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目的地

 盗賊団の戦いが終わり、盗賊団を拘束している。

 盗賊団のドラゴンは鎖で繋がれて、赤い雄ドラゴンと繋がれていた。

 ・・・雄のドラゴンです。

 赤い雌のドラゴンは、キラキラした水色の瞳を向けているに留めていた。

 8人の兵士たちは、やはり無傷であった。

 流石と言える集団だ。


 盗賊団をロープで結び、ドラゴンの結び歩かせる。

 その周りに兵士たちが囲い、目的地に向かう。


 「助けて頂いてありがとうございます。」

と、ベルデ伯爵にお礼を言う。

 「私に会いたかったのではありませんか?」

 流石ベルデ伯爵だわ。

 「その通りです。」

 私は微笑むが、若干顔の引きつるのは許してくださいね。

 私の近くで、それなりの容姿の方々が、精神がどこかへ行って、ただ歩いている者と、そうなりたくなく怖がっている者たちがいるものでして・・・。

 「名前をお聞かせくださいませんか?」

 ベルデ伯爵の言葉に気が付いた。

 私、名前を名乗っていないわ。

 「ご無礼をいたしました・・・サーシャです。」

 私は、丁寧に謝罪を入れ挨拶をする。

 「カーネリアン・・もしくはクラウンコッパーと名乗らないのですか?」

 痛いところを突かれた。

 「何て名乗るべきかわからないのです・・。ですが、サーシャであるのは確かですよ。」

 苦笑いをする。

 カーネリアンと名乗れば嘘になる。

 かといって素直にクラウンコッパーとは名乗りたくない。

 そうなると、姓なしになるしかないじゃない。

 それとも、前世の浅見沙弥那と名乗れというの?

 「いっそ、ヘリオドールと名乗ってもいいのではありませんか?」

 「いえ、そこまでの人間ではありません。」

 自分の頭を左右に振る。

 多少、恐怖を感じて見えるのは、その通りだからである。

 「そうでしょうか・・ここにいる者たちは私も含め、皆あなたの考えそのままに動いていたように思えるのですよね。」

 それは、たまたまですよ。

 「きっと、今後も動かされると思いますし・・・。」

 疑いの眼差しで見ようが、たまたまですよ。

 ベルデ伯爵は、私の行動が正しいという事で疑いの眼差しは、すぐに解除してくれた。

 だが、ベルデ伯爵の今後の方針を決める為に、今回の事を詳しく聞かせて欲しいと言われた。

 「まず最初、キャサリン様がいた時に襲われた盗賊団に偽の帰還ルートを流した。」


 あってます。


 最初に兵士が出してくれた地図に偽の帰還ルートを記載し、その場で帰還ルートがわかる範囲を残すように地図を燃やし土に埋めた。

 その後、運が良ければ盗賊団が仲間を助けに来た際に、その情報が盗賊団に回される事になる。

 安全にルートを進むことが出来る。

 なので、せっかくの見やすい地図だったけど燃やしました。


 「あなたの目的地は、私の所であってますか?」

 

 正解です。


 今後の事を考えると、どうしても交換島の権力が必要になる。

 今回の無理やりドラゴンと絆を結んでいる者がいるという事。その者たちが盗賊団と手を結んでいる事を、中央機関に速攻取り合って貰い、中央機関が主となって進めて行ってくれないと、クローライト公爵家が困るのだ・・・死人が出る恐れのある、過労死ルートとなってしまう。

 なので、ベルデ交換島伯爵に会わなければならなかった。


 「8人の兵士を危険にさらしても、私の所を目指した・・・。」


 ・・・はい。


 8人の兵士にも言ったが、今後、若いドラゴンと絆を結んだドラゴン騎士にがさ入れが入ると思われる。

 そこで、もし無理やり絆を結んだ者がいればドラゴン騎士の信頼は落ちる。

 そうなれば、国の防衛機関の信頼が落ちる事になる。

 それを補うために必要なのは、ドラゴンと絆を結んでいない国の機関に所属している者。

 それを今のうちから英雄として目立たせなくてはならない。

 その為に多少の危険を承知でここまで来たのだ。


 「近くの町に避難をしなかったのは、英雄を出す為ということですか?」


 もちろんです。


 ジジイ様の呼びかけで、敵の領土の町や村にドラゴンを配置してくれた。

 つまり、あの時点でまだ町に到達してなくても、必ず近くの町に来てくれる。

 そこへ行けば、簡単に助かる。

 だが、それは出来ない。

 8人の兵士は、今後希望となって貰わなければならない。

 ・・・英雄として。


 「港町デュモルチェを目指さなかったのは・・・どうしてですか?」

 私は、クスリと笑う。

 「ジジイ様が、ドラコンを大量に動かしたとなれば、その原因を調べなければならないですよね。」

 ベルデ伯爵は、苦笑いをしながら、そうせざるおえない事を言った。

 「つまり、原因の発端であろうプラシオの町に、ベルデ伯爵自ら向かわなければならなくなる。違いますか?」

 赤いドラゴンが3頭町を囲い守っていた。

 目的地のプラシオの町だ。


 「私とサーシャ殿があったのですから、そうとしか言えないではありませんか。」

 ベルデ伯爵と私は笑う。

 こうして、プラシオの町へと入って行った。 

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