選ばれしゆうしゃたち
うだる陽気のなか、神々しい音楽の祭典のなか六角形の広場にゆうしゃたちが集い始めた。はじまりは、いつも突然の出来事髪が天然パーマのゆうしゃが林の中から一本の聖剣を見つけたのがはじまりだった。
タオルをまわすように神楽を舞う女神たちの横でタンクトップのゆうしゃと天然パーマのゆうしゃは聖剣をとりあっている。争奪戦に負けたタンクトップのゆうしゃは天然パーマのゆうしゃを追いかけはじめた!
熱せられた石畳を汗とよだれをたらしながら走るタンクトップのゆうしゃは天然パーマのゆうしゃに追い付くと聖剣を取り戻すも横から駆け寄ってきた水玉の女ゆうしゃが手を出すとすんなり渡してしまう。しかし水玉の女ゆうしゃは聖剣はてばなしてしまう。アリの化け物が地を這っているのに気付きしゃがんで近くにいた縞模様の女のゆうしゃと一緒に食い入るように見ている。
『おーい、帰るよー』その賢者の助言の一言にゆうしゃたちは広場に聖剣を横たえたまま帰って行くのだった。
熱気を含んだ風がだれも居なくなった広場を吹き抜ける。いや、またゆうしゃが一人また一人戻って来たようだ!聖剣はまた時代の渦に呑み込まれる。朽ちて役目を終わるまで小さな手をしたゆうしゃたちに友情と力を与えるために…。