第3章 2節
コレだけ時間経ってたら
バレへんやろ、、、
ククク、、、
第3章 2節
チームメイトの学科主席に頼み込まれ、
偵察用ドローンを出してから30分程。
ドローンから送信される映像をモニターに出力し、先だって聞いていた高台の陰から東側のモッツァ軍港を視認出来た時。
地図上存在している筈の司令部と監視塔が確認できない事、基地の随所から黒煙が上がっている事に気付く。
そして。
「敵襲!モッツァ軍港基地は既に壊滅状態の模様!それに、、、」
空中に浮かぶあの光は、何なのか。
不吉さと同時に美しさも垣間見える禍々しい光。
次第に光輪が小さく集束して行くのに伴い、前方偵察用ドローン周辺に外気温の急上昇を感知したセンサーが熱暴走の警告音を発し、上空に散発的に陽炎が顕れる。
まず間違い無く、拙い。
「超高出力レーザーが来る!全隊停止!」
友軍基地だった筈の場所から普通は固定出力で撃つ様な実験兵装クラスのシロモノを此方に向けて照射態勢を取っているのは、敵軍なのだ。
占領されているだけなら取り返せば良いのだ。だが。
基礎設計上、武装と推進力のエネルギーリソースが共有されている筈のARMSで、浮遊しながら超高出力レーザーを放って来る、という事が問題だった。
どう考えても、観測された熱量を出力する為には空中浮遊は不可能。
『生きる為に思考を止めるな』とは我らが主席の日頃呟いている言葉では有るが。
コレは、如何し様も無いのでは無いだろうか。
陽炎でボヤけたモニターの映像の中で光が数十条もの放射線状に拡散し、その全てが自分達の居る方角に向けて偏向する。
直後、ドローンの映像が途絶えた。
頭上で何本もの口径の細いレーザーが這い回る中、既に撃墜された偵察用ドローンからメインカメラにモニターの表示を移し替える。
アレだけの威力を発揮しているのに発砲音も無い。
稜線に隠れてトレーラーや機体本体は視認されなかったからか、偵察用ドローン以外の損害は無いが、、、
偵察用ドローンが撃墜された今、素直に逃して貰えるとは思えなかった。
次回更新は今月中を予定しています。
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