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「そう言えば、家族の人は?」

 レニーちゃんとおしゃべり時間。

 いきなり家族について質問が来て驚く。

「何が?」

「結婚するって」

 何のことかわからなくて聞き返せば結婚って言われた。

 話すような出来事は特にないなと思う。

「うーん。卒業したら結婚するね。って言ったら『そうか』で終わったかな」

 レニーちゃんは少し意外そう。

 でもその話題はそのあと一回出たくらいかなぁ。それだって、『本気か』って聞くから『うん』って答えて、『そうか』で終わった。

「興味ないんだと思うよ?」

 不思議そうな顔のレニーちゃんが可愛いと思う。


 そんなことより、

「レニーちゃんはイベントもう行かないの?」

 全然来なくなって、がっかりしてる人は他にもいるから。

「中学卒業でイベントからも卒業のつもりだったからね。声とか成長具合でそれまでのラインの衣装は厳しくなるし、なんかもう、バレたら騙してたのかって叩かれるのも嫌だったんだよねー。プレイだとは思うんだけどねー」

 あー。少なからずありそうかぁ。

「来るって言ってた最後のイベント、来なかったよね?」

 あれはクリスマスイベント。私は和泉をレニーちゃんに紹介したくて、レニーちゃんを和泉に紹介したくて、和泉と一緒にイベント会場で、目立っているはずのレニーちゃんを探した。

 見つけることはできなかったけど。


「うん。ちょっと、体調崩してた」


「え?」


「うん。気がついたらイベント日過ぎてたし、兄さんが言うにはしばらく熱出して寝てたらしいんだよね」

 怪我してても気にすることなくイベント参加するから、心配されたのかなぁ?

「そっかー。しかたないねー」

「でしょ? ところでリッちゃん。佐伯のオジさんと和泉さん、どう向き合うの?」

「どう。って?」

 彼とは問題ないし、和泉は和泉が一番好きで何かダメなのかな?

「うーん。和泉の事がある前からね、言ってたんだよ。あのね、関係的には恋愛じゃないわけだよね?」


 頷いてくれるのを確認。

 自己確認も含めて説明してみることにする。


「他にどうしてもの特別がお互いにできたら状況整理は必要ってことで話はしてるし、告白される前から私は和泉が一番好きで和泉以上に彼を大切にすることはないって言い切ってるの」

 だって、私にとっての一番だもの。そこはきっと譲れない。

 わかるかなぁって覗き込むとまた頷いてくれる。

「彼だって振られた相手を今も引きずってるし、まぁ他の人とおつきあいするんなら私の見えない場所、私の交友範囲じゃなければいいんだって思ってるって伝えてあるの」

「伝えてあるんだ」

「だって、ちゃんと正直に伝えておいた方がいいでしょう?」

 まだ、愛情はないんだから、後で嘘つきと言われるより、思っていることを正直に伝えるわ。

 きっちりしといた方がいいと思うから。

 その話をした上で、お互いに同意しているんなら問題はないと思うの。

 だって、恋愛じゃないし、お見合いじゃないし、誰かに恋人として紹介された相手でもない。

 あるのはお互いの都合だ。

 独り身でいるには年齢的にそろそろ。

 進路に関する思考放棄の傾向もちょっとはあるかなー。


 私の交友範囲は激狭だからなー。


「レニーちゃんだって、彼とそーゆーことしたいとか思わないでしょ?」


 三歩後退りされた。


「百七十五センチ百十三キロ恰幅良く頼れる男かも知れないけれど、ちょっと、僕の好みじゃない」


「あははー失恋ダイエット成功で今、百キロ前後かなー? あったかいよ?」


 優しくていい人。

 年上でいろんなことを知っている。


 異性として見れるのかと聞かれればわからない。


 愛していないけれど、好きではある。


 一緒にいるのは楽で、不快感はない。


「うん。暖かそう、は暖かそう? でもさ、リッちゃん、それでイイの?」

「それでイイのって?」


 なにが?



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