表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

187/423

祝福のオーラ

 『状況の説明をしろ!』

 陛下の通信が聞こえる。

 ”陛下だ~!”

 ”うお~!!”

と、陛下の通信で騎士たちが鼓舞される。

 『敵の本体がそろそろ到着します。』

 ジェローム殿が、敵の数の状況を説明する。

 遠目が利くマブがそのように捉えたのだろう。

 『ドラゴンの口からの能力攻撃が一番効き目がある。中でも吹雪の攻撃は敵の動きが遅くなるようだね。』

 フレディが敵の弱点を説明する。

 『吹雪の攻撃を使える者を均等に配置しています。』

 マティアス様が騎士の配置の説明。

 『厄介なのは、あの黒い煙だよね。今、その黒い煙がどこから出ているのか調べている所です。』

 父上が説明をする。

 そう、皆で黒い煙の発生する箇所を調べながら攻撃をしているのだ。

 厄介なだけあって、今のところ見つけられていない。

 それよりもドラゴンが負傷しだしている。

 ドラゴンのしっぽ、これがネックになっている。

 つい、しっぽで払いのけようと、自然とドラゴンが動いてしまうのだ。

 しっぽの先が無くなってしまったドラゴンが、ハウラの街のマブ・ラリマー邸に行っている数が多いようだ。

 つまり、距離をある程度保たなければ危険だ。

 そのことを説明する。

 『遅れました』

 ホレスの通信が聞こえた。

 『一番遠方からの援軍が来たな。ホレス状況は聞こえてたか?』

 『吹雪の攻撃が一番効き目があるところからですが。』

 ジェロームから、敵本体がそろそろ着くことを聞く。

 『あれは・・・。』

 セシルが何かを言って来た。

 ”ブワーーーーッ”

と、金色のオーラが広がり地平線手前で消える。

 祝福のオーラだ。

 ・・・まだ、前回の祝福のオーラから、時期が経っていない。

 皆、驚きを見せる。

 『奇跡と言える祝福のオーラは、感激すべきことだけど・・・敵本体が来ていない中ではいただけないな~。』

 おい・・フレディ、士気が下がる事を言うな。

 『祝福のオーラが敵にかかった時。黒い煙が消えていた。』

 ライナス殿が言う。

 だが、祝福のオーラはもう期待できない。

 1年に一度の祝福のオーラですら、奇跡に近いのだから・・・。

 『マブ・ラリマー邸にいるドラゴンがこちらへ戻ってくるはずだ。先ほどの怪我の事がある。そのドラゴンは充分気を付けて行動をとるだろう。まあ・・そのドラゴンを見習えって事かな?』

 陛下が、士気を上げようと茶目っ気たっぷりに言う。

 騎士の気持ちが少し和らいだようだった。

 「我々には守りたいモノがある。その信念を導けるよう全力を持って進めーーー!!」

 陛下が到着し、陛下自らの声で騎士たちに鼓舞する。

 ”わーーーーー”

 騎士たちの高鳴りが敵本体へと向かわせる。

 「コスモ。押されている所へ援護射撃できるな。吹雪属性の雷を敵に放つ。」

 ”ギュオーッ”

 ”ドンッ ゴゴーッ バリバリッゴゴゴゴーッ”

 コスモが放った雷が敵にあたると、そこが凍りだす。

 「その力、いいよね~。2つその属性を一気に放つことが出来るって能力。」

 全属性を扱える金色と紫色のドラゴンであっても、口から出すの能力は1つずつしか出せない。

 金色のドラゴンであるコスモだけが、2つの能力を一篇に出すことが出来る。

 「ねえ、コスモ。氷属性付きの雷を放った後、凍った箇所から冷気を出す風の能力まで付いたモノを出せる?」

 フレディがコスモに聞いてみた。

 ”ギュウギョオー”

 コスモはやってみるようだ。

 ”バリバリバリッ ゴゴゴー ヒュオーーーッ”

 うん・・・出来てしまった。

 「なんて羨ましい。オルクスは風属性がずば抜けているんだけどね。」

 フレディと絆を結んでいるオルクスの瞳は紫色。

 紫色のドラゴンは全属性の能力は使えるが、金色の瞳との違いは、能力のバランスにある。

 金色の瞳のドラゴンは均等にそれぞれの属性が強力に扱えるが、紫色の瞳のドラゴンは、1つの能力が秀でて強く、その他の能力はそこそこ使える程度となっているのだ。

 それでもオルクスの場合は、その他のモノも強力的に扱えるのだが・・・一篇に能力を扱う事が出来ない。

 フレディもオルクスも悪戯好きには、面白くないのだろうな。

 だが、これでコスモの様になったら、恐ろしい事になりそうだから良かったのかもしれない。

 「フレディ様。準備が出来ました。」

 白騎士団の一人がフレディに伝えると、フレディの顔が変わる。

 「行ってくるね。」

と、言って嬉しそうに敵に向かっていった。

 手には液体の瓶を持って。

 ”ガシャーン ボワ~ッ”

 瓶が敵にぶつかり割れて敵を炎で包み込む。

 「おいおい、あれって火炎瓶じゃないか・・・あんな物を作るとは・・・まったく、フレディの能力は恐ろしいね。」

 陛下が困った感じでつぶやいた。

 ”ブワーーーーッ”

 え?

 金色のオーラが辺りを包み、怪我しているドラゴンの傷がみるみる回復していった。

 しっぽが無くなったドラゴンも元通りに復元。無かったことが嘘のようになっていた。

 ・・・これって、祝福のオーラ。

 「サーシャだ。」

 マティアス殿の口からサーシャの名が上がる。

 ・・・どういう事だ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ