表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

174/423

給料、ボーナス、特別手当

 サーシャとヘンリー殿が、婚約を公にした舞踏会から、今日で10日となるのか・・・。

 舞踏会が昨日のことのように・・・いや、家族とサーシャで川の字となって寝たのが、昨日のように思える。

 舞踏会は・・・一昨日だな。

 ライナスが、アマルテアと絆を結べたので、昨日にしてもいいのだが・・・やはり、家族の絆も大事だからな。

 そのライナスなのだが、未だにアマルテアから年齢を聞けていない。

 雌のドラゴンはどうも、年齢不詳でいたい傾向があるようだ。

 国家鑑定士枠があるので、年齢は教えて欲しいと誰もが思うだろうが、ライナスは公爵となるから、年齢はさほど関係がない。

 ただ、信頼関係の進展ということで、ライナスだけでもいいから、伝えて欲しいものだな。

 

 「マティアス、キャサリン。遅くなって申し訳ない。」

 陛下が、ピアーズ殿と一緒に王宮の応接室に入って来た。

 ピアーズ殿の髪がくしゃくしゃになっているから、何かあったのだろう。

 あらかた陛下が書類整理を怠けたのだろう。

 陛下は、書類整理の怠け癖があると噂が上がっているからな。

 

 「それで、話があると聞いたのだが・・。」

 陛下から話を切り出してくれた。

 なので、遠慮はいらないな。

 「サーシャの事です。」

 これまで、たくさんの仕事をこなし、想像以上の成果を残してきた事を

伝える。

 「これからも、この国の発展に貢献する事は、安易に予想できます。」

 ピアーズ殿。素敵なお言葉ありがとうございます。

 「それですのに陛下は、サーシャに何も褒美をくださらないのですね。」

 キャサリンが少し不満を表す口調で言う。

 「陛下がサーシャに、ルベライト家それにナイジェル・ラリマー邸のところへ行って欲しいと紹介状を書いたのですよね。」

 いわば、サーシャは派遣である。

 「それですのにサーシャは、陛下から給料を一切頂いてない様子でしたよ。」

 キャサリンはピアーズ殿に、サーシャに給料は渡したかを聞く。

 もちろん、出していないと答える。

 「国のトップが、他国であろうが公爵令嬢を奴隷のように扱うとは・・・。それも、ヘリオドール一族の者を・・。」

 「その事が、ヘリオドール一族のトップであるウィリアム殿の耳に届いたら、どうなってしまうのでしょう。私・・恐ろしいです。」

 キャサリンの援護射撃は、的確で嬉しい。

 私の妻で、本当に感謝をしている。

 「サーシャ殿に、給料をお出しいたします。」

 それは、もちろんの事だピアーズ殿。

 「そういえば、トリプライト宮殿の使用人たちは、ボーナスも頂いている方がいるとか・・・。」

 トリプライト宮殿の使用人たちは、部門ごとのトップ10人にボーナスが出る。

 そうすることで、ボーナスの為に必死に仕事を取り組もうとするからだ。

 「サーシャの功績からすれば、ボーナスを出すべきと存じますが・・。」

 ピアース殿の顔色が青みがかる。

 「ボーナスを出すことも・・・妥当と思われます。」

 うん、陛下の側近は話がわかる人のようだ。

 「一年程前の今頃に、サーシャは牢屋に入れられましたね。」

 無実の者を牢屋に入れて、最終的にキャサリンがサーシャを保護する形で収まったが・・・・。

 「牢屋の看守が、牢屋からいなくなる時間帯があり、私があと一歩遅ければ、ホレス殿に殺されていたのですよね。」

 国の中心の兵にしては、お粗末すぎではないか?

 そして、本来サーシャは無実なのだから、すぐにでも牢屋から出すべきなのに、数日間牢屋へ入れておいたこと。

 「国のトップでありながら・・・あまりにも酷い対応だと思うのですが・・・。」

 ピアーズ殿は、サーシャがクラウンコッパー公爵家と言うことで、牢屋からすぐに出してしまうと、危険が伴う為に牢屋に入れたままにするしかなかったことを言う。

 「陛下・・・自分の兵を使い、安全な場所へ移動させる事をしなかったのは何故ですか?」

 「牢屋でなく、監視付きの部屋でもよろしかったのではありませんか?」

 ピアーズ殿が冷や汗を拭っていた。

 「ワザとサーシャを牢屋に留め置き、看守もいない時間を作る事で、ワザと暴動を起こさせる行為をさせ、敵方を捕まえる事は出来ますね。」

 「その様な事でしたら理解できますが・・・・それなりの手当がでるはずですよね。」

 ピアーズ殿はおとり作戦として、そのような処置をした事を認め、特別手当を出す事を言ってくれた。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ