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家の裏山に迷宮できました。  作者: ちゃぼ
第1章:僕、17歳、高校2年生の晩秋編
18/28

18:レベルアップ

 ミラさんの質問を力技で回避した翌朝、目覚めると僕はLv3になっていたのですが、どうしたらよいでしょうか?


「なんすか!?昨日1日、しかも10匹も倒してないのに、なんで2レベルも上がってるっすか!?チートっすか!?またチートなんすね!もがもが、もごもごーっ!」

「止めてよ!またミラさんが質問してきたらどうすんのさ!」


 ニーナさんの口を手で塞ぐ。ニーナさん小さいんで、なんなら顔ごと塞ぐまである。昨夜はせっかく回避したんだ、このままスルー推奨だよ。


「もがもごごーっ!(死ぬ、死んじゃうっす!)」

「あ、ごめん!」

「酷いっす。マジで死ぬかと思ったっす。」


 慌てて手を放したんだけど、ニーナさんは涙目で怒ってるっす。本当にごめんなさい。でもニーナさんも悪いんだかんね。昨夜のミラさんは、延々チートって何だ、わたしには教えられないのか、わたしだけ知らないのはズルいって非常に面倒くさ・・・大変だったんだから。

 ところで話は変わるけどさ、女性の『死ぬ、死んじゃう』ってセリフは、できたら別のシチュで聞きたいものだよね。具体的には行為中。AVとかエロマンガでよくあるじゃんね。いや、知ってるよ、あれは現実とは違うって先輩に聞いたから。実際にそんなこと言われたら、それは間違いなく演技なんだってさ。AVやエロマンガは、性少年に夢と希望とズリネタを提供するのがお仕事なんだから、誇張してあるのは解るんだけどね。それでもなんか憧れるよね。童貞乙って?煩いよ!ところで、AVやエロマンガは18禁です。お酒は二十歳になってから、紳士の円盤(エロDVD)や成人向け雑誌(エロ本)は18歳になってから、悪しからずご了承ください。うん、無理w


「なんか邪な気配に精神汚染の危機を感じるっす。」


 拙い、ニーナさんがドン引きしてる。取り敢えず学校へ行こう。いいか、逃げるんじゃないからな!当番だから仕方ないんだからな!

 そういえば、なんで朝っぱらからニーナさんがいたんだろう。ニーナさんの拠点は普段は(うち)じゃないのに。




「今日も迷宮にお付き合いするっす。(ということになってしまったっす。)」


 あー、ご苦労様です。それで朝からいたんですね。学校から帰ってみると、こんなことになってましたよ。


「(もう諦めたっす。毒を食らわばそれまで、すよ。)」


 ニーナさん、皿です。


 てなわけで、今日も僕、ミラさん、ニーナさんの3人で迷宮行です。


 まずはレベルアップの話から始めましょう。迷宮で蓄積した経験値で寝てる間にレベルアップするそうです。つか、経験値ってあるのかよ。もうなんでもいいや、突っ込むだけ損だよ。そういうもんだとしておくのがいいってミラさんも言ってたし。いっそのこと寝てる間に経験値も溜まっていけばいいのにな、なんて裏技的なことを考えてみたり。いやいや、そこは真っ当に行きましょうか。

 レベルが上がると『ちから』とか『すばやさ』とか?なんか身体能力が上がって総合的に強くなるんだって。※ただし迷宮内に限る。迷宮内では3倍にパワーアップするのだ、ってテンプレのナレーションが入る感じなのかな。高レベルになると、それこそ3倍程度じゃきかない超人的なPOWER(ぱぅわー)を出せるらしいんだけど、迷宮外では低レベルの人とそんなに変わらないんだってさ。何故かは解らない。力仕事がちょっと楽、持久力がちょっとマシくらいなんだってさ。怪獣クラスの力を持った人が一般社会にゴロゴロいたら堪んないよね。特殊な力は、特殊な環境でのみ発揮できるってことだよ。

 僕のレベルアップは異常に早いんだって。普通の探索者ならまだまだLv1だろうってさ。『成長力増強』スキルの恩恵だろうね。これと『成長限界突破』の組み合わせで、いずれ無双できるようになるだろうって。無双とか無敵とか、いいね、うん。でも、ここで調子に乗っちゃうと、またミラさんのガチ説教喰らうんで自重しないとね。どうせまだまだ先の話だよ。

 でも、その時に備えて必殺技を開発しとかないといけないよね。必要だよね、必殺技!必ず殺すと書いて必殺技だよ。英語だと・・・なんて言うか知らないけどさ。必殺技を名乗るくせに、相手を確実に殺せない技が多すぎていけないよ。そんなのは嫌だね!使用効果:相手は死ぬ、これがいいんだよ!使えば絶対に魔物を倒せる技を開発しなくちゃ。(たぎ)るね!


 お次はスキルの検証でございます。『A・(オートマッピング)』の地図は、昨日のままでちゃんと残ってましたよ。迷宮の外でも見れました。ら抜きでサーセンw1階分完成したら紙に書き起こして、エルフのスタッフさんが清書してくれるそうです。スクショでも撮って、直接パソコンかなんかに取り込めたら楽でいいのにねって話したら、研究したいので協力してくださいと言われちゃいました。藪蛇でした。

 さあ、1階の地図を埋めましょうか。


 迷宮は今日も薄暗いです。薄明るいが正確かな。ヘッドライト無しだと辛いです。


「そんなことありません、真っ暗ですよ。」


 そうなの?どうやら『魔力感知』スキルの恩恵だったようです。迷宮は魔物はもろちん、いやもちろん、壁・床・天井全てが迷宮の体の一部、つまり魔力を帯びているので『魔力感知』で薄らと光って見えていたようなのです。武器にエンチャントしてもらう時の光の流れも、エンチャントされた武器が光って見えるのも同様、普通は解らないそうです。それでパニックになって云々と予想されてたんですね。

 ちなみにエルフさんたちは、種族特有の『暗視』というスキルがあるので、迷宮内でも普通に見えるそうです。いいな、『暗視』スキル欲しい。そういえば、ミラさんたちを『鑑定』したことなかったぞ。いやまてまて、女性を『鑑定』すると、碌なことにならないんじゃないかと断念したじゃないか。止めておこう、その方が心安らかでいられるよきっと。


 『自動回復』は、繰り返しますがわざと試そうと思いません。後回しです。


 次なるスキルは本日のメインイベント、『異空間収納(アイテムボックス)』です。あっさり使えるようになっちゃいましたけどね。考えただけで、勝手に使い方が頭の中に浮かんできましたよ。忘れてたものを思い出した感覚というか。あれを、こうして、こうだ!ほらできた!なんで今まで使えなかったのか不思議なくらいです。

 空間に開いた穴にポンポン投げ込んでいく感覚ですよ。触ってないとダメみたいです。床にある魔石を直接インはできなかったよ。取り出しは考えるだけでOK。頭の中にリストみたいなものが浮かんでくるから、そこから選択してでも取り出せるみたい。

 便利だけどしばらくはあんまり用はなさそうだ。アイテムボックスが必要になるほど、持ち物はまだ多くないしね。とりあえずは置き勉を全部ぶち込んでおこう。これで試験前に焦ることもなくなるよ。あ、外でも使えるか検証するのが先だったや。結果は使えたよ、よかったよかった。でもバレないように気を付けないとね。外で使えても万引きはダメ。ゼッタイ。




 当たるを幸い出てくる魔物を薙ぎ払い、出てこない魔物も探し出して薙ぎ倒す。鬼の所業ですね。今日も話し合いとかスキルの検証しながらなんで、そんなにペースは速くないけど、それでも昨日よりは速いペースで探索して1階の地図を埋めることができたよ。思ったより広くないんだね。噂に聞く東京駅とか大阪梅田の地下街を連想してたから、ちょっと拍子抜けしちゃった。


 迷宮の転移装置のある小部屋も見つけたよ。下り階段より転移装置のほうが遠いとかどうなんだろうね。

 4メートル四方くらいの小部屋で、直径2メートルくらいの床が鏡面仕上げみたいにピカピカになってる。鏡面の円の中心に、教会にある宣誓台みたいなのがあって、天板に水晶玉みたいなのが埋め込まれてる。見上げると天井も床と同じように鏡面仕上げだね。水晶玉に手を置いて行きたい階層を念じると、鏡面の範囲にいる人や物が転移されるんだってさ。転移機能はまだ解放されてないから、今のところは用が無いんだけどね。ボスを倒せば解放されるんだってさ。詳しいことはその時になったら教えてくれるんだと。

 だけどさ、こんなピカピカな鏡面仕上げだと、スカートの中まで映っちゃうんじゃね?うはw夢が広がるなwwwなんて思ったんだけどさ、冷静に考えてみたら迷宮にわざわざスカートに生パンなんて緩いカッコでくる女子なんていないよね。いたとしても迷宮は暗いからスカートの中までは映らないか。現実ってキビシー!こんな事にこそモア・ファンタジー!ミニスカ・生足・生パンで探索する女子がいてもいいじゃない!迷宮だもの!・・・・・・やっぱないわー。そんなのいたら正気を疑うわー。ごめん、僕が間違ってたよ。




「さて、頃合いだと思いますがどうしますか?2階で一戦してから本日の探索を終了しましょうか?」


 もうそんな時間なのかと腕時計で確認すると17時30分。外はもう真っ暗だね、冬場だもん。

しまったな、完全に日が落ちる前に切り上げるんだったよ。慣れた道でも夜の山道は危険だからね。

 2階には行かずに、すぐ切り上げることにした。迷宮を出て、暗い山道を慎重に下りて、家に帰り着いたのは19時近かったよ。ここいらの時間短縮は今後の課題だね。婆ちゃん随分心配してたみたいだ。山道も整備しなきゃいけないかな?


 そんなこんなで今日の戦果はLv1魔石12個、7000円の売り上げだったよ。昨日と違うくね?


「紙幣の単位で数字を丸めさせてもらっていますわ。硬貨まできちんと用意してお支払いする方が良いならそういたしますが。」


 いいえ、そこまでしていただかなくても結構でございます。ミラさんってお堅い職業みたいだから、そのあたりきちんとした人なのかなと思ってたので、ちょっと意外だったけどね。探索者って結構どんぶり勘定の人が多くて、それに付き合ってたらこんな感じになっちゃったんだってさ。明細付きで何十何万何千何百何十何円でございますとやったら、こまけぇこたぁいいんだよ!とばかりに怒られる。ざっくり何十何万円ねとやったら、OK!それでいこうと。豪快だな、おい。


「お金のことに細かい人も結構いるっすよ?」

「額面どおり払うか、端数を切り捨てるかは相手なりの対応になってしまうわね。」


 うん、いるよねそういうお金に細かい人って。で、端数の切り上げは絶対しないんだってさ。トラブルの元だよね、お金に細かい人が騒ぎそうだもん。あ、別にお金に細かい人をディスってるわけじゃないので怒らないでね。金銭取引のキチンとした人ってステキですよね、うん。僕はどっちでもいいけどさ。


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