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君の名の意味は・・・

 俺は、王室の控室にて、一人掛けのソファーに座っている。

 部屋には、カリスタとホレスがいた。

 カリスタが自らハーブティーを淹れて出してくれたが、冷静になればなるほど、イライラが募っていた。

 「遅れまして申し訳ございません。サーシャさんが兵士たちに連れていかれるのを見たものでして・・。」

 どうやら、ピアーズが部屋の雰囲気を呼んだようだ。

 遅くなった言い訳を最後まで言いきれないまま、部屋の空気に飲まれたようだ。

 「カリスタ様、陛下に何があったのでしょうか?」

 カリスタが、俺とホレスを顔をチラリと見ながら、話しずらそうに話し出す。

 サーシャが俺らを呼んだのは、国外に逃がして欲しいという事。

 サーシャがクラウンコッパー公爵家の者だろうという事。

 サーシャがクラウンコッパー公爵家の者として、ホレスに摑まり牢屋に連れていかれた事。

 サーシャが丸腰だという事。


 サーシャが国外に逃がして欲しいという事を言っていたのをホレスが知ると驚いていた。

 俺もサーシャがクラウンコッパー公爵家の者であるなら、一端ピューゼン王国に行かせていた。

 リオンを殺した公爵家と同じ名前を語るのだ。

 皆を落ち着かせる必要があるだろう。

 落ち着いたところで、サーシャ本人がなした功績を挙げれば、ドラゴニアに必要な存在だと分かる。

 今現在取り組んでいる緑化計画が、いい例だ。

 そうなったら、ドラゴニアに向かい入れればいい。

 それこそ、ヘンリーの嫁としてな・・・。

 だが、こうなってしまったら修復は不可能も近い。


 ただサーシャという存在の責任が虚しく残るだけだ。


 ・・・やるせない。


 「これはまた、困った事をしてくれましたね。」

 ピアーズもホレスの行動に呆れていた。

 「・・・サーシャが、武器を隠し持っていたとして処理をしないとなりませんね。」

 ・・・そうするしかないのか。

 俺は頭を抱える。

 そうしなくてはいけないのは、俺が王だからだ。

 王の威厳は、それだけで正しいと示さないとならない。

 だからこそ、その行動には真の責任が生まれる。

 正しい威厳を示さなければ、国が乱れる。そして、その責任が俺に重くのしかかる。

 

 サーシャは前世のよしみだ。

 何とかしなくてはならない。

 それだけではない。

 ヘンリーがサーシャといる事で、やっと前向きになったのだ。

 それを、失わせるわけにはいかない。

 

 ・・・では、どうすればいいのか?


 俺は、頭を掻く。

 本当、マジ・・・ホレスの馬鹿野郎をまずは牢屋にぶち込みたい。

 そうする理由を考えた方が楽じゃないのか?

 その楽な考え方は・・・思いつかない。

  

 「陛下、遅くなりました。」

と、金色の瞳の男性と、黒髪ストレートの女性が入って来た。

 クローライト元公爵夫妻のマティアスとキャサリンだ。

 「サーシャ・カーネリアンの調査の事、遅れましたこと、申し訳ございません。」

 マティアスが深々と頭を下げる。

 その夫人のキャサリンもだ。


 「報告の遅れた理由があるのであろう。」

 俺は、報告の遅れた理由の検討はついていた。

 クラウンコッパー公爵家の事を詳しく調べていたのだろう。

 80年前にお家断絶した公爵家のはずなのだから。


 俺は、サーシャの調査をこの2人に依頼をした。

 そう、聖ライト礼拝堂で始めてサーシャと会た後、カリスタとクローライト城へ行ったのだ。

 デリック先生が中央に報告したサーシャの貴金属の目録。

 

 デリック先生は、その目録の他に貴金属の産地が分かる目録も作っていた。

 産地といっても大陸の割り出しぐらいしか出来ないのだが、それでも、そのほとんどがコアルト大陸の物だった。

 なので、サーシャがコアルト大陸の出身者だろうとは聖ライト礼拝堂で会う前からわかっていた。

 俺の予想はリュヌの銀の櫛から、ナーガ王国の出身だったのだが・・・。

 

 コアルト大陸は、ラーイ界で一番大きな大陸。

 7つの国が存在している。

 世界一のクリスタルの産地のナーガ王国と、もう一つが、リオンと目の前にいるキャサリンの出身地であるイリス帝国。

 まあ、サーシャの出身地にもなるか・・・。

 

 サーシャがイリス帝国以外の出身者であって欲しいのだが・・・。


 「サーシャという女性が、サーシャ・クラウンコッパーという名であったのは事実です。」

と、衝撃的が答えがマティアスの口から発せられた。

 

 

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