溜め息混じりな転校生
「ねぇ。さっ君」
じゅんたはソファに座って、両手で膝を抱えて顔を伏せている。
「どうした?」
さくは飲み物を片手に返事をする。さくはじゅんたの方を見ると、顔を顰めた。
「イライラする・・・・」
「おい、本当に大丈夫か。」
じゅんたは顔を上げて冷蔵庫の方へ行ってコップを持つと、氷を数個入れ、一個口に入れると、ガリガリ噛む。ソファに戻ると、また、氷を口に入れ、噛む。じゅんたは深緑の肩掛け鞄を拾うと 銃を取り出して、整備をする。
「もう、寝たらどうだ?お前も色々あっただろ?」
じゅんたは手を休めず、返事をする。
「色々?モスキート音とかの話しでしょ?」
「モスキート音?」
「あの高い音だよ。君達は聞こえただろうけど、僕には聞こえないんだ。」
「いや、それは聞こえる人聞こえない人いるだろ。」
「それだけじゃないんだ。それだけじゃないんだよ・・・」
「・・・・・・」
「僕、これを何個か整備したら寝るよ。」
しんなが、顔を覗かす。こんなしんなでも空気を読もうとしているのか。ベーコンの事もあって、じゅんたに警戒しているのかどちらかだ。さくは 一つにどんだけ時間使ってんだよ。と、ツッコむ。じゅんたはやりながら、タオルでコップを掴み、氷を頬張りながらの作業。それが終わると、本当にじゅんたは寝た。
しんなが部屋に入ってくる。さくはやれやれという感じに
「警戒しすぎだろ」
と、苦笑い。しんなはピクッとして 違うという。じゃあどうして?とさくが問いてみる。
「私が居るからストレスが溜まってると思う」
「違う!それは・・・・」
『どすっ』
二人はビビって音のする方へ目をやる。じゅんたがソファから墜ちたようだ。しんなは薄いタオルのような布団をじゅんたに被せる。
しんなは無表情であった。
「じゅんたは、淘汰されない_。決して」
「んー。よく寝たと」
じゅんたが背伸びして目覚める。
「じゅんた、寝過ぎだ」
さくは言う。時刻は午前1時。しんなは帰ったという。
「親が心配するぞ。帰れ。」
「親は知らないけど、よくわからない男の人の家に住んでるから問題と思うよ」
「知らないって。どうゆうことだよ」
「元孤児院育ちの僕に訊かないでよ。」
「いや、嘘だろ」
「いや、本当に知らないんだって」
「下手な嘘だなー。泊まりたいなら、泊まりたいって言えよ」
「いや、知らないよ。じゃあ、さっ君は何?」
「俺は、今頃、寝てる設定だ」
さくはキリッとでも言いたげな顔をしている。じゅんたは、何それーと思っていたけど言わなかった。じゅんたの方へおにぎりが飛んでくる。それをキャッチすると、
「コンビニの奴」
「ありがとう」
じゅんたはおにぎりに2回かじりついた所で、
「僕、ツナマヨ苦手なんだけどなー」
と、呟く。さくが聞きにくそうに訊く。
「じゅんた。お前、俺達と離れてから何があった。」
「どうゆうこと?おにぎりもうないの?ツナマヨ以外」
「変わりすぎだぞ。銃、使えたり、無理に作る笑顔も。ごめん。ツナマヨしかねぇけど、期限切れの昆布なら」
「銃はわかんないなぁ。。。。笑顔は作ってないつもりなんだけどな。じゃあその昆布頂戴」
さくはおにぎりを2,3個投げる。ついでにお茶も
「髪の色とか、何故、白なのか訊きたい」
じゅんたは全てキャッチ。そして じゅんたは顔をしかめる。
「もう、僕お爺さーん」
「ふざけんなよ・・・・」
さくは話にならないので訊くのを止めた。じゅんたはおにぎりを食べながら
「どうしても知りたいなら、師匠に訊いてよ。どうせ無理だと思うけど」
「師匠?」
「僕、もう一回寝るね。じゃ」
「おいぃぃぃ」
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