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目の前にあるモノ

 祝福のフレアから8日が経っていた。

 只今、私は・・・落ち着いた水色のメイド服を着ている。

 タートルネックのブラウスに、ハイウエストのジャンパースカート。

 腰からのエプロン。

 ・・・・これまで着たって言っても3着目だが、一番胸が強調されやすい服。

 つまり、胸のふくらみが品よく見えるか、妖艶に見えるか・・残念に見えるか。

 着る人によって見え方が違う風に見えるメイド服である。

 ・・・私は、大きさ的にサイズB?

 この世界はコルセットでブラジャーないからな。

 うまく説明できないが・・・残念な分類に入ってはいるが片足ぐらいは抜け出していると思いたい。

 前世はAサイズだったから・・・是非そうあって欲しい。


 ここは、クローライト城

 別名『滝城』と呼ばれている。

 滝を囲むように城が建てられている。

 

 「支度が出来たようね。」

と、お部屋にキャサリン様が入ってくる。

 「ごめんなさいね。あなたにメイドをさせてしまって。」

 キャサリン様は、一応公爵令嬢である私にメイドの仕事をさせることを気にしているようだった。

 あの家に私は未練なんてないのにな・・・。


 私は、クローライト公爵家が預かるという事で決着がついた。


 ここに至るまでは、ひと悶着がやはりあって・・・ですね。

 ・・・うん


 ◇ ◇ ◇


 ・・・祝福のフレアから3日後


 王宮トリプライトの地下牢に私はまだいた。


 普通、牢屋飯ってまずいイメージがある。

 具材玉ねぎのみと思われる質素過ぎなシチュー

 パン屋で売っている、それなりにおいしいバケット・・なのだが数日放置しました的、少し固めのパン。

 はっきり述べた方がよさそうだ。

 王宮の料理人ってやはり一流料理人だ。

 どんなに頑張ってもまずい物は作れないのね。

 もしくは、前世貧乏生活をしていた私だからこそ、そう思うのかしら?


 アリシアが44歳まで生きただけの事はあると思てもおかしくないかしらね。

 まあ、いいか。


 ・・・ごちそうさまでした。


 私は、空のトレーを鉄格子の所まで持って行き、看守に渡す。

 看守が地下牢を出て行く。

 

 ”カツカツカツ”

と、結構力強く歩いているのか足音が大きく聞こえる。

 ”カチャリ キーッ”

 牢屋の鍵を開け扉が開く音がする。

 私は、その方角を見る。

 「?!」 

 私は、目を見開き驚く。

 ”サーーー”

 その音は、鞘から剣を抜く音

 「何故、この国を混乱させる者を許すんだ!!」

 そこにいたのはホレス様だった。

 「何故、俺のいう事をわかってくれないのだ!!」

 ホレス様は興奮している。

 「クラウンコッパー公爵家の者なんだぞ!」

 ホレス様の手に持っている剣に力が入っている

 看守は食器を片付けに今はいない。

 ・・・・殺される!!

 私は目を瞑る。

 ”バサッ”

 私に覆いかぶさる感触。

 私はすぐに目を開けあたりを見回す。

 私に覆いかぶさったのは女性の人。

 黒髪ストレートの女性

 リオンの母親のキャサリン様だった。

 「キャサリン殿。そこをどいてください!!」

 「出来ません。ホレス殿こそ、剣を納めてください!!」

 キャサリン様は私を抱きしめたまま、後ろを振り向きホレス様に訴える。

 「その女はクラウンコッパーの者。生きる価値のない者のはずだ!!」

 「ホレス殿、勘違いはしないで欲しい。ここにいるサーシャは、リオンを殺したクラウンコッパーとは違うのです。どうして理解できないのですか?」

 キャサリン様は、私に背をむけ両腕を広げ、私をかばっている。

 「クラウンコッパーという名、それ自体でもう罪なのだ!!」

 ホレス様は、キャサリン様が賛同しない事がおかしいと言った。


 そうだわ。キャサリン様はわが子を殺されたのだクラウンコッパーの刺客に・・。


 「確かに、リオンはクラウンコッパーの刺客に殺されました。ですが賛同はしません。私はアリシアの母でもあるからです!!」

 クラウンコッパーの刺客を招き入れたのはアリシアだ。

 「記憶の無かった私を、私とたらしめたのはアリシアです!!もし、アリシアのしたことで、罪のない者を殺す程の怒りがあるなら、アリシアの母である私をまずは殺しなさい!!」

 私の目から涙が出る。

 私の目の前に・・・子を思う母がいる。

 その思いで私を守ってくれている。

 ・・・・私に向けられることのない愛情が

 憧れる事しか出来なかったモノが

 

 ・・・感じられる。

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