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君の隣に私の魔法  作者: 七瀬結羽
旅に行く前に
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不思議な天界





私は今、ロークからもらったペンダントを見てる。


「かわいい…」


正直言って、私の好みだ。しかも、ロークからのプレゼント。


「嬉しい…」


ああ、この気持ち。もう認めるしかないのかな。

好きになっちゃったって。

ロークのこと。


「変、かな…」


会って数日。けど…それでも、ロークが私に与えてくれたものが大切なもので。

嬉しくて。

あったかい気持ちになる。


「けど………」


それでも。付き合いたいとか、そういう訳じゃ……


「ち、ちがいます!!!私は、天使なの!そんな、ふじゅ、不純な……!」


そうよ、私は天使なの。使命があるっていうのに…私は何をしているの!!

けど、しょうがない。人間こっちの世界にいる以上、こっちのルールを破ったら何があるかわからない。

従わなきゃいけないのはわかるけれど…。

ああ、天界が懐かしい。

みんなとまた会えるかしら。いいえ、会いに行くのだけれど…あと何年かかるのかしら。

はぁ…。

私はこっちで、ちゃんと神の心を見つけられるのかな?

ただでさえ、使命がわからないのに…この使命を成し遂げられなかったら、私、私…。


「ヒスイ、今、いいか?」

「ローク?うん、大丈夫…」


……………じゃない!!!!!!


「待って!待って!!あと、あと、2分!!!2分でいいから待って!!!!」


「お、おお…いや、ゆっくりでいいぞ…?」


着替えてなかった……。




「お待たせ、どうしたの?」

「ん、いや、大したことじゃないんだ。ただ、やっぱ、気になったって言うか…」

「?」

「その…さっきの、剣だよ。ドグは嘘なんてつかないから本当なんだろうけど…どうして、好かれてても相性が良くないのかって…」

「それは、私にもわからない…。ドグさんが言うには、昔使っていたりしたら好かれるらしいけど、私は最近、人間界こっちにきたばかりよ…」

「だよなぁ……。……なあ、ヒスイって、天界だとどんなことしてたんだ?」

「えっ?」


急に、何?


「いや、純粋に気になったんだよ。天使としてのヒスイは何をしてたのかなーって。まぁ、あと、もしかしたらその話の中に剣についてわかることがあるかもしれないし」

「なるほどね。確かに、そうかも。と、言っても特に何があるわけじゃないんだけどね…」




実力を隠してるってことは前に話したよね。

じゃあ、今回はそんなのじゃなくて純粋に天使が何をするのか教えるね。

天使は…というか、女神たちもそうなんだけどね。基本は、自分の使命のために働くの。

そうしないのは神様だけで…みんな、使命のために頑張るの。

もちろん、それ以外の雑務だってあるよ?

例えば?うーん、けっこう地味なのが多いんだよねぇ。使命のわからない私は主にその雑務をやってるわけだし…。

ま、たまにこんな感じで臨時の使命は出るけどね…。

おっと、話を元に戻そうか。雑務はね、例えば天使や女神たちが使える技の整理とか。

……え?地味だって?だから言ったじゃない。地味だよって。

他にも、色々あるね。人間界で何か起こったら天界にも知らせは行くようになってるから、それをまとめたり。

ま、天界だなんだと言ってもやってることなんてくだらないことばかりだよ。人間がやってることとほとんど変わらないでしょう?

人間といえば…人間についてまとめるのも仕事にあるんだよね。

なんでって…知らないよ。ただ、仕事の中にそういうのがあるだけ。

ああ、あと、お祭りの準備なんかもしてるね。

うん、そう、天界のお祭り。

って言っても普通だけどねぇ。

自信のある天使がどこまで魔法を連発して使えるかな大会があったり、どこまで食べるか競争したり…。

うん、もちろん私も参加してるよ?ていうか、天界にいるんだったらあのお祭りは参加しないとダメだから。参加しないと罰が当たっちゃうんだって。

真偽は知らないけど…過去、参加しなかっ天使はまともな精神を保てなかったって。

…うん?精神を操るくらい造作もないけど…いや、誰彼構わずやるわけじゃないよ!?

基本はルール違反者だけだって…。

私?私はそこそこに参加だよ。

ほら、実力がばれちゃうといけないからさ。上手いこと調整できるやつに参加してるの。

何に参加してるかって?

えーっとね…人間界当てクイズ。

…………そんな、バカにしたような目でみないでよ!

けっこう難しいんだよ?元々、天界にはそんなに人間界のこと知りたいなんて人はいないから…私ぐらいしかいないからね。

だから、あれだと私も実力調整しやすいの。

私が人間界に興味ありまくりなのは周知の事実だったから…ね。

まぁ、そんなわけで、天界と言っても人間が想像するようなものじゃないよ。

人間とやってることなんてほとんど変わんないんだから。





「こんな感じよ?」

「…お、う…おう…」


どうしたのかな、ローク。なんか顔がすごく変。うん、変。


「まぁ、とにかく、不思議なのはわかった。よくよくわかった。で…確認したいんだけど、剣には触れたことないんだよな?」

「うん。魔法を使うにしても言葉だけで事足りるから…剣の存在は知ってるけど使ったことはもちろん、見たこともなかったぐらいだよ」

「で、レミング大陸にも行ったことないんだよな…」

「ええ…名前でしか聞いたことないから…」


じゃあ、なんで、私はこの剣に懐かしさなんて感じたんだろう?

何も思い出なんかないのに。

何も…思い出なんか…


なに…も…



『なーなー、◯◯!今の技もっかいやってみせて!』

『仕方ないなぁ。…ほら!』

『おおー、なんか、すっげー!』

『お前、全然わかってないだろう…』

『うっ…け、けど、とにかく、すっげーよ!さすが、◯◯だな!』



……っ、誰…?

なんなの…?


「はぁ……くっ、うっ……」

「ヒスイ!?おい、ヒスイ!!!!しっかりしろ!!おい!!!!」



ローク……。



あの声は、誰…の…もの…?





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