表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/423

ドラゴンの背に乗り、どちらへと?

途中から、デリック先生視点に変わります。

 「もう一泊させていただきありがとうございました。」

 ここは、港町シャーマの国家公務員のドラゴン寮の敷地の門の前。

 私は、目録作成後に、これからの旅の準備に時間がかかってしまい。

 もう一泊、この寮に泊めていただいたのだ。

 「こちらも一晩、リュヌの銀である櫛を貸してくれたのだ。感謝する。」

 デリック先生から、母の形見である銀の櫛を受け取り、昨日購入した馬にまたがる。

 「サーシャ殿。あなたはこれからどこへ行くつもりだ?」

 デリック先生が言ってきた。

 うーん、秘密にすることもないし、マシュアクセサリーで居場所わかってしまうしいいか。

 「ドラゴニアに永住するつもりですから、ドラゴンの神域に一番近い礼拝堂『聖ライト礼拝堂』へ挨拶をしに行こうかと。」

 デリック先生は、フッと笑う。

 「サーシャ殿らしい。道中気を付けて。」

 「ありがとうございます。さようならデリック先生!!」

 私は、手を振りながら出発をした。


 ◇ ◇ ◇


 俺は、サーシャ殿を見送ると、すぐにヴァルナのところへ行く。

 中央に報告をしないとならない。

 鞄には、しっかり報告書が入っている。

「ヴァルナ、待たせたな。中央へ行こうか。」

 俺は、ヴァルナにまたがる。

 『わかったわ。サーシャさんは元気に旅立ったかしら?』

 ヴァルナは、ねぐらから出るとすぐに飛びだってくれた。

 日差しに照らされヴァルナの鱗が、ほのかに上品に照らされる。

 俺の頭に中に流れるヴァルナの声は、美しいドラゴンなだけあり品がある。

 俺と絆を結んで125年になる。

 俺も、ヴァルナの美しさを損なわせないように、身なりも気にして、苦手だったダンスも一から習った。

 ”キュウ~”

 『サーシャさ~ん!!』

 ヴァルナが、林の中の道で、馬に乗って目的地に向かているサーシャ殿に鳴き声をあげて呼んだ。

 サーシャ殿は、笑顔で見えなくなるまで、手を振り答えてくれた。

 『デリック。やはり報告書を中央に提出するのですか?』

 ヴァルナは、不満そうに言う。

 「仕方がないだろう、大量の財宝を持ち込んできたのだから。これが国家鑑定士の仕事だ。」

 俺は、ヴァルナに言い聞かせる。


 国家鑑定士の仕事には、他国からの財宝の持ち込みが、多い場合報告をしないとならない。

 一気に質に出されたりしたら、国にお金が無くなる恐れがあるからだ。

 それから、贋金の取り締まりも、国家鑑定士の仕事である。

 贋金に関しては、他国よりも優れていると自負している。

 なんたって、ドラゴンという強い味方がいるのだから。


 それにしても113個、いや114個か、あの貴金属は凄かった。

 サーシャ殿は、硬貨に替えることなく持っていたとは・・・・・。

 「ある意味・・・鋭い考えをもっているのか?」

 『どうしたのです?』

 考え事をしている俺に、ヴァルナが声をかけてくれた。

 「サーシャ殿は、想像以上の策士ではないかと思ってな。」

 サーシャ殿は、持っていた貴金属を硬貨に交換せずに、少しずつ交換していることだ。

 貴金属を硬貨に交換して、その硬貨に贋金があれば捕まる。

 特にドラゴニアは贋金には厳しいからな。

 貴金属が偽物があっても、偽物というだけで終わる。

 全て硬貨にすれば、あそこまで重い荷物を持たずにすむのに、そうしなったのは、ドラゴニアの状況を知ってのことか・・・。


 「デリック先生~っ!!お~い、デリック先生~っ!!」

 どこからか聞き覚えの声がする。

 ここに、いてはいけない声なので、幻聴にしたいのだが、その声の主が主なだけに、振り向かないとならない。

 ああ、やはり間違えではなかった。

 金髪にアイスブルーの瞳。

 「ハミッシュ陛下!!」

 そこには、青い雄のドラゴン『ユピテル』にまたがり、俺に手を振っている、この国の国王ハミッシュ・トリプライト=ドラゴニアがいた。

 頼みますから、元気よく手を振らないでください。

 品位が気になります。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ