バイバイ名無しのクローン達
何回でも生き返る軍団というのはなんとも頼もしい。
しかし、何度でも作り変えることができる人間も頼もしいものだ。
「今回は100人くらい作るに。」
「そうだな、それくらいがちょうど良いな。」
「まったく、サンプルは値段が安くてたすかるに。」
「ああ。プロトタイプよりも生産性が高いからな。」
「じゃ、スイッチオンだに。」
そう言ってレバーを引くと、たくさんの「サンプル」にDNAが注がれていく。
「今回はいくらぐらいで軍に買ってもらえるんだろうな。」
「まあ、軍事利用だから、まだまだ生産受注されて儲かるに。」
「第二次世界大戦、、、とでも言える状況なんだっけ?」
「そうだわい。戦争は我々の懐をあっためるに。」
「おれ、広報部には縁がないから今の現状、教えてくれよ。」
理系だったからな。
「まったくしょうがないに。」
「本土決戦を避けたい日本は、あの手この手で戦略を練っていたんだに。
ゼロ戦や戦艦大和、それらは確かに対米に対する脅威となったのは、
君も絡んでいたプロジジェクトだから知っているに?」
「ああ、主砲とエンジン部分は僕が設計したからな」
「さすがだ理系だに。でも、
その後戦況を打開するような技術は生まれなかったというのが通常の広報だに。」
「通常?というと?」
「実は秘密裏にクローン兵士を開発していたに。」
「、、、」
「しかし、政府の技術ではどうにもうまくクローンを作ることができなかったんだに。」
そこで目をつけたのが君の研究だに。
「僕の研究、、、」
「つまり、今我々が作っているクローンというのは戦場に送り込まれる兵士なんだに」
「、、、やはりそうなんだな。」
「そう。それで兵士を陸地で特攻させたり、魚雷の中で操縦桿を握らせたりするのに使うんだに。」
「、、、僕の作ったクローンをそんな風に使うなんて。」
「でも、お金がないから仕方ないに?」
政府の援助がなければ、君もクローン技術を完成させることはできなかったに。
僕は言い返せない。
「でも実際の人間を使わなくてよかったに。
第一次世界大戦では本物の人間が魚雷の中に詰め込まれたらしいにwww」
狂気の沙汰だにww
「、、、だけど」
「だけど、クローンに感情がないというのは科学てきな証明がされていないじゃないか。」
「でも、そんなのを対確かめていたら、日本は本当に戦争に負けてしまうに。」
「、、、将来の日本は、何でもかんでも検証検証で他国に負けているらしいじゃないか」
「よく広報部の極秘情報を知っているにwwさすが理系ww」
「あれは僕が作った装置だからな」
「そうだったに、、、」
「ほら、できたぞ。」
「早いに。」
「前よりも早く100体作れるようになった。」
「そうか、それはすごいに。じゃあ僕はこれを上層部へ連れて行って、たくさん戦わせるに。」
「僕の前でそういうことをいうな。」
「怖いにww」
じゃあまた。戦争がなくなるといいに。
そう行って彼は立ち去った。
日本はこの戦争勝てるのだろうか。
戦場へ行く兵士は、国のためにといって戦っている。
僕もある意味では国のために技術とクローン兵を送って貢献している。
けどなんだろう。このやるせなさは。
クローンは人間じゃないのか?
本当に生きている人間が死ぬよりも、クローン人間が死んだ方がマシなのか、、、?
クローン人間と人間の違いってなんなんだ。
僕はせめてもの償いとして、
クローン人間の感情は作らないようにDNA操作して彼らに渡すことにした。
人間を生み出す技術。
これが正しい使い方なのか、、、
半年後、日本は対米戦争に勝つことができた。
そして、
さらに10年後目覚ましい発展を遂げ日本は経済成長をし、その戦争では
「神風特攻隊」「スーサイドアタック」として後世に語り継がれるものとなった。
僕の作った兵士たちが載っていたに違いない。
僕はクローン技術からは足を洗い、
「クローン人権団体、弁護人」として働き始めた。
今ではクローンは一人一人、
人権が認められ名前をもらうことが法律で定められている。
僕の送り出したあのクローン兵士達に、、、せめて名前くらいつけてやりたかった。
げんき。