↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/27

【MMOでテント作り】サバイバー!!




「うう…樹木の破壊者さん…」


:嫌な事件だったね…

:〇竹フラッシュ!

:古すぎるな


「ここではリントの言葉で話せ……使い方合ってる?」


:合ってる合ってる

:癖になってんだ。若者にネットミームを教えるの


「あ、それアニメのヤツ」


 メキメキと繊維が剥がれる音とともに棒が木から剥離した。

 石斧を叩きつけた時にできた傷を足掛かりに木を登り、ナナイは棒を確保していた。

 傷跡の位置は低めで、明らかに足掛かりにしなくても登れる程度の木だったが、ナナイは樹木の破壊者さんの傷跡の有用性をリスナーに示そうと必死だった。


「【自然物鑑定】」


【樹木の棒】

・加工可

・品質 : 低

・備考 : 素手で剥がされたためささくれだっている。


「こまめに鑑定しなきゃね!」


:自然物の鑑定って初めて見たけど結構使える?

:野生児なら使い道あるな

:チュートリアル通ってないやつなら必要だな


「チュートリアルハラスメントやめてね」


 チュートリアルを無視してプレイしているために魔法が使えないナナイが血を吐くようにリスナーに言う。


:やれること多すぎて誰も彼も堀りが浅いんよな

:リリースされて4週間は経つのにな

:配信してるやつは王道なプレイか寄り道ばっかだし。ラノベみたいに上手くいってるやつは少ないんよ


「らのべ?ああ、オタクくんが読んでたアニメのヤツね」


 中学時代の級友を思い浮かべて言うナナイ。石ナイフでささくれを取り除きながらコメントと会話しているが、オタクくんという言葉にコメント欄が爆発した。


:オタクくん?!

:ギャルなの?ねえ、ギャルなの?

:フィクションですか?

:オタクに優しいギャルは存在する!!


「ねね、少ないってことは上手くいってる人いるの?」


 そんなコメントは華麗にスルーして、気になったことを聞く。

 あくまで配信の主題はナナイが決める。

 そしてリスナーも抵抗しない。


:いるいる。ランキングに乗ってる奴とかは大体上手くいってるやつだな

:新職業とかレア武器とかレアクエストとか、なかなかにぶっ壊れが多いな

:そういうのがあるからやめられん


「ランキング?そんなのあるの?」


 ランキングと聞かされれば気になるのが陽キャの性。興味津々と言った様子で、作業を終えた棒を安置したあと木に登りながら質問する。


:そりゃもう。

:イベントの時とかな

:街の掲示板とかで見れる


「ん?街でしか見れないの?」


:え?…うん。

:あーたしかに。メニューからは見れん…な


「じゃあいいわ」


 秒速で興味を失ったナナイは今日に木を登り、適当な太い枝に腰掛けて配信クリスタルを掴む。


 すると配信メニューが表示された。


「…あ、配信タイトルテンプレのままで草生える」


『配信 Part.1』

#女性 #バッカロア湖 


:part.1のままで草

:普通は宿屋とかで寝る時は消すかんね


「そうだなぁ…少し変えよっかな!」


 中空に水晶版、キーボードが現れるとナナイは手早くタイトルとタグを変えていく。


『【MMOでテント作り】サバイバー!!』

#ギャル #ドワーフ #サバイバル #バッカロア湖

総視聴者数 : 209人


「いえーい!209人が見てるー!」


:サバイバー!!

:野生児だろ


「あーし、ナナイって言いまーす!街に行けばチュートリアルが出来るそうだけど、街までむっちゃかかる上に方向わかんないので湖近辺でサバイバルしてまーす!☆」


:紛うことなき若者

:眩しい笑顔

:眩しいピース


「作業の続きー」


 やるべきことは終わったと言わんばかりに次の棒を見繕う。

 木の棒を取って、少し削って次。

 そんな調子で三本の木の棒を調達し、床に転がした。


「この棒の長さだと寝転がれるぐらいのサイズになるね」


 アイテムボックスから樹皮繊維で作った紐を取り出す。


「あ、そうだ。これは鑑定できるかな」


 そう考えてナナイが【自然物鑑定】を発動させるが詳細が見えない。

 

「ん〜、名前と完成度は作った時にわかるんだけどなぁ…」


 完成度。

 ナナイが作った石ナイフや石斧、もちろん樹皮繊維の紐などにも存在する要素。

 ナナイは劣悪以外を見たことがないが。


:自然物っつーからには人の手で加工されたもんは分からんのでは?

:まあそれはそう案件

:たしかに


「ま、いっか」


 ナナイはまず、2本の棒を交差させるように地面に突き立ててから紐で縛る。

 その2本よりも若干長い棒を立てかければ簡単なテントの骨組みは完成だ。


「……まあ、寝るだけだしいいよね。へへ」


:へへじゃないが

:これでええんか…?ほんまに?

:これを拠点にして畑作るってマジ?


 骨組みに枝葉を被せる。

 簡単でみすぼらしいがテントが完成した。


『拠点が作成されました。以降、屋内での安全なログアウトが可能になります』


「ん?」

 

 ナナイの目の前に水晶板が現れ、そのメッセージは現れた。

 そのメッセージにコメント欄は沸く。


:はえー、外で拠点作るとこんなことなるんすね

:知らんかった

:サバイバル勢は秘密主義

:これでセーフログアウトできるな


「せーふろぐ…ん?」


:セーフゾーンで安全にログアウトするってことやで

:セーフゾーン外でログアウトすると身体が残ってしまうんよ

:その身体がキルされると当然だけどデスペナです


「はえー…」


 当の本人は自発的なログアウトをしたことが無い。

 デスペナルティの強制ログアウトしかしたことが無いため反応が薄い。

 ただ漠然と、この拠点でなら寝れるという認識が出来上がった。


「ま、今は関係ない!そんじゃ、次はァ〜?」


:なんか勿体ぶるの好きだね

:もしかしてサプライズとか好き?


「もちろん!…じゃなくて、次は道具をグレードアップ、そして農具を作っていきます…!」


:何事もいい道具から…ってコト?

:そうなの?

:アンタほどの人がそういうなら…?


「それじゃ、道具作ってこー!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。