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125年という現実

 「リオン・トラバイトだ。」

 ハミッシュ陛下が言う。

 わかっていますから、ドラゴンの大樹にリオンが彫り物されていることは。

 「ドラゴンの神域に侵入してリオン・トラバイトを彫った輩がいたのですか?それって、ドラゴンの大樹の力が衰えているってことですか?」

 ”ドスーンッ”

 近くで何かが落ちる音

 ドラゴンの大樹の葉が私を威嚇するように近くで落ちたのか?

 ひーーー?!

 ドラゴンの大樹って意思持っているの?

 たまたま、落ちたの?

 どっちなの?

 「ドラゴンの大樹は衰えてなどいませんよ。むしろ活発的になってます。」

 カリスタ様が言い。ドラゴンの大樹にお辞儀をする。

 「リオン・トラバイト本人だ。」

 ハミッシュ殿下は言い、補足の説明をしてくれた。

 彼女が殺され、ドラゴンたちはリオンの遺体をドラゴンの大樹の所へ運んだ。

 すると、ドラゴンの大樹は、リオンを全身にわたり金にして取り込んだという事だった。

 「聖女リオン様が亡くなってから、ドラゴンの実が、毎年実るようになったのです。」

 数年に一度のドラゴンの実が毎年実り、祝福のフレアを放っているのか・・・。

 「サーシャさん、あそこ見てください。」

 カリスタ様が、ドラゴンの大樹の太い枝の中間ぐらいを指さす。

 丸い葉っぱが密集している箇所だった。

 「丸い葉が密集している中に、ドラゴンの実がなっています。」

 現在、ドラゴンの実の表面が薄くもろい段階なので、他の葉により傷がつかないように、丸い葉が覆っていると説明してくれた。

 その後、実が固くなると、丸い葉は落ちるとも、説明に追加してくれた。


 「サーシャ。わかっていると思うが、リオンは、赤の公爵家であるルベライト家に家族同然に育てられた。17歳の時に青の公爵家であるクローライト家の養女になった後も、ルベライト家に懐いていたといっていい。」

 リオンは、母キャサリンと逸れ赤の公爵家ルベライト家に家族同然に育てられていた。

 一方、逸れた母キャサリンは、青の公爵マティアス・クローライトに助けられるも、記憶喪失となっていた。

 記憶がないもののマティアスは、キャサリンに好意を抱き、その後結婚。

 キャサリンに子供がいたと知ると、娘としてリオンを引き取るのだ。

 それが、『ドラフラ』の終盤の話


 「ルベライト公爵家は、領民と仲がいい。歴代の公爵で、領民と飲み明かし路上で寝てしまった者もいるほどだ。」

 公式小説に、記載されていました。

 他にも結構領民とのエピソードが載っていたが、かわいらしいエピソードだと、とある歴代の公爵の誕生日に、領民の子供が手作りのクッキーを作って公爵の邸宅である城に持ってきた。

 その時、公爵はその子供を城の中まで案内し、直接子供の手からクッキーを食べたというエピソードがある。

 それほど、代々赤い公爵家は、領民に近い位置に存在している。


 「そのルベライト公爵家が、リオンを亡くしてからずっと、光を失ったように暗いのだ。」

 125年もですか?

 「信じられません、あんなに・・あんな・・暖かいエピソードのある公爵家が、暗くなるなんて・・・。」

 私の中に、たくさんの公式小説のエピソードが思い浮かんできた。

 トウモロコシが豊作すぎ困った年、トウモロコシの早食い大会を催したエピソード。

 ペットの猫がいなくなって泣いている領民の子供のために、公爵自らも猫を探し奮闘するエピソード。

 「そんな・・・。」

 お家芸のように、明るいあたたかな公爵家が、例えリオンを失ったとしても、ずっと続いているものだと思っていた。

 

 ・・・・そっか、人を失う事の恐ろしさ・・・私、知っているのに・・。

 前世で、兄さんとお祖母さんを失ったことで生じた家族、親戚の私に対する不当な扱い。


 ゲームの世界だから例え、リオンという大きな存在を失っても、この現実離れの観点から、当然素敵でルンルンな方へ勝手に流れていくものだと思っていた。


 ・・・でも、ここは現実だ。


 125年の歳月(現実)を、不当な流れがルベライト公爵家に流れている。

 なんて・・・恐ろしことなんだろう。

 

 「ゲーム、それに公式小説のことを知ってる君だからこそ、その知識を使い、元の公爵家に戻す協力をして欲しいのだ。」

 そういうことか・・・。

 だけど、私には無理だ。

 あの家の娘で、ただ不当に扱われたまま人生を終えたのだから。

 ・・・・私は乗り越えられずに諦め、逃げた。

 何故だろう・・・だからこそ、ルベライト公爵家は、変わってほしいと思ってしまう。

 私にはない、暖かな愛情(モノ)がしっかり根付いているのだから・・・。


 「・・・前世の私の家庭は、残念な家庭です。それでなくても・・私が関わることで、より深い悲しみを生むかもしれません。」

 ハミッシュ陛下と、カリスタ様は真剣に聞いている。

 「一緒に泣くことしか、出来ないかもしれません。それでも、いいですか?」

 長い沈黙が流れる。

 どれぐらい経ったんだろう。

 空気が、しんしんと冷たい風を感じてしまう。

 「・・・ああ、それでも構わない。」

 ハミッシュ陛下が、受け止めるように答えた。

 

先の話になりますが、ごめんなさい。今の段階では、クリスマスの小話は書けそうにありません。

他の作家さんの作品で、よく拝見している時期の小話・・・憧れているのに・・・書けない。

悲しいです。(涙)

申し訳ないですが、自分で乗り突っ込みしていた妄想に、たまたまサンタが登場したモノがあったので、小説としてアップしました。

 『ハングリー あんぐり ホスピタル』

よろしかったら見て頂けると嬉しいです。

クリスマスなのか?

と、疑いを向ける内容なのですが・・・。

これぐらいしか、今の私には出せる時期モノがなくて・・・。

本当にすみません。


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