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メガネをかけたあの日から

作者: マヨ

カタカタカタカタカタカタカターーー


響く音は一定の速さで。たまに止まってはまた響いて、止まって、響いて、止まって、響いて。

たまにこの音に飽きるから、ピコピコした電子音にのせて歌う機会的な声が詩を綴る歌で掻き消したり。

あぁ、この歌も飽きてきたなぁ。お馴染みの動画サイトで新曲を探す。お気に入りの人の新曲がアップしていたので、迷わずクリック。流れ出したのは、その人特有の癖になるロックだ。これで何週間かは聴く歌を迷わずに済みそうである。

流れてくる明るい歌詞とは裏腹、私が今、目の前に見える文字は暗い。


「死にたい」

「自殺したい」

「どうしてこんな目に合わなきゃいけないの?」


暗い、暗いなぁ…。

こんな事思ってる人たちがいっぱいいるんだ。

そのうちの1人が、私だ。

その人達とのチャットは共感してしまう。共感する度に私は死にたいんだなと思わされる。

最初は、死にたいと思い始めた時は。

日々の辛いことを吐き出し、「死にたい」とできもしない事をいっていた。

辛さが増して、朝が憂鬱になって。気づいたら私は小さな部屋から出れなくなっていた。相変わらず死ねないが、私の腕には傷がたくさんついている。消えない、のだろう。

いや、消えなくてもいい。1番消えてほしいのは私を辛い目に合わせたあいつらだ。


失ったものが多すぎた。

物が次々と消えていく。私はいじめにあっていると自覚した。

友達はいつの間にかいなくなった。私がいじめられてから。所詮は上辺なんだなって。

その辺りからネットに逃げて。次にあんなによかった視力が低下し、肉眼で見える物が少なくなった。メガネを買った頃には、もう私は立派なネット中毒者だ。


カタカタカタと自室で響かせるのは私。たまに今の自分には照らし合わせれない明るい歌をかけて。

メガネを越して、画面越しに。

私は今日も見て、打って。

ただひたすら飽きもせず、「死にたい」っていう文字を。





by.マヨ

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


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