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Alice in After World  作者: bell
序章
8/8

二章 後編 part2

某ゲームのイベが始まったためペース落ちるかもです

 乾ききった土、灼熱の太陽。

湿気の全く感じられない空間で銃声が響き渡る。

土埃つちぼこりが巻き上がり、その中から多数の人が現れる。

その光景を画面越しに見ながら手を加えて口の近くまで伸びたストローを吸った。

 数あるFPS、MMORPGなどのネットゲーム中でもワンプレイの時間がトップクラスで、さらに一度プレイを始めるとマウス、キーボードから一瞬たりとも手を離せなくなることが多いこのゲームはで手を使わずに水を飲める工夫をしている人は多い。ある人気同人サークルから『After World』のデザインが入った伸縮ストロー付きのコップが発売された結果、大盛況だった。その影響を受けた運営がその手のグッズの大手の会社から五千個の限定生産品を発売したところ、予約の受付開始から一分で締め切られる程度には人気があり、メジャーだ。

 もちろん、効率を重視しないまったり勢には無縁の代物だが。攻略に長時間かかるダンジョンに入らない、入っても敵の侵入不可区域(safe zone)があり休憩できるという意味で。

 大会は普通、制限時間の設けられているため長時間連続プレイがない。そんな日でも、いつもの癖で水を入れておいた過去の自分に感謝し、今度は口一杯に水を含み飲み込んだ。そして、勢いよく息を吐いた。

「よし!」

その言葉に応えるように「Good luck」と空耳と間違えるくらいの音量で耳元で囁きが聞こえた。あまりにも、自然すぎて逆に日本では不自然なくらいに。

 続いて勢いよく息を吸い込みタイミングを待った。ワンテンポ空けてそのタイミングが来た。人生で一度は言ってみたかったんだ、と思いながらクレッシェンドをかけるながら思いっきり叫んだ。数の上で圧倒的に不利な味方を鼓舞するように。

「打ち方始めえぇぇぇぇぇ!」

「よっしゃあぁぁ!数の差が戦力の決定的差ではないということを...教えてやる!」

アドレナリンがみなぎるのがわかった。それぞれが自分の役割を与えられているかのように別々の方を向き、有効射程に入ったmobに一斉射した。ただ一人の例外を除き。残りのメンバーに関しては、さすがの連携プレイとしか言いようがない。事前の作戦建がない連携プレイだと傍から見ればわからないレベルだ。

 そして、一人の例外のプレイを一言で表すと『めちゃくちゃ』だった。すべてが。別の言い方をするならば鬼神の如くといったところか。鬼神アサルトライフルを二丁撃ちながらなのにほとんど外さない。それどころか、一体あたり四,五発ずつ撃ち、そのうち一発を弱点に的確に撃ちこみ無駄弾すらほとんど出していない。

 メアリーのアサルトライフルの威力で射程外のmobをその弾数で確実に葬ることができるのは腕もさるものながら自腹の特殊な弾薬を使っているからだろう。それもショップで販売しているものではなくドロップ、もしくは自作オリジナルの特別に火力が高いものだ。彼女の性格からして、オーバーキルなどで無駄弾を大量に使いそうなものだが。実際にこれまでのダンジョン攻略の際は、出血大サービスといわんばかりにぶっ放していたが貴重な弾薬だとさすがにそうはいかないみたいだ。とはいっても、加入して間もないのでまだ一度しかダンジョンの攻略は、していない。 

 自分が思った以上の時間呆けていたようで、すぐ目の前にmobが迫っていた。しかし、慌てて乱射することなく確実に近い敵から潰していった。馴れている銃の反動、ブレに心地良さを感じて安心した。それから、浮気してごめんねと心の中で謝りながら右手の人差し指に力を込めた。

 それから何分かがたち、円形闘技場に銅鑼が響き渡った。

「なあ、アリスこれはどういうことだ?」

「mobを二千体倒したらその時点で予選突破が決まるんだ。ごめん、言い忘れてたよ。こんなことが起きるなんてありえないと思ってたからさ」

そんな会話をしていると観客席に飛ばされた。


 メンバーとひとしきり喜び、それぞれの活躍を称え合ったところでタイミングを見計らって一人沈黙しているメアリーに話しかけた。できるだけ、自然な感じを装いつつ。

「そういえば、メアリー大活躍だったね。調子いいの?」

「Couldn't be better.あ、ごめんなさい。つ、つい...くせで...。調子はいいわよ、この上ないくらい」

「どうした?そんなに慌てて。それにしても、いい発音だったなぁ」

「だな。海外のFPSでもやってたのか?」

アラジンのぶっきらぼうな問いの答えはわずかな間を置いて帰って来た。

「そ、そうなのよ。おかげで英語がペラッペラになったわ」

「スゲーな。俺もこんどやってみようかな」

「確かに、成績上がるかもしれないもんな」

とりとめのない話を全員で予選の全試合が終わるまで続いた。


「とうとう本戦か、長かったな。問題は、その理由だけどな」

「だね」

アラジンの珍しく鋭い考察に同意を示し、考えるように小さくうなった。

「アンタたち言ってることこれっぽちもわからないわ。説明しなさい」

「バカなの?死ぬの?」

「さっきまで関心して態度と大違いだな。ころころ変わるな、ま、いっけどさ」

口論になりそうなところだったので、まずそれを止めてから説明を始めた。

本戦一戦目の相手をシャッフルで決めている画面を見つめながら。


 

 

 



いつも道理誤字脱字、要望等がありましたら教えてください。分かり難いとかでも可 伏線とかでない限り直させていただきます

それではまた

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