2話
更新めっさ久しぶりです。ゴ、ゴンナサイ、オコラナイデ。
えっと、更新諦めた時は報告するので、見捨てないで・・・お願い、お願いだからぁ(≧Д≦)
これでも頑張ってるのですが・・・・・・誰か早く書く方法を教えてください。ネタもでずらければうつのもおそいツチノコなんです・・・・・・。
もう一度言います。み、見捨てないでね!!(≧Д≦)
バタンと音を立ててドアが閉まる。
自分の部屋の中、響花は鏡を見て苦笑した。確かに、不満そうな顔をしている。そりゃそうだろう、響花が持っている殺人への欲求は本物だ。例えば、人間の三大欲求の一つに支障を来すほど。2年ほど前からは殺人欲求を抑えていたがために響花は寝不足がデフォルトになっていた。陳腐な言葉だか自分に勝つほど難しいことなど本当にないのだ。そこまで欲していたものであそこまで盛大な肩透かしをくらえば精神的ダメージも相応に大きい。むしろ響花の HP はゼロに近い。
それにしても、なんともリアルな夢を見たものだ。もしかしたら昼間というには少し遅い時間ではあったが、俗に言う、白昼夢だったのかもしれない。自分で作り上げた妄想の産物。響花にっとての甘い夢。現実では叶うことのない、甘美で恐ろしい白昼夢。
(本当に?本当に、夢だった?)
夢とは、あそこまで精巧なものだったか。それとも白昼夢というものは、あそこまで現実たりえるのか。生身の身体を引き裂く感触も、心臓の打つリズムで出てきていた血液がただ流れ出るだけになった瞬間も、瞳から光が失われ、ゆっくりと濁っていく過程すら、自らの死に際に元凶である響花に向けられた憎悪の質量すら夢だったとしたら、それはもう狐に化かされたか、それとも――――――
「悪魔に憑りつかれて見せられた幻覚だって? うん、ちょっと違うけど大正解」
「…………だれ?」
嬉しそうな声に反応して振り向く。息がのんだ。響花は人の美醜に興味がない。だがしかし、そんな響花でも見とれるほど、端正な見目の少年が浮いていた。薄い色合いの紫の瞳もそうだが、日本では目を引くであろう見事なまでの白い髪は独自の光沢があり一本一本が生きているようだ。その辺の爺の白髪とは全くの別ものにしか見えない。髪だけをみても美しいと断言できる。
しかも顔までいい。いや、いいとかそんな次元ではない。惹きつけられる。あらがえない。猫を思わせる少し釣り上がった目も少し小ぶりな鼻や口も品良くまとまっていて、少年らしい無邪気さと可愛らしさが醸し出された顔で笑っている。その無邪気な笑みの中に何とも言い難い色気まである。そのくせ、やはり一見すると少女にも見間違ってしまいそうなほど可愛いくも見えるのだ。
何が言いたいのか。それはつまり、いつのまにか響花の部屋に招いてもいない美しい髪と目を持つ超絶美少年がいたのだ。しかも床に身体のどこもつけずに寝ころんでふよふよと。つまり浮いて。
「ええと……もう一度聞くね、あなただれ?」
「クァチル・ウタウス。よくいる不思議な存在だよ」
「えと、ふ、不審者さん?」
「あはは、そうだねぇ。これじゃあ僕は不審者みたいだ。」
クァチルというらしいこの少年はけらけらと笑っているが、クァチルが今しがた語った行動はみたいではなく完璧に不審者のそれである。それでいて何をしたいのかすらわからないし、無邪気に笑っているから無下にするのも躊躇われるので厄介だ。
「まぁ、それじゃあクァチル(?)さん、何の用で私の部屋へ? お金とか貴金属を探すにしてはこの部屋は期待薄じゃない?」
「やっだなぁ僕は強盗でも盗人でもないよ。」
ひどい!と響花は罵倒された。響花は自分の手首を握った。
表面上は苦笑いしつつ、響花はどう動けばいいか思案する。普通に考えれば叫び声をあげてクァチルを追い出せばいいのだが、どうもあの『白昼夢』について何か知っているようなので下手に動けないのだ。圧迫した手首がうっとうしくなってくる。
「へー、じゃあご飯あげるから帰ってくれない? こっちは盛大な肩すかしくらってきたところでいっそがしいんだ」
爪が刺さる。
聞きたい。あの『白昼夢』について。聞いても、いいのだろうか。自分の感情が、殺人衝動を隠すために作った『偽の感情』を上回るのは記憶にある限りはつい先ほどの『白昼夢』のときだけなので、経験が足りず判断が出来ない。
『偽の感情』に従って話す方が難しいと思うかもしれないが、響花にしてみれば十五年間生きてきた内の十年間途切れさせず続けていたのだから、自分の感情を表に出すよりも余程簡単なのだ。十年は、長い。まだ若い響花にしてみれば、それこそ感情を常時無意識に制限してしまうくらいには。だからこそ、力が入り過ぎた。手に血が伝う。唇を噛む。
「肩すかし……? ああ、君はそう捉えたんだ?」
だが、そんな無意識になるまで徹底していた感情の制御を取り払ってでも、響花は、響花の胸を人生で一番ざわつかせたものを、クァチルが『悪魔に憑りつかれて見せられた幻覚』を『大正解』だと言ったことで『白昼夢かどうかも怪しくなったもの』を知りたいのだ。
知ることが出来るなら、あの『白昼夢』が現実で、かろうじて保たれている響花の自制心が壊れてもかまうものか。どうせそろそろ限界だったのだ。
このとき、響花の心は二つの感情に支配されていた。
困惑。そして苛立ちである。そして、苛ついていたからこそ自暴自棄になった。判断能力が下がっていた。口からも溢れる血にすら、響花は気づかない。
そんな状態でいたからだろう。
「君のいう『肩すかし』カラクリを教えてあげようか?」
「っええ! 教えて欲しいわ!? 本当に!!」
口が滑った。
しかも自分の口調が素に戻っている。まずい。相手のペースに乗せられている。
「そんなにがっつかないでよ。ちゃんと教えてあげるから。ついでに『僕』が『何』かもサービスしてあげるよ」
「…………っ」
「まずは僕が何かから。宿主の同族の死を持って対価とし、愉悦の大きさで力をかす。そんな最低最悪な条件じゃないと力をかせない、正真正銘の──」
突如として部屋に現れた少年は、その無邪気な顔にこれ以上なく似つかわしい妖艶な笑みを浮かべ、惑わすように、ささやいた。
「悪魔だよ」
また燃え尽きてます。み、見捨てないでね・・・?(≧Д≦)