転校生の終わり。
戦争など、よくわかりません。
そんなこんなで、レオ達が朝起きた。
すると、部屋がボロボロになっていた。
「?!えっ?あ。えぇぇぇぇっぇぇえ?!」
なにやらどこかで騒がしい音がして、揺れている。しんなはまだ寝ていた。
「ちょ!しんな!!」
レオが必死に揺さぶり起こす。起きるしんな。
しんなは驚きもせず、ただただ、銃を手に持つ。扉がものすごく大きな音で開かれた。
「もう、始まってるってば!!!」
ハイズが叫ぶ。
外に出ると、街がいっぺんに変わっていた。
信号標識もぐにゃりと曲がっていて、かけている。
「どうして、こんなことになるか、知ってるかい?」
ハイズが言った。あちこち、爆発音や、銃声、悲鳴、叫びが聞こえないわけでもない。
独特な臭いが漂う。
「知らねぇーよ」
「カイン。どうして襲われたか、まだ言ってなかったね。」
カインは頷く。
「君のさじ加減で、世界が終わる。そして、新たな世界も創れる。それは何故だかわかるかい?」
レオがちんぷんかんぷんであった。それもカイン同様。けれど、カインは首を振る。
「君はイヴだよ。君はもう、アダムと会っている。僕はアダムに成りたかった。君はイヴでもあり、イザナミでもある。分かるかい?」
首を傾げる、カインにハイズは笑う。その途端。
向こうの軍が、ハンズ達を見つけ撃とうとするその時、ハイズの方が早かった。
ハイズの弾は4,5人の頭貫く。どこかの建物が落ちて、煙がたつ。
まわりは灰色。なんにも見えない中。
「僕ちょっと行ってくるね!」
「ちょっ!ハイズ?!」
煙がなくなった時、カインも、ハイズも居なかった。
レオはつばを飲み込んで心細さと共に、歩き出した。
その頃ハイズは撃っては装填撃っては装填を繰り返していた。
ハイズの周りにはたくさんの敵軍。まるで、最初からハイズを狙っていたような。
機関銃を背中から取り出すと、一気に撃つ。敵の方も同じく。
こうなれば、敵が味方を撃ちかねないポジションだ。
向こうから、重い銃声が聴こえる。
「ちょっと!あんたねぇ!敵、見方ちゃんと考えて撃ってよね!」
「エリン………。」
エリンが、蹴りやら銃やら色々敵を倒している。
「こうなったら、敵味方、関係ないよ。」
「ハア?!」
ハイズはズボンのポケットから自動式の銃を出す。すると、次々と敵が倒れる。
「あっそう。なら、私は向こうへ行くわ。あんたに巻き込まれたくないからね。」
そう言ってエリンは銃を連射しながら向こうへ行ってしまった。
ハイズ、大忙し。
その頃。レオ
(うわあ。あそこむっちゃ敵居るじゃん……)
そう思い、通り過ぎようとしたら、レオがハイズを見つけた。
ハイズが手榴弾のピンを外した。
すると、当然破片、爆風が起こる。
「ハイズーーーー!!」
煙がなくなった時、ハイズは一人だけそこに立っていた。
レオがそこに駆け寄った時。
『ガチャッ』
「後は、君だけだね」
ハイズがレオに銃口を向ける。
「ちょ。ちょっと待てよ!俺だって!」
「知ってるよ。さっくん。君はここで終わりだ。僕がアダムに成れないなら、イザナギに成ればいい。僕としんな意外、皆消えちゃえばいいのに。死ねばいいのに。アダムって誰だよ!!!誰が僕の夢を壊したんだよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉお!!」
ハイズは叫びながらトリガーを引こうとした時、
高い音と共に
じゅんたは微笑みながら
倒れていった。
倒れた反対側を見ると、カインが両手で、銃を構えながら、息を弾ましていた。
レオは言葉が出なかった。
ハイズは倒れた。手当すれば治るんではないか?と思いながらハイズに目を移す。
ハイズのこめかみから、生々しい血が小さな噴水となって溢れていた。
いずれ、噴水はどんどんちいさくなっていった。
レオは鳥肌とおぞましい感触に動けなくなっていた。ドサッと音がして、カインは銃を握ったまま座り込んだ。
「私、もうこの記憶消したいよ。」
「師匠、どうして僕、お父さんとお母さんに売られちゃったのかな?」
「俺等、これで仲間だからな!」
「僕、君達とずっと居たいな。」
「なんで?!仲間って言ったのに!どうして、死んだの?!ねぇ!答えてよ!じゅんた!」
「僕は、この終わった世界を、終わりなき世界にし、新たに僕らは一生を過ごす。でもね。途中から僕と居られなくなるって事実は
消えやしないんだよ___。」
全てが全ての音が、レオとカインに流れ出し、
カインはポケットから、もう、生きてないカモミールを取り出すと建物が白い光に包まれポッと消えた。
他の物も全て。全部。
これは、偽物の世界であった。
裏の世界。
誰かのシナリオに沿って動いていた。
「しんな、さく。もう一度訊くよ。この世界で生きたい?それとも戻る?」
「れっか。俺達がこうなること、最初から知ってたのか?」
「自分はケガレだ。行く宛がないからさ。僕が存在できる世界が欲しかった。けど、駄目だった。」
「じゅんたは?」
しんなはれっかに恐る恐る訊く。
「あんなの、神でも何でもない。ただの第三者の関わった気取りさ。だから、もう、あいつはー」
「私のアダムを返して!」
「あー。あいつだったんだ。君のアダム。でも、あいつじゃ駄目だと思うよ。あいつはもう、生身では来れない」
「いやあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
しんなの叫びと共に、白い空間がガラスの様に割れ真っ暗になってゆく。
そうして、世界は終わった。
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