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しばらく経った頃、マァヤ情報によると実家は毎日大喧嘩、ではなく静まりかえってるそうだ。ティムのプライドはズタズタだし、アンナ(とその実父)は商会にバレたらと、これからの生活がとても不安だろう。両親は跡さえ継いでくれればいいので、若夫婦の態度をさほど気にも止めてないらしい。良くも悪くも家の外には興味がない。
「でも良いの?グラーゼ家は大々的に広める気無いんでしょ?またバカ夫婦復活するかもよ?」
「そこまで大事にすると俺まで処分しなくちゃいけないんだってさ。せいぜい怖がって俺の周りに出没しなけりゃ良いよ。」
アンナの父の勤めている商会と揉めたわけではないし、穏便に済むところは済ませたい。そこから直接買うことはないかもしれないが、仲介があれば違うし、そんなにキッパリ切るのはグラーゼ家の印象も下げる。この辺が手打ちだろう。
「しかし、情けない。あそこまでとは。」
「だってヤンたら、ちょっと学校通ったらすぐ読み書きできちゃって、あとは遊んでたでしょ。それを見て、上の学校に進ませたい先生が、渋るおじさんおばさんに毎日みたいに説得に来てたし、ちっちゃいティムから見たら、問題児にも見えるって。おじさんたちもあえて否定しなかったみたいだし。」
そりゃ残り一人しかいない息子まで釣られて、出てかれたらと思ったんだろうが、程ってあるだろうと思う。ヤンは勧められるまま家を出て、のほほんと勉強してたので、弟と接点があまり無かったのも、放蕩息子疑惑を決定付けたのだろう。
「ま、これで実家絡みは決着着いたし、あとは幸せな結末に向かうだけだ!」
「ほほぅ。ジーナと進展あり?」
「………最近会ってない。」
「駄目じゃん。」




