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君の隣に私の魔法  作者: 七瀬結羽
旅に行く前に
15/17

ちょっと前の物語


時はほんの少し前。

と、言っても数時間前というわけでもない。

数日前というわけでもない。


じゃあ、ほんの少し前じゃないって?


そうかもしれない。


けどね、大昔と言うには少し大袈裟なんだよね。

別に、100年前の話をしようなんて言ってるわけじゃないんだ。


何かいい言葉は無いかな?


うーん、そうだなぁ…。ここで時間を使うわけにもいかない。何か…。

……良いのが思いつかないね。

しょうがない、今回は仮の題名だ。


これは、ちょっと前の物語。







その街に少女は住んでいた。

少女の住んでいる街は、田舎ではない。都会なのか?と問われると肯定はできないが。

そこでは毎春に桜が美しく咲く。

まるで、この世ならざる物の様に。

少女はその桜が大好きである。

桜が咲いていなくても、その木が生えている道を歩くほどに。


ところで、その街にはある不思議な噂が伝えられていた。


「中央にある桜の木。あれは、人の血を吸って生きている…」


そんな噂。

少女はくだらない、と思い、何も思わずその桜の木の下に行く。


その日は、春ではなかったので桜はもちろん咲いていなかった。


しかし、少女は不思議な光景を目の当たりにした。


まるで、桜の花びらが散っているかのような光景。


そして、その散っていく桜の花びらは…集まっていくほど、人の形のように少女の目には映った。


そんなことあり得ない、と少女は目を閉じ、もう一度開けた。

すると、その奇怪な現象は消えていて、いつも通り「何もない桜」だった。


少女は、自分が疲れているのかと思い家に帰ろうと歩く向きを変えた。


すると、そこには見知らぬ少女が立っていた。

見知らぬ少女は少女に何かを言って、そのまま別方向へ歩いて行った。

少女は見知らぬ少女を追いかけようと思ったが、また、奇怪な現象を見た。


桜の花びらが、少女に見知らぬ少女を追わせないように少女の前に立ちはだかった。



ような、気がした。


少女は目が覚めると、自分の家のベッドで寝ていた。


少女は不審に思う。

自分は昨日帰ってきた覚えがない。なぜ?どうして?どうやって?






「あ、ここにいたのか?」

「ん…?…なぁんだ。誰か来たのかと思った」

「何してたんだよ」

「記憶を思い出していたのよ。それなのに、どうしてあなたはいつも邪魔をしてくれるのかしら。ねぇ、どうして?教えてくれるかしら??」

「知るかよ。ほい、定期報告書」

「ご苦労様。その辺りに置いといて」

「お前なぁ…少しは目を通す努力をしろよ。先週も先々週もその前だって読んでないだろ」

「いいのよ、定期報告書なんて。月報だけ知らせてくれれば良いわ」

「たまには読め!!ったく、月報だけじゃ知れないことがたくさん…」

「月報で気になったのはちゃんと定期報告書で詳しく読むわよ。だから、全部とってあるんじゃない」

「だとしても、定期報告書に軽くでいいから目を通してやれよ。あいつらが、俺達のためにとわざわざ作ってくれてるんだから」

「月報は作れと言ったけれど、定期報告書を作れなんて私は命じてないもの。勝手に作ったものなんだから、気が向いたときに見るわ」

「あいつらも可哀想に…こんなやつに仕えなきゃならないなんて」

「それに……」

「何だ?」

「何かあったら、なんだかんだ言っても教えてくれるじゃない。私がわざわざ目を通す必要はないわ」

「はぁ…そう言われちゃおしまいなんだがな」

「ふふ。正論と言えば正論でしょ?」

「まぁな。………ん、おい、これ」

「なぁに?…へぇ。そっか。そうしてみるのね、今回は」

「これじゃあまた失敗するんじゃないか?」

「どうかしら?」

「え?」

「なんとなくね、思うのよ。近い将来…この世界(・・)、変わるわ」

「…お前の勘は馬鹿にできないからな。まぁ、こいつらに賭けてみてもいいかもしれん」

「変わってくれたら…ようやく、私たちの出番ね」

「そうだな。……長かった」

「これからだって長いわ。さ、あなたも一緒に記憶を思い出してみない?けっこう楽しいわよ、これ」

「まぁ…暇つぶしになるならいいか」





あ…途中から、現代の話になっちゃいましたねぇ。

まぁ、昔の話をグダグダ話されても皆さん退屈でしょう。

今日はここまで。

え?続きなんてあるのか?

ありますよ!あの終わり方に納得……ああ、そういう意味ではないと。また、私と会えるのか?そういう問いですか。

会えますよ。

まだまだ、物語は始まったばかりなんですから。

この物語は…そう、単純なものではありません。かと言って複雑でもないんですが。

まぁ、きっとこの先を見ればわかるはず。

じゃあ、また、次回。

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