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【2】まほi時代


 話は前後しますが、ウェブ小説活動が軌道に乗った頃のわたしのタイムスケジュールを書いてみます。


18時半:帰宅。


20時:家事終了。ブログ記事執筆、リプライ、友達のサイト巡りや書き込み。


22時:自分の小説の執筆開始。


0時~2時:寝る。


 ……いま考えると夢のような生活ですね。いまの遠野さんなんて平日の執筆は取れても一時間、休日に至ってはほぼゼロ。ぐごーっと昼寝することも多々……。


 まほiに来て。右も左も分からない頃は、取りあえず設置した掲示板に十代の宣伝がバンバン飛んできて。で。あんまりにもたっくさん来るもんで、「よしそんな欲しいのなら来た順に感想書いてやるぜ」ってわざわざExcelの表に落とし込んで、どれを終わらせたか管理してたくらいです。その頃には小説もPCで書くようになってましたね。


 因みにその宣伝をしに来てたひとたちの九割が『レビュー返し』をうたっていましたが(レビュー=『なろう』で言うと『感想』ですね。頂いたらお礼にアナタの作品に『感想』書きますよっていうナゾの文化。てか他人の小説読むのにそんな下心を持ち込むことが理解不能)。たぶん40件くらい書いて『返し』は数件だったと思う。……それでまた同じひとが宣伝に来られて、いったいなにがしたいんだー! と内心では結構頭に来てた。いや、内心では無かった。


 まほi自体、作者のトップページに、簡単に『ブログ』『掲示板』を設置できる仕様なので、……という時点でSNSに重きを置くというのが丸わかりなんですが。なもんで、わたしもカルチャーに従って置いてました。ブログ。


 いま思い返すと、消したのが惜しまれるコンテンツでした。ちょっとね。


 一日100アクセス以上、MAX800アクセスくらい行きました。公式掲示板で暴れた頃ね。なんであれ無くしてしまったんだろう……。内容は。


『ここが変だよ魔法のiらんど』的なものが八割。

 遠野の小説の書き方指南や小説の外伝が二割。

 ほかにはプライベートネタも。……だったかな。


 自分で言うのもなんですけど、割りと人気でした。特に仲良くしている十数名のうち六名くらいには、必ずコメント貰える、そんな頻度でした。


 どうしても小説を書く意欲が沸かない……書けない。


 それを正直に記事にあげることもありました。


『無理せず。ましろさんのペースでいいんですよ。ゆっくり休んでください』


 あたたかいコメントを沢山頂きました。……にも関わらず。


 わたしのなかには、疑念が膨らんでいきました。――この。


『(次回更新は)いつでもいいですよ』的な書き込みをするひとは、みんな、遠野と同じ、ウェブ物書きです。皆さん、自分で小説書いてます。純正なる読者では無いです。……では。


『読み専』のかたが、ああいった記事を見てどうお感じになるのか。


 それは、結局、分からずじまいでした。当時のブログはID必須にしてましたし。一度イタズラをされて以来、懲りたんですよ。IDなしのコメントを許可することも出来ます、『なろう』と同じでね。


 この頃から遠野はフト感じるようになりました。


 ……純粋なる読者の声を、聞きたい! と。


 当時やり取りさせて頂いたかたは皆さん魅力的な方で。レビュー(感想)がつかず悩んでいると、交流を重ねているうちに、いつの間にか絶賛レビューをくださる……粋な計らいをするかたに恵まれていました。


 恵まれて過ぎていたのかもしれません。一方。


 遠野は、いわゆる辛口レビューも書く人間でした。


 宣伝板に来られた十代で、自信無さげな感じが伝われば優しめに。


 ちょっとアグレッシブに行きたい気分のときにはキツいことを書くこともありました。『小説』はかくあるべき! というわたしの思い込みに反することに対して正直に書きました。


 基準は、わたしのなかには特にありませんでした。


 わたしの行為で、気分を害されたかたもおられると思います。その節は、申し訳ありませんでした。当時のわたしは。


 小説を、間違いもなく、読者に失礼のないように書ききるのが筋! ……だと思いこんでいて。


 それ以外の考え方が、無かったのです。


 誤字脱字すら許せませんでした。レビュー機能だと丸見えで可哀想なんで裏で長文の誤字指摘メールを送り付ける、なんてこともやってました。ノー・リプライの方も多かった。そんなもの、求めていなかったのでしょう。


 いま当時を振り返って思うのは、『正しいことを言っているとしても、それが誰かを傷つけてしまうのであれば、それは正しいことではない』――梅沢富美男さんの名言ですね。


 あのときのわたしは間違っていた。


 それは、はっきり、断言できます。


 ただまあ、もうちょっと言い訳的なものをさせて頂くと。


 基本、皆さん、褒めるじゃないですか。


 どんなに稚拙な文章であっても。それね。


『本気』で言っているならいいけど、『嘘っぱち』でみんなに合わせて言っているのなら――それってどうなの?


 という疑念が、遠野のなかには、ありまして。いまもです。だから、わたしは。


 当時のことを反省すれど。『嘘のない』活動は、これからも続けていく所存です。


 まあ、感想を書くのを『褒めたい』場合だけに限定すれば、そんなトラブルは減るんですけど。お互いのために、よくないですよねえ。『作家でごはん!』に投稿する作家志望ならともかく。


 さておき。


 当時の遠野と関わってくださったかたは、良心的なかたが多く。


 遠野の攻撃的な言動をやさしく受け流し。その奥に隠し持つ純粋な部分を見てくださる――そういったかたばかりでした。本当に、恵まれてました。


 いっぺん。遠野のエッセイのレビュー欄に。


『酷評レビュー書いたり、褒めるレビュー書いたり、意味が分からない』的なレビューを頂いたことがあったんですが。遠野的には「まあそうだな」と思った程度で、本人はまったく傷つかなかったんですが。消えてましたね。数時間後に。運営に報告したひとが居たのかな?


 まあそのレビュー頂く前後に、遠野は、次第に、「ここに、いつまでも居るわけにはいかないな」と思うようになりました。


 ウェブ物書き同士の交流。


 もっのすごく楽しいんですよ。きゃっきゃきゃっきゃ。週間少年漫画ネタからお互いの小説の苦労話。感想のぶつけ合い! 楽しくて楽しくて! サイト徘徊して、自サイトにリプライして……。


 でもそれやってると。


 気がつくと一時間二時間経過していて。


『自分の』小説が書けない。……ことに、フラストレーションを感じるようになってきました。


 プラス。


 処女フィク小説書いて分かったんですけど。あれいちお全年齢ですけどラブシーンがっつり書いてます。つまりね。


 恋愛を書くとなるとセックスは避けて通れない。


 遠野自身、日本の男女のセックスに関しては思うところがあるので……それ思いっきり書く。となると。


 魔法のiらんどじゃ無理だなと。あすこR規制かかってるんで。といっても、書籍化されてるのにすっごい描写入ってるくせにえー十代向けでこれいいのー!? みたいな。一方、知人の、真摯にレイプに向き合った秀作は赤狩りに遭う……怒りで頭が沸騰しました。わたしのほうも、ひょっとしたらR指定かけたほうがいいかなー的なものばんばん書いてたんで、潮時かなと。


 そんなわけで。


『まっしろけ』母体は『ナノ』に移して。小説は、『小説家になろう』『ムーンライトノベルズ』機能を使って投稿しよう。


 ……と、決めたわけです。


 何故『ナノ』かというと。当時、『ナノ』は広告がほとんど出ない仕様だったもので。かつ、まほiでも上下左右に広告がじゃんじゃん出始めていたので……遠野はテレビCMも邪魔だと感じる人間です。録画はガンガンスキップします。ガラケー主流だった当時の世相もあり、広告の出ない『ナノ』に移転する手法というのは、割りとまほi住人にはポピュラーでした。ああ、またひとり引っ越したな、と。


『まっしろけ』自体に思い入れはありましたので、サイトは確保したかったのです。


 作品はモバスペに投稿するとかいろいろありましたけど、結局『なろう』絡みに落ち着きました。


 それでは、次頁からは、移転してからの話です。


 *


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