おっさんのにおい
おっさんのにおいがする
ただいまとうちにかえったら
あれ
おっさんの においがする
ひとりぐらしの ぼくのへや
なのに
ドアをあけたとたん
そこはかとなく ただよう
おっさんのかおり
おかしいよね
おっさんなんて どこにも
いないはずなのに
さては どこかのおっさん
ぼくのいないあいだ
へやに はいったな
いや でも まさかね
もしや 見えないおっさんが
窓をあけても
いいかおりのお香たいても
消臭スプレーシュウシュウしても
つぎの日にはまた
おっさんのにおい
見えないおっさん
ぼくの
タオル
まくら
洋服
かってにつかう
ちょっとまて
これってもしや
もしかして
クンクンクンクン
ああ そう
そういう ことなのね
見えないおっさんは
あなたでしたか
はやくもぜんぶ わかった気になって がっかりしてる あのころのぼく
みんなこわしてやると あばれる 14さいの ぼく
この世界の歩き方 いまだしらず ハイハイですすむ ぼく
そのほかおおぜいの いろんなぼくと
そして新入りの
見えないおっさん
みんないっしょに
けっこううまく やっていける気がします
みんないっしょなら
けっこうたのしく やっていける気がします
なので
見えないおっさん
これからどうぞ よろしくね
だけど
やっぱりなんかいやなので
空気清浄機 かいました