焦る転校生。
しばしの沈黙。
しんなはしまったという雰囲気。
「ねぇ、どうして、君が知っているの?ねぇねぇねぇねぇねぇ!!」
ハイズはしんなに詰め寄る。さくが、間に割って入る。
「おい、落ち着けよ。なんだよ。どうしたんだよ?」
「うわぁぁぁあああぁぁぁぁ〜......」
じゅんたは頭を抱え込み、何やら困っているようだった。
しんなはじゅんたに耳打つ。
「大丈夫、あなたは 淘汰されない。」
「違う!違うんだ!物語がここまで、来てるなら、僕達が選ぶ選択肢ももう無い!!」
しんなとさくは固まる。じゅんた一人、置いていかれたような、そんな様な。
「これだけは、避けたかった。もうだめだよ。」
じゅんたは二人に振り返って、爽やかに笑う。
「しんなは、死んじゃ駄目だよ。さく、君は守りたいのはどれか、自分が何をすべきなのかを考えといた方が、いいかも知れない。僕は、じゅんたでいられなくなる。その時は、君達どちらかに僕を殺して貰う。
……出ないと、君等、死ぬよ。」
じゅんたからの言葉。
もう、これでじゅんたの言葉は一生言えなくなる_。
じゅんた自身はそんな気がしたのだ。
二人は反抗など、反論も、何もしない。
ただ、ただ、今のは初めてのじゅんたの本心だったのだろう。
幸あらんことをーー。
現在、会議が終わったエリンがハイズ、カイン、レオの前にいる。
「あんた達、悪いけど戦争に出てくんない?」
エリンの言葉にハイズはにこり。カインは目を丸くする。レオ、無表情。
「ふぅん。レオ、あんたはいつも反抗ばかりしていたというのに、随分大人しくなったものね。」
「俺、そうゆうの興味ないんで。」
「運悪きゃ、死ぬっていうのにね。さっ。ハイズ、あんたはこいつらに色々教えてやって頂戴。」
「分かったよ。」
そう言って、ハイズは歩き出す。たまにふらっとなるのでその歩き方を見ているレオが冷や冷やだった。
「レオ、君はそろそろ、銃を使ったほうがいい。そんな武器 避けるの容易いし、後ダサい。カイン、君もある程度は使えたほうがいいだろう?なるべく、反動が少ないやつを使うといい。」
そう言いながら、銃の構造をペラペラ喋るハイズに対し レオは何かを考え、カインはもう、覚えられないといった様子だった。
そんな事思っているうちに、ハイズが止まり、扉へ入っていく 続いて二人も入っていく。
入ってみると、そこは射撃場。室内射撃場。
ハイズは、二丁持ってくると、二人に一つずつ。
「ルール説明するね!まず、何からがいいかな?弾が出なくても、銃口は覗かないでね。遅発だったら大変なことになっちゃうからね!後、むやみにトリガーには指を掛けないでね。ここに指を置いて、ピンとさせるのがいいかもー。これ、ハンマーって言って打つときにはこれこうやって、こうやって、ここをこうやってー」
言葉で言うのが面倒になったのか、銃を見せながら、色々話していく。
「カインは、イヤーマフ外しちゃだめだよ。はい、レオもこれつけて。あー。その持ち方だめ。よくその持ち方定番だけどー」
と、指示していく。ハイズが色々誘導して、立ち位置に連れてゆく。
「よーい、初めー。あ。大事なこと言うの忘れた。まいっか」
大きな、高い音と共に、二人共放つ。
レオは銃を離し、カラ薬莢と共にぶっ倒れ。カイン、順調。
「ごめん。これもはめなきゃいけなかったね。」
と、シューティンググローブを手に持つ。
「いぃてぇぇぇぇええええ。やべぇぇ!!死ぬかと思った!腕ぇぇええええ!」
そんなこんなで、三人はこの訓練をやっていたのだった。
「あー。疲れた。頭ががんがんするぜ。腕もやばい。」
レオはそう言って、自分の部屋の床に倒れる。
「戦争って明日だっけ?いきなり今日言われて、いきなり特訓させられて、いきなり戦争だってよ。夢みたいな話だな。じゅんたはすっかり変わっちまって、自分が何をすべきなのかという選択もでき、もう俺着いてけないぜ?」
「私はー……死にたくない。ましてや、君等を失いたくない。」
カインはそう言うと、ポッケから、もう、枯れ果てたしわくちゃの何かを取り出した。
「あれ?俺の花。まだ持ってたのか。」
カインは頷く。そして、しまった。
閲覧、有難う御座いました!