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全ての根元

スマホからの投稿なのでおかしな点があると思います

「ここはどこだ!!誰かいないのか!?」


大声で見知らぬ天井、壁、床にむかって男は叫ぶ。しかし部屋には人の気配はなくただ男の声が響くだけだった。


「クソなんでこんな目に合うのだ。俺は王に 頼まれて回路をあの異世界の勇者とやらに書き込んだだけだ。なのにクソクソクソ!!」

男の恨みのこもった声は部屋いっぱいに響いた。男にはなぜ自分がこの場所にいるのか理解できなかった。


男は傲慢で自信家で魔術回路を書き込むのなら自国で一番優れておりその上に立つものなどいないと信じていたし事実そうであった。なのになぜ自分がこの世で一番優れた自分がこのような"薄汚れた牢獄"の中にいるのか理解できなかった。


「俺がこんなところにいるのは何かの間違いだ誰か誰か助けてくれ!!俺はこの世で最も優れた魔術回路師なんだ金ならいくらでも出す誰か誰か助けてくれよ…」


男は先ほどの怒りのこもった大きな声とは違いただ死を待つことしかできない病人のように弱々しい声で助けを呼んだ。

その時誰もいないはずの部屋の中で声がした。助けてほしいのかと悪魔の囁きのような声だったが男には全てを許してくれる慈愛に満ちた聖人の声のように聞こえた。そしてその声に返事をした。


「助けてくれ!!お願いだ!!」


その声の主は新品のおもちゃを手に入れた子供の様に嬉しそうに笑いながら言った。


「そうかいそうかい。助けてほしいのか。」

男はその声色から助けてくれると思い安堵し聞いた。


「本当に助けてくれるのか?」


声の主は笑いながら答えた。


「もちろんだよ。でも条件がある。」


男は自分が無償で助かると思っていたのでその言葉に驚きながら平静を装いながら聞いた。


「じょ、条件とはなんだ?」


声の主は笑いながら言った。


「そんなに身構えなくてもいいよ。君の何かを奪おうってわけではないさ。ただ君には僕の作った魔術をある人物に書き込んでほしいんだ。その人物は君をここに追いやった憎い人物の息子さ。なあいいだろ?」


男はその人物のことを思い出しながら憎しみの念を込めながら声の主に吐き捨てた。


「もちろんだ。この国で一番の魔術回路師に無料で頼めるだなんて光栄だと思えよ!!」


声の主は笑いながら男に魔術書を渡した。


「これで契約成立だ。一応忠告しておくけどこの条件を達成せずに逃げ出したりしたら今度こそ君はここから出られない。」


男は鼻をフンッと鳴らし声の主を小馬鹿にした態度で魔術書の内容を確かめニヤリと笑った。


「この世界最高の魔術回路師ウトラル=レシトラル様が依頼された仕事をこなさず逃げるなどありえないだろ?」


その言葉を最後に男は"薄暗い牢獄"から姿を消した。


読んでくれてありがとうございます

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