コウジ、頑張る
進化してから、魔物を探しては倒してを繰り返して数日が立ったが、一つわかったことがある......
なぜここの魔物はスライムとウルフしかいないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
見つける魔物全部この2種類だけってなんなんだ!もとあるだろう!ゴブリンとかオークとかドラゴンとかさあ!(さすがにドラゴンは無理かもしれんが........)、早く違う魔物が見たい!経験値もいっぱいほしい!
ということで、違う魔物を探しに行こう。ちなみに数日のガチャ結果が
・初心者の剣×3
ねぇ?このガチャの確率どうなってるの?おかしくない?こんなに同じのあってもほとんど使い道ないよ?せめてもう一段階高いランクの剣くれよ.......
気を引き締めて、早速森を歩こう!適当に動いて迷ってしまっては意味がないのでまっすぐ進むとしよう。
♦♦♦♦♦
この世界、スライムとウルフしかいないんじゃないか?あれからずっと進んではいるが、魔物は変わらんぞ?そろそろほかの魔物出てきてくれ......
俺はそう思いながら、ウルフを一匹倒した。
あれから魔物1000体は倒しているのにレベルが未だ3だ。やはり俺にあった場所じゃないからなんだろうな。ほんとに何か出てこないかないかな?そろそろ、日も暮れるし寝るとするか。
スキル【暗視】があるが、夜は眠くなる。進化して寝なくてもいいようにとかならないかな?できるとしたらやっぱり、アンデッド(ゾンビやスケルトンなど)や吸血鬼とかかな?アンデッドは悪魔と関係あるのかはわからないから望みは薄いのかな.......いや、前向きに行こう、できないと決まったわけじゃないし魔物の可能性は無限大だと信じたい。
そんな事を考えながら俺は木に登っていつもと同じように枝によりかかろうとしたとき、何かが視界に入った。それは、一つの洞窟だった。なんの変哲もないただの洞窟だが、何故か俺はその洞窟に意識が持っていかれる。ここに来るまでに洞窟はいくつかあったのだが、どの洞窟も入っても何も居なく、少し進んだら行き止まりだったのだ。だが今回の洞窟は見た目からしてこれまでの洞窟と一緒なはずなのに、何故かここに行けと強く背中を押される感じがする。
俺は登った木を下り見つけた洞窟に向かう。洞窟まではさほど距離なく、すぐに洞窟の前までついた。洞窟にさっそく入ろうと洞窟に足を一歩踏み入れた。洞窟の中は特に変わった様子はない。
中を歩いてると、一つの扉を見つけた。とても大きく、重そうな鋼鉄のような扉で、取っ手のような部分はない。たぶん押して開けるのだろうがどうやっても動くとは思えないのだ。
まぁ考えていては仕方がないので、動かなそうでも物は試しということで押してみることにする。
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扉に触れる生命体を感知しました。生命体が悪魔系であることを確認、これより、試練を開始します。
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その音声が終わると、ゴゴゴゴゴォォという音を鳴らしながら扉が開いた。
「試練か…やるしかないか…よし。異世界初試練!絶対勝つぞ…!」
そう鷹を括り、扉の先に足を踏み入れた。
だが扉のの中には何もない…直径1km位ありそうな空間が広がっているだけである。
その時、上から何かが""ドゴォォォォォォォォン""と音を鳴らしながら落ちてきた。土煙が舞い、出てきたものは高さが5mくらいある岩の人形だった。
【鑑定lv1】を思わずかけると…
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名前 []
種族 岩人形
ゴーレム
LV 10
ATK 312
DEF 423
AGL 3
INT 0
MND 254
DEX 0
LUK0
「スキル」
「物理耐性lv4」「魔法耐性lv2」 「剛腕lv1」
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「つっよ…」
LV10と俺よりもレベルが高いし、ステータスも圧倒的だ。物理耐性と魔法耐性が高すぎる。スキルと経験でこの差を埋めることができればいいのだが、ウルフやスライムと闘ってるときにレベル差の壁はとても高かった。レベルが5以上開いてからは魔物がすべて簡単に倒せた。今回はその逆の立場だ。しかもステータスも大幅に開いている。
もしもの時は逃げよう。
そう思い後ろを向く。すると逃げられなくするためか、試練が終わるまでは出てはいけないのかドアが重低音を響かせながらひとりでに閉じられた。
試練なのだから、やっぱりやるしかないのか。ならまず小手調べだ
「『ダークボール』」
魔法がゴーレムに飛んでいき、直撃した.......のだが、ゴーレムには傷一つついてはいなかった。
「ならこれならどうだ!」
俺は、空間収納から剣を取り出しゴーレムのもとへ走った。ゴーレムは走ってくる俺にこぶしを振り下ろした。ゴーレムの拳の速度は遅いので、避けたものにもう一方の拳がきていて、俺は何とか剣で防いだが勢いが強くそのまま部屋の壁に激突した。
「ぐはっ!!」
まさか剣で防いだのにここまでダメージが入ると思わなかった.....速度は遅いのだが、拳の大きさと威力と風圧が強すぎる。あれをまともにくらうとやばいか。
これは避け続けるしかないのか…だが、あの拳の大きさをどうやって攻略するかだな。見てから避けるのはほとんど不可能だ、かといって魔法も物理攻撃もほとんど効果がないようだ。いったいどうすれば......
どうやらゴーレムは移動速度も極端に遅いらしい。カタツムリ位に遅いんじゃないか?あれ。
だが根本的な問題である、物理・魔法攻撃が俺の強さでは全く効かない…いったいどうすれば.......。
遅い速度た着々とゴーレムはこちらに迫ってきている。打開策が思い浮かばないので、今はとにかく逃げる事に専念する。隙が出来たら攻撃してみるという作戦に切り替える。
ゴーレムから逃げその隙に攻撃を仕掛けていると、ある事に気づいた。
「関節の所が脆い…?やってみるか…」
ゴーレムの攻撃を避け、その隙に関節に攻撃をいれる…が、剣が折れてしまった。
「おいおい…」
そしてゴーレムは…と言うと全く動じていない。
「幸い予備の剣はある…だがこの"初心者の剣"では通じないからな…」
そう考えている間にもゴーレムの拳がこちらに迫ってくる。辛うじて躱すも、体力はまだあるが、無限では無いので繰り返しているうちにどんどん此方の速度が落ちていくだろう。
ひたすらゴーレムから逃げながら魔法で攻撃、ゴーレムの攻撃力を避け、隙が出来たら物理攻撃を繰り返す。
「これは…不味いな…剣も残り1本だ…体力はまだ余裕がある、完全な火力不足だな…」
そう考えながら広い空間を走り回っていると…
あれは.....骨か?
そこには、人骨のようなものが落ちていた。入ってすぐゴーレムに気を取られて周りを見ていなかったから気づかなかった。周りを見るようにしないとな…よく見ると骨の傍に剣のようなものが落ちていた。
剣か…"初心者の剣"よりは使えそうだな…こんな剣を試練で持ってくるのは俺ぐらいだろう。となれば、話は簡単だ。あの剣を使う。だからまずはどうやって取るかだが、ゴーレムとは距離が離れている。とるなら今しかない。そう思い剣のほうに向かって走る。剣の近くまで近づく事が出来た。
「この剣、使わさせて頂きます。」
そう言って剣を取る。
剣をとってゴーレムの方に向かう。
この剣で何とかなればいいが.....
ゴーレムはまた同じようにこちらへ破壊力抜群の拳を振りかぶってくる。コウジはそれを避けると同時に剣で関節部分を切り付けた。……ゴーレムの関節がスパリと切れ、片足を失ったことでバランスを失いそのまま倒れた。その隙を見逃すはずもなくそのままゴーレムを真っ二つに切りつけた。そのうちゴーレムは動かなくなり、光の粒子となって消えていった。
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試練のクリアを確認。クリア者の進化先に『???』を追加しました。
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「終わった…まさかゴーレムを真っ二つに…この剣がなかったら俺は負けてたな。一体どんな剣なんだ?」
【関節lv1】
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雪華の剣・・・レア度 B 切れ味に特化した剣。鋼をも簡単に切り裂くことができる。氷魔法との相性が良く、氷魔法を伝導させる事でより硬度と汎用性が増す。ただし、火に弱い。
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初心者の剣とは比べ物にならないくらいにいいものだな。てか、なんで前の持ち主はこの剣持っててあのゴーレム倒せないんだよ....。まあいいか。それより奥に進んでみよう。ゴーレムを倒したことにより奥のドアが開いていた。
奥には文字の書かれた石版とその横に魔法陣のようなものがあった。
魔法陣は置いといて石版の方を先に見た。
試練のクリアおめでとう。ここを見つけること自体が試練だったから割と弱めの魔物を置いておいたぞ。試練をクリアした君にはこれからの選択肢を増やしてあげた。その選択肢を選ぶかは君次第だがこの先の幸運を願うとしよう。最後にこの横の魔法陣だが、大陸の森の中に飛ばすものなので安心して乗ってほしい。
よくわからん。とりあえずこの魔法陣に乗ればここを脱出できるんだな。よし、ない頭で考えても仕方ないし、魔法陣に乗ろう。
コウジが魔法陣に乗ると光とともにコウジの姿が消えた。