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約束

 高校生活、早く終わらないかなという思いしか抱けない。

 三年で受験にむけて教室は基本ピリピリしてる。

 進学するつもりはないことは言ってあるし、どうするつもりなのかと聞かれて、バイト中心で何とかやっていくんじゃないかと思うと伝えた。


 そこは少し、心配されたけど、今のご時世就職先なんてそう簡単には見つからないと思う。



 でも、方向性的に暴露るのは確定なのかもとも思う。

 田中先生、商店街の人と付き合ってるって話だったと思うから。

 佐伯さんはおうちお店だしな。会うこともあるんだろうと思う。

「紹介されたご両親はいい人たちだったと思うよ」

「それは良かったね。こわい人達だったら嫌だもんね」

 レニーちゃんの言葉に全くだと思い、頷く。

 進路話にむこうの両親話共にレニーちゃんは頷きつつ、

「まぁ、自営手伝うのもいいだろうけど、バイト・パートで自立に近い感じもいいんじゃない?」

 と言ってくれた。


「クリスマスプレゼントを買いにモールに行くつもりなの。『無限回廊』も気になるんだけど、商店街近くでちょっと行きにくいんだよね」

「なんで?」

「だって、高校の子も多いし、卒業までまだ時間あるし、ちょっと、ね」

 気恥ずかしいし、高校は静かに過ごしたい。

「まぁいいと思うけど」

「うん。ありがと」

 そうだ。

「レニーちゃんのクリスマスプレゼントはオープンハートのイヤリングとか?」

「ハートのモチーフは甘すぎて好きじゃないのー」

「えー。じゃあワンピース?」

「自分用に買いましょう。女装コス系は今後予定しておりません!」

「予定は未定だよね!」

 レニーちゃんならまだきっとイケると思うの。




「和泉さんとはどうなってるんです?」

「朝の通学時間に駄弁ってるかなぁ」

 五時くらいから待ち合わせて、和泉の電車の時間くらいまで公園で。


「ガールズトーク恐るべし」


「好きだもん。苦になる時間じゃなくて楽しい時間だもの」

 この朝の日課は雨の日以外三年間ずっと続けてる習慣なんだけどね。

 お互いに特別の好き。

「ああ。もう。幸せ」

 ぱしぱしとレニーちゃんの腕を叩く。


「ぇ!? いきなり!?」


「嬉しいよねぇ」


 笑いが零れる。


『信じてね』


 和泉の言葉を疑ったりなんかしないのにそんな約束をした。

 その約束の重さをその時の私は知らなかった。



『"うろな町の教育を考える会" 業務日誌』より田中倫子先生を

http://ncode.syosetu.com/n6479bq/


『キラキラを探して〜うろな町散歩〜』より『無限回廊』を

http://ncode.syosetu.com/n7439br/


話題にお借りいたしました♪

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