマルテアと絆を結べた。

 ただ、未だにアマルテアから年齢を聞けていないようだ。

 アマルテアは相当年齢を気にするドラゴンのようだ。

 「無理やりドラゴンと絆を結んだのでは?」

 赤っぽい茶髪の取り巻きが言う。

 取り巻きさんよ・・・・。

 ライ様が、アマルテアと絆を結ぶまでの努力を一部、見てきた者として、流石にその質問はイラっとするわね。

 「それに関しては安心してください。国王主催の舞踏会の時に、絆を結んだので、舞踏会に招待された方々が見届け人ですよ。」

 若干、こめかみを引くつかせながらニッコリ笑顔で答えた。


 ここにいる方々は、まだ17歳だ。

 デビュタントは18歳なので、特別な理由がない限り舞踏会などの会場へは出る事はない。

 そのせいなのか、無知な感じがする。

 まあ、そのおかげで私がヘンリー様の婚約者だと、ばれていなくて済んだのだが・・・。

 なんか、不思議な感じがする。

 ゲーム上の事なら許されるけど・・・。

 この世界は、ゲームの世界観の中であっても、ここは現実の世界ですよと、言いたくなる。

 あまりにも、情報知識が乏しいい感じの人が多い。


 ◇ ◇ ◇


 教室の内装もそうだが、いろんなところがやはり『ドラフラ』『続・ドラフラ』の時とは変わっている。

 100年以上経過していれば、改装もしてしまうのは経験上わかっていた。

 だけど、経験上わかっている事が一つ、微かに当時を匂わせる物も存在する。

 食堂の出入り口に置かれた2体の石像がそれだ。

 稲穂を抱えている女性像と、たくさんの果物をエプロンの中に抱えでいる女性像。

 ゲームのスチルにあったテスト前のイベント『夜食付き勉強会をしませんか?』

 テスト前のテスト対策勉強中にお腹を空かせて、食堂に夜食を貰いに行ったら、食堂前で皆にばったり会い、皆で食堂で夜食を食べながら勉強をしするスチル付きイベント。

 因みにデリック先生も、リオンとの好感度があると、コーヒーを貰いに食堂に来て、主人公らに捕まり勉強を見るという追加スチルイベント『先生教えてください』がある。

 その際に、この石像がスチルの片隅に見えていたな。

 

 昼食の時間になり食堂に来る。

 ビュッフェ式の食堂になっている。

 私は、サーモンとほうれん草のクリームパスタと、イチゴとキウイフルーツを取り席の方へと向かう。

 流石はドラゴニアで一の学校だわ。

 高級レストランで出されているようなテーブルと椅子、それにソファーが使用されていた。

 さて・・・どこに座ろうかしら、席にルールってあったりするのかしら?

 そのように考えてながら歩いていると、手を振る者がいた。

 「サーシャ、こっちだ。」

 そこにはライ様がいた。

 私はライ様のところへ行き、ライ様と同じテーブル席に座る。

 「ライ様、席にルールがあるのでしょうか?」

 私は、ライ様に聞いてみる。

 一学年の教室では、そのような話は出ていなかった事を言った。

 「ルールがあったとしても、何とかなるんじゃないのか?」

 ライ様は軽く見ているな。

 「もし、それでいじめとか起きたらどうするのですか?」

 「そんなの、サーシャの一言で済むんじゃないのか?」

 ライ様は、私がヘンリー様の婚約者だと言えば、一言で状況が変わる事を言おうとしているようだ。

 「あのですね・・・そうなると貢物とかが、フェアーの様に押し寄せてくるので嫌なのです。」

 そんな物を突き返す時間が面倒になる。

 それに、媚びへつらうのも嫌なのだ。

 「私が、学園生活を快適に過ごすためのルールを勝手に脅かさないでくださいよ。」

 ライ様は、わかったと2回続けて言うも、何か軽く見ているよね。

 「そういえば、『一石二鳥以上』の店主がサーシャに会いたいと言ってたぞ。」

 『一石二鳥以上』は、この学園の購買の店の名前である。

 いろんな国の物が売っていると評判の店なのだ。

 「昼食後か、放課後に行く予定ですが・・・。」

 まだ、店に言ってもないのに私の事を知っているとは、私がヘンリー様の婚約者だと公表しない様に言っておかなければ・・。

 「この後に行ってみます。教えてくださってありがとうございます。」

 私はライ様にお礼を言う。

 こうして、私は昼食後ライ様と別れ『一石二鳥以上』の購買部へと行った。


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