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第3章 3節

今月中(翌日で無いとは言ってない)

筆が乗ってるのでそこそこ早く書けました。

第3章 3節


大陸歴1943年12月3日午前7時58分

モッツァ軍港から西に約23km、複合地形行軍訓練の指揮トレーラー車内にて


「他の事は良いから整備班に実弾への換装用意を続けさせろ!操縦士候補生共は搭乗完了してるのか!?」


訓練の主任だった教官が通信科の学生からヘッドセットを奪い取り、マイクに怒鳴る光景が背後でエスカレートする中、エレナを含む操縦士候補生の中でも小隊を率いる者、副主任だった教官、整備科の主任教員や、衛生科の士官候補生(メアリー)とその引率の衛生中尉が卓を囲んでいた。


「集まったかね?現状を整理する。

現在、モッツァ軍港基地は壊滅状態にある。

ドローンから送信された映像の解析の結果、司令部や監視塔は消滅していると断定出来てしまった。」


ドローンの映像は操縦士候補生達には共有されていた。

そこまでならば事実であろうから納得できる。


「敵は推定全高18m超、全幅7.5m超の飛行可能な大型ARMSと見られる。映像記録の内容からは全長及び敵勢力、敵総数は不明だが、恐らくは単騎では無いと想定される。

既に我々は存在が露呈しており、ドローンは映像を送信している最中に撃墜された。

現在我々は戦闘準備を整えながら稜線と高木の陰に隠れて撤退中だが、飛行可能な敵機からすればノロマも良い所だろう。」


正直、もう時間が無いのは解っているのだ。

だが、操縦士訓練課程を修了もしていない操縦士しか居ないこの一団に、皆で生きて帰る、と言う選択肢は無いのかも知れない。

だが。


「軍令本部の指示を仰ぎたい所ではあるが、このトレーラーの搭載無線機材では全速力で西進しても次の通信可能圏内まで1時間はかかってしまう。」


そこで、だ。

間を置く様な呟きに、エレナは嫌な予感を感じた。それも特大級の。


「先程、主任教官殿から遅滞戦闘を散発的に行う事で操縦士候補生達によって時間を稼ぐ、と言うプランが提案された。」


嘘だと言って欲しかった。

それは実質的には、人柱の選定をした、と言う決定通知だったのだから。


「第一小隊から2分間隔で撤退路の周辺に随時出撃、遅滞戦闘に努めよ。以上だ。」


エレナは、第一小隊の小隊長だ。

この訓練に赴く時には流石に実戦まで想定はしていなかった。


それは、麾下の小隊員も同じ筈で。

この命令を伝えなければならない。




私達は最初の捨て駒として、見捨てられたんだと。

次回、最近影の薄かったメアリーのターン!

当面シリアスが続きます。

そろそろ勘違いさせられる、かな?

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