表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の隣に私の魔法  作者: 七瀬結羽
出会いはどこにでも
4/17

出発前の小さな騒動


「着いたぞー!」


ロークさんに連れてこられるままに来た場所は…


「あれ、ここ!?」

「俺の家。ついでに、あんたが俺の隣の部屋で3日間過ごす場所」

「えっ、えっ。つ、つまり…」


私が状況整理を行おうとしたとき―――。


「あらぁ、ロークちゃん。やっと帰ってきたのね。もぉ、そろそろ新入りの子が来るのに……ってあれ?その子、入居希望者じゃない。どうしたの?2人で」

「ただいまです、シグハさん。さっき、夕飯の食料調達してたら会いました」

「こ、こんにちは、シグハさん。先程ロークさんに助けていただいて…」

「あらそうなの!なぁんだ、心配する必要なかったのね!!なら、早く入って入って!ロクロちゃんがイライラしながら待ってるわよ」

「あれ、他の人は?」

「ロークちゃん知らなかったっけ?他の2人は滅多にアパートに帰ってこないわよ。毎月、こっそり家賃払いに来てこっそり帰ってるのよ」

「はー、そうなのか。…ん、ヒスイさんどうした?早く入ろうぜ」

「え、あ、はい!今行きますわ…」


……とりあえず、ロークさんがここのアパートの住人。シグハさんはここのアパートの大家さん。ロクロさんっていうのはこのアパートの住人かな?

そして、私がここに3日間限りの新住人……。


運命って侮れないわね。これは、何かしら起こる前兆かしら?



「遅い。いつまで待たせる気だ?……そっちが新入り?」

「すみませんねロクロさん、少しトラブルがありまして」

「あ、は、初めまして、ヒスイ=ミタリアと申します」

「……ロクロ=ハーロードだ。3日限りの仲だ。よろしくな」


……?あれ、もしかしてこの人って…。


「あの……もしかして、ロクロさ……」

「さあっ!料理は出来てるのよ!たくさ~ん食べて!!」

「えっ、あっ、ありがとうございます…………あの、ロークさん、これは何ですか?」

「んぁ?…………それはサンドイッチだな」

「サンドイッチ……。………おいしいですね、これ」

「ああ。こっちも食べろよ」

「ありがとうございます。……これは?」

「これはおにぎりってやつだ。おいしいぞ」

「………ん、確かにおいしいです!どうやったら作れるのかしら……」


本当に美味しいものばかりだわ。自分で作れるようにしたいわ………あら、これは何かしら?


「……おいローク」

「ふぁい?何ですか、ロクロさん」

「そいつ………人間か?」

「………ヒスイさん。話しても良いと思うぞ。この2人は、簡単に秘密をばらしたりしない」


私が天使って事か……。まぁ、悪い人たちじゃなさそうだし……良いかしら?


「……そうですね。では、改めまして………私、天界より参りました、第10位天使ヒスイ=ミタリアでございます」

「天界!!?」

「あの、空想の……?」


ロクロさんとシグハさんが驚きを示した。良かった、ロークさんと違って反応してくれた。


「いえ、空想ではありません。天界は実在しますわ。ただ、人間がやってこれないような場所にあるだけですの」

「そうか、飛翔に定められてる……」


飛翔?どこかで聞いた覚えがあるけれど、何だったかしら?


「ロークさん、飛翔と言うのは?」

「ああ…俺たちのスキル、簡単に言えば超能力みたいなもんだ。魔力を消費して使う場合もあるし、消費せずに使う場合もある」

「あっ、天界の書庫で読みましたわ。確か、そこには天界がある場所には近づけないと明記されてましたわね」

「そうか、本当に存在するんだ……」


ロクロさん、信じてなかったのかしら。

まぁ、ロークさんも言っていたものね。天界の事は信じてる人の方が少ないって。


………私も質問していいかな。さっきから、すごく気になってるの。


「あの、ロークさん。私、少し気になることがありまして……」

「んぁ?なんだ?」

「………なんで、ロクロさんは男装されているのですか?」

「………………………は?」


あ、あれ?私、おかしな質問した?え、けど、この人からは……女のオーラしか見えないけれど!?


「待てヒスイさん。どういう事だ?ロクロさんが男装?つまり、なんだ、その…………え、男じゃないの?」

「何を仰っているのか分かりませんが……その方は女性なのに、なぜ男装されているのか気になりまして………」


そう言った瞬間、ロクロさんが部屋から飛び出ていきました。


少し、ロクロさんの顔が見えたのですが……とても赤かった。


え、私、何か悪い事した……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ