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光の選び方

作者: ぷいぷい

 三原色が自分を照らす。

 自分にはどれも選べない。

 

 今は11時44分。

 車も誰も通らない道で信号を待ってる。

 別に信号を無視したって誰にもバレない。

 でも律儀に信号を待っている。

 特に意味もないけど、なんか無視することもできない。

 今日もやっと仕事が終わった。

 今日は木曜日。

 明日行けば三連休だ。

 今週も週末はゆっくり過ごそう。

 あ、でも高校の友達に飲みに誘われてたんだった。

 久々に会いたくなってきたな。

 でも酒飲むとそこから一週間頭痛がすごいんだよな。

 仕事と友達どっち取ろうかな。

 でも仕事も友達もめんどくさくなってきたな。

 俺は何をしているんだろう。

 全部バレないように少し手を抜いて、特に誰からも目をつけられず、毎日仕事をして、帰る。

 別に転職も考えたりもしない。

 こんな生活でいいんだ。 

 本当にいいのか?

 昔はよく「唯一無二の存在になれ」とか言われたな。

 そんなものにはなれないんだよ。

 全員唯一無二なんて無理なんだよ。

 一人一人には人生があり特徴がそれぞれある。

 でもそれを何人の人が見てくれるかなんてほとんどの人は0人に近い。

 そんなもんなんだ。

 少しの才能、少しの努力、少しのチャンスを全てものにできたやつが唯一無二になれるんだ。

 普通のやつがなれるわけない。

 もう一生夜でいい。

 この明日の朝になったら忘れてるような考え事をずっとしているだけでいいんだ。

 何かしようと夜に覚悟決めたって明日の朝にはやる気がなくなり、何かを待つようになり、いつもと同じことをする。

 こんなんなんだよ。

 一生夜でいいなんて考えも毎日する。

 でもそれが現実になる時なんて絶対にないんだ。

 そんなことはわかっている。

 でも考えてしまう。

 どれだけ夜にしがみついていても、朝に引きずり出される。

 こんな妄想しても無駄なだけだ。

 自分にも大切な人ができたら、こんなこと考えなくていいのかな。

 その人のために命を消費して、その人のための命を作る。

 そんなことができるのかもしれない。

 でもその大切な人がいないんだな〜。

 もうこんな妄想はやめよう。

 結局今週末飲み行こうかな、どうしよう。

 まあそんなことは前日にでも考えよう。

 夜ご飯は何にしよう。

 適当にセブンで買っていくか。

 久々にラーメンでも食べよう。

 

 三原色が自分を照らす。

 自分にはどれも選ぶ権利がない。

 

 "ありがとう"

 

 

 

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