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異世界魔王召喚〜オッサンが勇者召喚じゃなくて魔王召喚されてしまった件!〜  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第32話 解放


「ほ、本当に私達を解放するのか……?」


「ん? 見ての通りこちらは約束を守ったぞ。あとは勝手に街に帰るがよい」


 街を出て救い出した魔族を連れて最初に戦闘を行っていた場所へと戻ってきた。


 少し心配をしていたが、土壁に閉じ込めていた人族も大人しくしており、それを監視している魔族も人族には手を出さずに自陣の亡くなった味方を魔族の集落へ運ぶ準備をしていたようだ。


 救い出した魔族の中には知り合いの者も数名いたらしく、再会を喜んでいた。そして俺は約束通り土壁に閉じ込めていた人族を解放した。


「……約束を守るのか? 街にいた魔族を解放した今、我々は不要だ。解放されたと油断したところを後ろからいきなり襲うんじゃないのか?」


 人族の陣営のレグナードがそんなことを言う。別に頼んでもいないのだが、彼と側近の数名は俺達と一緒にここまでやってきた。一応は責任者としての責務を果たしに捕らえられた兵士達を引き取りに来ている。


 それにしても、どんだけ俺のことを疑っているんだよ……


「何度も言うが、そんなことをしなくても、俺はいつでもお前達を殺せることを忘れるな」


「………………」


「そんなことよりも、解放した後ですぐにこちらに敵意を向けて攻撃をしてこないように注意を払っておけ。さすがにこの場で攻撃を仕掛けてくれば、我も殺すほかないぞ」


「……もちろんわかっている」


 さすがにあれだけ魔王威圧で気絶するまで恐怖を叩き込んだからそんなことはしないと思うが、万が一があるからな。


「それと街の領主にも伝えたが、今度我が同胞である魔族を襲おうとした場合には容赦はしない。攻めてきた兵士達だけでなく、街にいる人族全員が死ぬことになるのを決して忘れるなよ」


「………………」


 うん、脅しは強いほうがいい。こういっておけば、あの街の領主が馬鹿なことを考えても、このレグナードとかいうやつが全力で止めてくれるだろう。


 まあその時にこいつは今回の責任を取らされているかもしれないが、止めるやつは多いほうがいい。


「……それと、我らはもうここを去る。さっさと同胞達を弔ってやるがよい。このままここへ野ざらしにされては、死んでいったやつらも浮かばれんだろう」


 ここにはまだたくさんの人族達の遺体がある。魔族側はすでに布などをかぶせて、馬車に乗せている。魔族の集落へと運んで、そこで埋葬するようだ。


「……貴様は本当に魔王なのか?」


 魔王である俺が人族の遺体のことを気にするのがそんなにおかしいのか、驚愕の表情を見せるレグナード。


「ああ、我が魔王である。我が元いた世界では同族の命も人族の命も等しく尊い。できる限り争いなど起らぬほうが良いに決まっている。今回のような争いが二度と起きぬことを祈るぞ」


「………………」


 レグナードも他の人族も、疑いの視線を見せつつ、魔族側に攻撃を仕掛けることなく大人しくしている。


「それではゆくぞ」


「はい、魔王様!」


 魔族側が集落へと引き換えしていくのを確認したあとに、俺とリーベラもそのあとに続く。とりあえず俺達もこのままこの魔族達の集落へとついていく。


 何人かの魔族は憎しみのこもった視線を人族に送るが、逆上して人族に飛び掛かかるようなことはなく、渋々ながらも俺に従ってくれているようだ。


 ふう~とりあえずは人族と魔族の最前線での争いを止めることができたようだ。とはいえ、他にも争いが起こっている場所はまだあるようだし、まずはその争いをすべて止めるとしよう。


 そのあとは魔族側にいる人族の捕虜を保護してから、今度は人族に捕らえられている魔族を救いだす。……やることが多すぎるな。オッサンが過労でぶっ倒れる前に多少は落ち着いてくれればいいんだけど……






「魔王様、この度は本当にありがとうございました!」


 無事に魔族の街へと到着して、今はこの街の長の家にお邪魔している。紫色の髪に赤い肌の年老いた老人。そして横には先ほど魔族軍の指揮をとっていた4本腕の巨大な男もいる。


「気にすることはない。それよりも突然現れたこちらの指示にすべて従ってくれたことに感謝しよう」


「とんでもございません! もしも魔王様が現れなければ、みな全滅していたとウォルイより聞いております。そして人族どもはこの街にまでやってきて、破壊の限りを尽くしていたでしょう」


 どうやらこの指揮官の4本腕の男はウォルイというらしい。


「申し遅れました。私はこの街の長をしておりますジャイジと申します」


「ジャイジ様、このたびは魔王軍四天王のリーベラ様と新たなる魔王様のお力添えによって、この戦は我らの勝利に終わりました。それどころか魔王様は敵の街を攻め、捕らえられていた我らが同胞達を救ってくださいました!」


「おお、人族どもに捕らえらえられていた同胞達まで!」


「はい。今手当てをしておりますが、幸い命の危険がある者はいないようです。他の街から捕らえられていた者もいたようでしたので、できる限り早く彼らがいた街へと返してやりたいと思います」


 どうやら捕らえられていた魔族達は全員無事だったようだ。俺も確認したが、奴隷とはいえそこまで酷い扱いを受けてはいなかったらしい。


 人族の街にいたマルコ達の話では、捕らえられていた魔族はもっとひどい扱いを受けているかと思っていたが、あの街はまだまともな部類の街だったようだ。


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キャンプ場
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