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ホラーミュージカル小説【現代の森のくまさん】

作者: 虫松
掲載日:2026/05/16

雨上がりの夕暮れ。


ネオンが濡れたアスファルトに滲む都会の商店街を、人々が足早に通り過ぎていた。


「タイムセールでーす!」

「ポイント5倍ですー!」

「クマ出没注意のため本日は19時閉店です」


物騒なのか平和なのか分からないアナウンスが流れる。


その時だった。

ゴミ捨て場の影から


ぬっ……


巨大な黒い影。


通行人の女子高生がスマホを落とした。


「え……」


クマだった。


しかもデカい。


しかもTシャツに「NO HONEY NO LIFE」と書いてある。


ピアノが鳴る。


ダンッ!!


スポットライト。


突然、駅前のサラリーマンたちが踊り始めた。


♪ 現代の森のくまさん ♪


ある日 街の中

くまさんに出会った〜♪


バクバク バクー バクククー♪

バクバク バクバク


バクー バククー♪

ゲップゥゥ〜〜〜♪


爆音ブラスバンド。


商店街の魚屋がトランペットを吹き、八百屋がタップダンスを始める


クマは人間の肉の塊を咥えたまま二足歩行で歩き出した。


ズシン。

ズシン。


コンビニに入店。


ウィーン♪


「いらっしゃいませー!」


店員が震えている


クマは雑誌コーナーを見つめた。


『冬眠ダイエット特集』


クマ、静かにうなずく。


その瞬間。


女子高生が叫ぶ。


「逃げてぇぇぇ!!」


照明が赤く変わる。


ドラムロール。


駅前スクランブル交差点をクマが爆走した。


♪ お嬢さん お逃げなさい ♪

走って襲います〜♪


背中を見せたら〜

狩りたくなる〜♪


肉食獣

ほ ん の う〜〜〜!!!♪


「キャーーー!!」


「食べ物を捨てろーー!!」


人々は叫びながら逃げ惑う。


しかし次の瞬間


クマ、転ぶ。

ズドォォン!!

アスファルト陥没。


地下鉄停止。

ニュース速報。

《現在、クマによる獣度のミュージカル災害が発生しています》


すると、どこからともなく現れる白いコートの女。


環境保護団体『ラブ&ベアー』代表、森川エリカ。


彼女は歌いながら現れた。


♪ くまさんを 殺さないで〜♪


照明が青くなる。


風が吹く。

なぜか鳩が舞う。


♪くまさんは  本当は 草ばかり食べる

優しいの〜♪


ほら バクバク バクー♪


バクバク バクー♪


ゲップゥゥゥ〜〜〜♪


クマは森川エリカの首を食いちぎった。


「クマァ……♡」


観客席から拍手。

狂った世界。


そして夕焼けの中

みんなで輪になって踊り続ける。


挿絵(By みてみん)


ホラーミュージカル小説【現代の森のくまさん】


完結

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