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突然の始まり

 付き合い始めてから、二人は頻繁に連絡を取り合った。                      

連絡を取り合う様になってから最初の内は、忠志LINE

のやり取りスタンプや絵文字を使わないことに、ミサトは不満を感じ「田村さん、LINEが一本調子で、なんか機械的な感じだから、もうちょっと絵文字とか、遊び心が欲しいな」と言うと。           


 「大の男が絵文字なんてできないよ」と言いつつも

、次のLINEから絵文字やスタンプを不器用な使い方で返してくる。                  

 またデートをしている時でも、二人が、レストランで小さなケンカになった時、ふっと忠志は、トイレに行くと席を立ち、何で話の途中で席を立つのよ、ますます不機嫌になるミサトに、すぐさまLINEで、ゴメンね、とハートマークを入れて送ってくる。少し離れて、ミサトがスマホを見たのを確認してから、いたずらっ子ぽく笑い、再度ゴメンと言葉で送る。    


 軽いサプライズをさりげなく行う忠志に、ミサトは益々心が惹かれて行くのを感じた。        

 そんな忠志を喜ばせようと、ミサトは今まで以上に身なりに気をつかっていった。          


 恋をすると女性は綺麗になるとはよく言うが、ミサトも例外で無く、喫茶店でバイトしたお金を貯めて、ちょっと高めな服を買たり、化粧も洗練されたものに

なっていった。                 


異変は、何の前ぶれもなく起こった        

 二人が付き合い始めてから、一年近く経った時だった。恵理が急にスマホで、大事な話があると、大学近くの喫茶店にミサトを呼び出した。        

 何事かと思いミサトは先に待っていた。少し遅れてやって来た恵理の神妙な表情を見て、ミサトは少し緊張した。                   

 


 恵理は最近、彼と上手くいったないと聞いていたから、別れ話の相談かなと思ったが、恵理の口から出て来たのは、意外な話だった。          

 

 「ねえ、ミサトあなたを親友だと思って言うんだけど。田村さんもしかして、浮気してるんじゃない」

 ミサトは一瞬何が起こったのか全く理解出来なかった、その数秒後、怒りが込み上げて来た      

 何よ、私達が上手くいってるからって、嫉妬して、適当なこと言わないでよとミサトは言おうとしたが、

恵理の表情があまりにも真剣だったので、ミサトは口をつぐんだ。                  


「私、田村さんが他の女の人と一緒にいるの見た」

すぐ様、ミサトは「単なる知り合いかも知れないじゃない」と反論したが。           

「でもシティホテルの中に、二人で入って行くところを見たのよ。ただならぬ雰囲気だった」

「でも浮気とは限らないじゃない」強めに言ったつもりだったが、声のトーンが弱まっていくのを感じてた。                     


「いくら恵理だからって、そんな事言うのは許せない

。私、信じないからね」

バンと力強くテーブルを叩き、恵理にさよならもいわ図、自分の会計だけ支払って、ミサトは店を後にした

た。                      


 勢いよく飛び出したものの、ミサトに一気に不安が押し寄せて来た。                

 何で恵理はあんなこと言ったんだろう。もしかして忠志本当に浮気してるのかな。          

 そう思うと、矢も盾もたまらず、電車を乗り継いで、忠志の勤めている会社へと向かった。     

      

 忠志の勤めている会社は、ミサトの通っている大学から近い、大手企業が多く居を構える場所に在る会社に着いた時、すでに、午後五時を回っていた。   

 もう帰ったのかな。それとも残業かな。そんなことを考えていると、忠志が会社からでで来た。   


浮気をしたのか問い詰めようと、最寄りの駅の方の道で待っていたミサトだったが、忠志が駅とは別の方向に歩いていくのを見た。             

 ミサトはは嫌な予感がした。よしなさいと脳が指令を出したが、思わず、忠志のあとをつけていった。 


 後をつけてから数分、忠志はそこそこ高級そうなホテルの前で止まった嫌な予感が現実味を帯びて来たと思った時、ある女性がホテルへ歩いて来て忠志の前に止まった。辺りは暗かったが、ライトで女性の顔は分かる。そして、そのまま二人でホテルへと入っていった。                      


 ミサトは呆然と立ち尽くしていた。それは、忠志がホテルに他の女性と入って行ったことではなく、その相手がミサトの姉の由美であったことだった。



          

 

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