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君の隣に私の魔法  作者: 七瀬結羽
旅に行く前に
11/17

出発前の雑談



「……ん……」


まだ寝たい……。


「おーい、ヒスイ」


うるさいな……寝かせてよ……。


「おーい!」


うるさい……。


「そろそろ起きねーと、装備とか揃えられねぇって」

「うっさい……」


誰よ非常識…人が寝てるのに…。


「おーい、ヒスイってばー!」

「うるっさい、なんのよ……」


………………。


目の前にいるのはローク。ここは、人間界のアパート。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「…おはよう?」

「………1分で支度するから記憶を消す準備しておいて」

「ちょっ、ヒスイ!!?」


強引にドアを閉める。


「………」


やっちゃった…。

あああああああーもう!!!!!こっちの世界に来てから敬語使う回数が少なくなってるんだけどなんで!!!?

てか、いくら寝ぼけてるからってあれはないわー……。

どうしよう。ロークになんて説明すればいい?

私が敬語使ってないっていうのはあんまり知られたくないというか…天使が敬語使ってないのって人間からしたら、おかしいよね?

他の皆は敬語を難なく使ってるのに、私だけは違うんだよね。私、本当にに天使なのかなぁ…。

はぁ…。


「………お待たせしました」

「えーっと、おは…よう?」

「………」

「あのさ、ヒスイ…」

「何でしょう?」


ああ…もう、だめだぁ…。


「話し方のことなんだけど…」

「ええ」


あはは…天使なんて名ばかりでした…私は天使ではありませんでした…。


「俺、お前の堅苦しい敬語よりさっきみたいな楽な方が良い」

「え?何故です?」

「いや、なんつーか…。たぶん、ヒスイにはそっちの方が合ってると思う。変に敬語使うより自分が話しやすい方で話せば?」


…………。

こんな気持ちになるのは初めてかな。嬉しいっていうか…なんていうのかな。

私のことを変に思わない人がいるんだ…っていう安心感?

とにかく、良かった…。


「…わかった。じゃあ、楽な方で行くけど…」

「おう、そっちの方が良い!!」


ったく、ロークの笑顔には…逆らえないな。


「じゃあ、昼には出発だし早めに色々買うか。俺は剣で戦うし、ロクロさんは魔法で戦うけど…ヒスイは?つか、ステータス見せて?」

「ん、良いよ。………こう、かな?」

「おー、これこれ。何々……あー、剣も使えるし魔法もいけるってやつか。銃は…無理か。ふむ。じゃー、あそこで買うしかないな」

「お金、どれくらい必要?」

「あー、今から行くところは上手くいけばお金払わなくていいから…ま、とりあえず行くぞー!」

「ちょっ、ローク、置いてかないで!!」


ロークといると、私は自然になれるなぁ。

ただ、私は一応天使だし、あまり羽目は外さないようにしないとね。

あくまでも、ロークに求められてるからそうしてるだけで………求められてる?ん?

い、いや、違う、違うんだから……。


「ヒスイは……と言うか天使はさ、親とかって存在するの?」

「いきなりどうしたの?」

「いや、店に着くまでの雑談みたいな」

「天使に親がいるって話は聞いたことないわ。けど、親代わりはいるよ」

「親代わり?」

「ええ。第1位女神のリョウカ様。あの方は、私たちの世代の親のようなものなのよ」

「そうなのか。あれ、神様っていないの?」

「失礼ね、もちろんいるわ!ただ、神様のお姿を見ていいのは各世代の第2位女神までなの。あ、けど、私たちの名前を決めるときにお会いしたみたいだし、全員、会ったことにはなるのかしら」

「名前を決める?」

「天使の名前は神様が決めてくださるの。神様はね、私たち天使の持っているオーラを感じ取って、名前を決められるのよ!」

「へ、へぇ、そうなんだ…?」


あれ?ロークが少し、引き気味?何で?


「オーラって、あれか、ヒスイ達だけが見える…」

「うん、それ。私も早く神様にお会いしたいなぁ……」

「女神になるにはどうすれば良いんだ?」

「酷い素行や、自分の使命をやらなかったりしない限りは全員女神になれるよ。ただ、女神になるにしても、順位があるってだけ」

「生まれた順番なのか?」

「ううん、女神はそういうのでは決まらないよ。女神には人間で言う……20歳でなれるんだけど、それまでの行いとか自分が持っている力とか…色々な功績を神様が見て、最終的な順位が決まるんだ」

「じゃあ、生まれた順番は関係ないんだ」

「うん!」

「そういえば、ヒスイって今何歳なんだ?人間で言うと」

「17歳だよ?」


どうしたのかな、ローク。

ずっと口をパクパクさせてるけど……。




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