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 聖ライト礼拝堂の個室に案内をされる。

 さすがは、元ここのシスターで、現在は王妃だわ。

 「ひと部屋、個室をお借りしますね。」

の、一言で、神父にシスターがぞろぞろと動き出す始末だった。


 「これから、ルベライト家宛ての紹介状を書くから、サーシャは、顔を洗ってくるといい。」

 ハミッシュ陛下はそういいながら胸ポケットから銀色の万年筆を取り出す。

 「あれ、空色の万年筆はお持ちでないのですか?」

 私は、ゲームのスチルを思い出したために伝える。


 スチル『どっちの色がいい?』

 ハミッシュ殿下が、父である当時の国王アレクサンダー王の国王就任10周年記念にプレゼントをしたいと、万年筆を買いに行くのだ。

 だが、空色の万年筆か、群青色の万年筆かで悩んでしまう。

 「国王用と自分用、両方とも買うのはいかがですか?」

と、リオンの一言で両方購入を決める。

 全く同じ包装をしてもらうという話。

 

 スチルは、まったく同じ包装で、中身が見えないことを確認しているハミッシュ殿下のスチル。

 左右に同じ包装された箱を持っている物だった。

 

 「・・・125年も同じ万年筆を使い続けることが出来ると、思っているのか?」

 あっ、できませんよね。

 でも、私は気になるので聞いてみようじゃないの、ハミッシュ陛下の空色の万年筆は、その後どうなったかを・・・。

 『捨てずに記念に取っている』と、さらっと答えが返ってきてくれた。

 それどころか、10年周期で国王用と自分用のを色違いで購入していた事。

 68年前には、国王自らハミッシュ殿下に万年筆をプレゼントして、王位を譲ることを告げたというエピソードをカリスタ様から聞いた。

 いい話だね~。

 

 カリスタ様は、直接洗面所まで案内するといい。一緒に部屋を出る。

 「サーシャさんは、いつ前世の記憶を取り戻したのですか?」

と、歩きながらカリスタ様は問いかけてきた。

 「5歳の時、大量の本が本棚から落ちてきて下敷きになった際に・・・。」

 異母姉の嫌がらせである。

 図書室で、本棚のすぐ横で床に絵本を広げて見ていた私。

 あの異母姉は、その本棚を倒したんだよ。

 倒れ込んだ本棚が、隣の本棚に寄りかかる形になり、本だけが私に降りかかってきたのだ。

 私は3日間、目を覚ますことなく寝込み、目を覚ますと思い出していた。

 「陛下は、ドラゴンの大樹にリオンさんが取り込まれた時に、気を失いその際思い出したと、おっしゃってました。」

 ハミッシュ陛下も3日間、目を覚まさず寝込んでいたようだ。


 「ここが洗面所です。」

共同生活の洗面所のような、5つほど水道の蛇口が供えられた洗面所だった。

 「私は、陛下のもとへ戻りますね。」

と、言いカリスタ様は部屋へ戻られた。

 ”ジャー― バシャバシャ”

 目の前の鏡を見る。

 まだ血の文様が取れないわね。

 ”バシャバシャ きゅっきゅっきゅ”

 額をこすり確認

 ・・・・・これって。

 「いやーーーー!!」

 私は大声をあげ、顔を拭かずにそのまま走って個室へ向かう。

 ”バターーンッ”

 勢いよくドアを開ける

 「何なのこれ、何なのこれ、何なのこれ、重要なことだから、再び言うけど、何なのこれ、そして、何なのこれを何回言えばいいの?」

 私は、自分の額を指さしハミッシュ陛下に訴えるように言う。

 額の血は洗い流せたが、文様が内出血のようにあざになって残っているのだ。

 「安心しろ、1週間ぐらいで消える。」

 ハミッシュ陛下は、書類にポタポタ落ちている水滴の方を気にして、書類を私から落ちる水滴から避難させる。

 「1週間の間、私はこの額のマークと過ごさないとならないのですか?」

 『そうだな』と、冷静に言うハミッシュ陛下

 「額に落書きされている罰ゲームを1週間も絶えろという事ですか?」

 すらすら書類を書きだすハミッシュ陛下は、手を止めずに口を開く。

 「そういう事になるな。」

額の落書きの典型的な文字を、サブタイトルにしてしまいました。(笑)

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