転校生の朝。
てことで朝。
じゅんたが起きると、しんなが居た。今日は学校が休みの日だ。
「僕、歯磨き一番派。」
と、言い残して洗面台へ行った。さくは棚から菓子パンを取り出す。しんなはとりあえず何もしていない。どこからか水の音が聞こえてきたり、歯を磨いてる音がする。 音が止んだ。じゅんたがポコッと顔を出し、
「おはよう!!さっ君!!しんな!」
なんという、切り替えの速さ。
しんなはコクっと頷いて、さくは はよーと言った。しんなは独断で違う部屋へと消えていった。じゅんたは渡された菓子パンを食う。さくは新聞を広げて何やら見ている。
しんなはというと。
『僕の部屋』と幼い字で書かれた扉の前に居た。ドアノブに手を掛ける。
ガチャっと小さな音を立て無音で扉が開く。
部屋に電気を付けてみると、机やベッドなどがあった。机以外の場所は多少の埃や蜘蛛の巣があった。机の上には注射の様なものと、薬や粉の様なもの。
後は銃など、弾丸などが置いてあった。何故か、銀皿と四角い箱が在った。ライターも。しんなは下手には触らなかった。ただ、ライターと銃を遠ざけて置いた。無言で部屋を出た。
いつも通り、小さな出口から出る。
やはりさえずりと爽やかな透明な風が通り過ぎる。
れっかはどこだろうか・・・・しんなは何も思わず、進む。
「やあ」
れっかは 花に水をやっていた。しんなはそちらへ行く。れっかは水をやるのを止め、しんなに顔を向ける。興味深そうに その花を見る。この花はさくが花瓶に挿してあった花と同じだ。
「これはね。カモミールと言って 薬になったり、ティーになったり、他の花の近くに置くと その花が元気になるんだよ。自分はこの花が一番お気に入りなんだ。しんなも、人の心を癒したり、癒されたりするだろう?この花の様になって欲しいな。なんて、冗談。しんなは自由気ままの方がしんならしいよ。しもつけの花だね」
「?」
しんなは理解したような疑問形の顔だった。とりあえず寝っ転がる。白い雲が動いている。雲は全て一つ、一つ違う形で、見てると案外面白いのかしんなはそのまま見ている。
「今日は果物じゃなく、こんなの用意してみたよ。」
そう言われて振り返ると、テーブルとその上に何やらティーカップが置いてあった。しんなは起き上がってそちらへ行く。
「ほら、こちらに座って」
さくは白い椅子を引いて、しんなを招く。よくわからない 薬の様な匂いがする。しんなが座ると、向かい側にれっかが座る。
「これはカモミールティー。さっき紹介した花のティーだよ。」
しんなはティーを持ち、匂いを嗅いで飲む。少し、ビクッとしたようだが、そのまま飲んでいく。
「最初はきつい味だと思うけれど、慣れればそうでもないだろう?」
しんなは一度、口からカップを離し、
「薬?」
「ははっ。そうかもしれないね。これはお腹の調子が悪い時や頭痛の時とかに飲むと痛みが和らぐんだよ。だから、薬のような味がするのかもね。でも、普通に飲んでも美味しいと思わないかい?」
「私は。。。苦手かも知れない」
「とか、言って次回出すと飲みたくなる。そうゆう飲み物だよ。これは。」
れっかはおかわりを自分のコップに注ぎ込む。何か懐かしいことでも思い出したような、そんな顔をしていた。しんなは飲み終わったカップをソーサーに乗せた。
「もう、帰ったほうがいい・・・」
「嫌だ。」
しんなはそう主張した。
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