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君の隣に私の魔法  作者: 七瀬結羽
旅に行く前に
12/17

昔からの仲間・1

「あ、ヒスイ、店はここ」


あ、通り過ぎちゃった。


「ここが武器のお店?」

「俺のこの大陸イチオシのな。種類とかも豊富だし、説明も丁寧だし、何より…」

「?」

「ま、これは言わないでおく」

「えぇっ、ちょっ、ローク!?」

「お邪魔しまーす」


私を置いて先に入るなぁっ!!

そんな私の叫びを無視してロークはお店に入っていった。

お店の中は、明るかった。しっかり清掃されているし、すごく輝いてる(ただ、鏡が反射したりしてるだけなんだけどさ)

あ、武器がある。ふんふん……これは銃かな?すごく重そう…。

私は体力がないし、銃は持てないなぁ…。


「おい、店長野郎」


ええっ、ローク!?店長に対して何て事を……。


「おう、ローク。今日は何の用………え、誰、その可愛い子!?ロークの彼女ってのは1億%あり得ないとして……」

「お前、失礼だな」

「なぁ、誰だよ誰だよ!?気になる!!!」

「………ヒスイ」

「What?何て?」

「ヒ・ス・イ!つか、買い物に来たんだけど?」

「え、ああ、勝手に見て買ってけ。俺はヒスイさんが……」

「対応しっかりしろ」

「良いじゃねぇか、お前のせいで可愛い女子拝めねぇんだもん」

「それに関しては悪く思ってるけどね…仕事はしっかりしろよ!!」

「わーったよ」


この軽いノリ…仲がいいほど来てるのかな?それに、ロークのせいでってどういうこと?


「ローク、この方は誰?」

「ああ、俺の昔からの仲間の一人。ドグっていうんだ。武器とかそういうのに詳しくて、自分で開発したりもしてる」

「よろしくお願いします、ヒスイさん」

「こちらこそよろしくお願いいたしますわ」


昔からの仲間の一人?他にも仲間がいるってことなのかしら…?


「ローク、他にも仲間がいるの?」

「ああ、各大陸に一人いるぜ。あと、自由に旅をしてるやつが一人いるな」

「あいつ今何してんの?」

「しらね。生きてはいるだろうけど。異世界にでも行ってるんじゃね?」

「ああ、あり得るな。異世界かー、俺も行ってみてぇな。ここから抜け出して……」

「だから、悪いとは思ってるって。ただ、さ……」

「わーってるよ。ったく、いつも強気な癖にこの話になると途端に弱気になるよな」

「結果的にお前たちの自由を奪ってるんだ。悪く思わないわけない」

「優しいもんな、お前。昔から」

「う、うるせっ」


あ、ロークが照れた。可愛いな。

にしても、他にもいるんだ…。なんだろう、女子がいるんだとしたら……少し妬いちゃうな。

…………ち、違う!!別に、そういうわけじゃないもん!!



……にしても、ロークは昔何があったのかなぁ。センメル・ケア大陸までの仲間だけれど……知りたいな。

ゆっくりでいいから。少しづつ、ロークを知っていきたいな……。








「なぜですか、リョウカ様!!!!」

「落ち着いて、オーロラ。あなたが感情を露わにするなんて珍しい……」

「落ち着いてなんかいられませんし、話をずらさないでください!!なぜ私でなくあいつなのですか!?」

「あなたには自分の使命があるでしょう。けれども、あの子には使命がないのよ。だとしたら、期間限定でもあの子に使命を与えてあげたいじゃない」

「リョウカ様は昔からそうですね。あいつ……ヒスイにだけ甘い。私達には厳しくするくせに」

「それはあなたたちに期待しているからよ。もちろん、ヒスイにも期待はしてるわ。けれど、まだ使命がわからない子だから……」

「はっ、使命がわかる前からそうだったくせに。リョウカ様がそう言うなら、私にも考えがあります」

「あら、何かしら?」

「今から人間界に行きます」

「……何を言っているのかしら?」

「私は自分の使命もしっかり遂行します。それでありながら、今ヒスイが行っている使命もやり遂げて見せましょう。それなら、文句はないでしょう?」

「…………オーロラ。この使命は私と、神と、ヒスイしか知らない、極秘の使命なのよ。私がヒスイを指名したわけではないわ。神が、ヒスイをお選びになったのよ」

「………私は第一位天使ですのよ?ヒスイに教えられて私に教えられないというのですか?」

「……………はぁ。わかったわ、許可しましょう。あなたに使命の内容も教えるわ。ただし、神からも許可をもらわないといけないし出発は明後日よ」

「十分ですわ。リョウカ様、私がその使命を無事にヒスイより先に遂行できた暁には…私を第一位女神にすることをお約束くださいませ」

「神が決めることよ。…………オーロラ」

「はい、何でしょう?」

「大地が…自然が…大海原が…言っているわ。あなたが、最近美しい心を失いつつあると」

「何を言っているんですか?私は第一位天使。ヒスイとは……違う」

「話は最後まで聞きなさい。………行ってしまったわ。神に、お話ししないとね。オーロラについて。…………オーロラ。お前は、第一位天使であることに誇りを抱いている。自分の使命にも。自分が姉妹たちの中で一番優れていることを保ちたい。お前は、努力家だ。歴代の天使を探したって、ここまで努力家な天使も少ないだろう。しかし……それ故に……」


「リョウカ」


「…あら、お父様?どうなさったのですか?」


「少し、話をしたくなってな」


「丁度宜しゅうございました。私もお父様にお話ししたいことがございましたのよ」


「それは、先程の事か?」


「……見ていらしたのですね?」


「私は全てを見ている。天使でも知っている常識だぞ」


「ふふ…そうですね、お父様。いえ……神様」


「これからのことについて話す。今すぐ、来れるな?」


「お父様のお手を煩わせずとも、私と一緒に向かえば宜しいでしょう」


「うむ、そうだな。では、よろしく頼む」


「はい、お父様」

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