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9話 魔眼と悪魔と彼の秘密

 3日かけて、その魔眼は完成した。それは、命属性と魔法金属による世界構築式への干渉、読解を実現した魔眼。世界検索機構。「第31式左魔眼《全解析瞳(アナライズ)》」

 所謂、鑑定眼だ。異世界ものでは御用達のチートの再現。

 理論の構築に7年。修正と実験に1年。設計図も完成していたのだからあとは材料揃えて設計通りに組み立てるだけだったのだが、術式の複雑さが尋常ではなく、私一人では作れない上、協力を乞おうにも誰も理解できない。父上すら完全読解はできない程だ。


 だから世界最高の魔法研究者に協力を仰いだ。彼女は完成に3ヶ月はかかると予想していたときろを3日で終わらせてきた。天才だ。


 先に私が魔眼手術を受ける。手術とは言っても、目玉を抉ってから魔眼をねじ込めば、命属性魔法で勝手に繋がるのだから、元外科医からしたら到底手術とは言えないものだ。

 最初に痛覚遮断をかけないと自分を拷問する羽目になるから気をつけないといけない。


 専用の器具で眼球を取り出し、魔眼をはめる。目元をしっかり見て入れなければいけないから、一人では無理だ。


 回復魔法でつなげると、視界が戻った。成功だ。


「では、試しにソラさんを見てみますね。『魔眼・《全解析瞳》』」


 名前:ソラ

 種族:人間

 職業:グリーン王国魔法騎士団4番隊副隊長 兼 魔法研究部筆頭

 年齢:〈妨害されました〉

 魔力残量:78%

 魔力総量:3478997

 魔法属性:〈天空〉

 状態:〈不老〉〈睡眠不足〉

 加護:〈禁忌〉によって神の加護を剥奪されています

 称号:《禁忌の魔術師》《禁忌の探求者》《悪魔の契約者》《神を畏れぬ者》

 《■■■■■》


「、、、妨害しないでくださいよ。」


「どうやら成功のようだね。」


「なんか変な称号ありますね。《悪魔の契約者》?《■■■■■》?」


「称号の取得条件は不明だけど、多分アレのことだから、問題ないよ。」


 もったいぶっておいてただの鑑定眼かと思ったそこの愚か者よ。ゲーム、アニメにおいてラスボスはどうして死ぬか分かるか?

 答えは主人公を侮るからだ。


 これさえあれば誰が強くて誰が弱いか。誰と戦い誰から逃げるか。歴戦の勘が無くとも判断可能だ。

 しかもこの魔眼は人物だけでなく、武器、薬、宝石などの品質も見抜ける上、攻撃接近時の警告、相手の魔法の解析などもできる優れもの。

 さらに相手の切り札なんかも見破れる。

 使用に魔力を使うため、完全なチートではないが、私の魔力量ならあまり問題は無い。


「どんな悪魔と契約してるんですか?」


 悪魔契約。【暗黒】に住む悪魔と契約して、自分の使い魔にする契約。相応の代償を払えば強力な味方となる。

 ちなみに私は最上位悪魔(魔王の娘)なので、私が契約するとしたら悪魔ではなく人である。


「紹介してなかったね。『召喚・ベルちゃん』」


「なんだよソラ〜寝てるだろうが〜」


 現れたのは小さな黒い翼が背中に生えた、テディベアサイズのクマさん。


「かわいい!!!」


 私が抱きしめるとベルちゃんとやらはジタバタと抵抗する。


「てめー誰だ!俺様を誰だと思っている!」


 かわいい。下位悪魔かな?見たことないな。解析して見よう。


 名前:ベルフェゴール(ベルちゃん)

 種族:魔王

 職業:無職

 年齢:83469264823歳

 魔力残量:100%

 魔力総量:測定不能

 魔法属性:〈破壊〉〈炎〉〈闇〉

 状態:〈変身〉〈契約悪魔〉〈恋愛感情〉〈怒り〉

 加護:無し

 称号:《災厄の魔王》《蹂躙者》《怠惰のベルフェゴール》《神食い》

 《恋する災厄》《従魔》《世界ヲ滅ス者》《超越者》《不滅の王》

 《邪神に至る者》《大量殺戮》《睡ル者》《復活者》


 ・・・・・・・・・・・・・・・・ベルフェゴール?

 私の実の父に次ぐ7人の災厄の魔王の第3位にして、《怠惰》の大罪を司る、終焉の体現者?

 解析眼は誤作動は起こしていない。本物だ。


 体から一気に血の気が引いた。

 状態:〈怒り〉が私に向けられていると分かったからだ。


「破壊神位魔法・並列発動120、、、」


 あ、死んだ。


「だめだよベルちゃん。そんなの人に向けて撃っちゃ。」


「あ、ソラ。まあ、ソラが言うなら、、、」


 慌てて手を離す。


「・・・なんで怠惰のベルフェゴールがここに居るんですか!?」


「私と契約したから。」


「どうやって!?」


「なんか、素材を取りに暗黒に行ってたら真の姿のこの子と出くわして、酒を渡したら意気投合して、家来る?ってなった。」


 、、、どっかのメイドのドラゴンみたいな成り行きだな。

 ていうか真の姿って、、ベルフェゴールはゴジ●の2倍位の大きさがあったと思うんだが。

 しかも状態:〈恋愛感情〉って、、一体何があったんだ、、


「そんなことより、私にも魔眼頂戴!」


「なぜ俺の真名、、魔眼、、、はっ!?まさか!その魔眼、、見たものを解析できるのか!?」


「え、ああ、まあ。」


 私が答えると小さい声で聞いてきた。


「それは〈恋愛感情〉とかも見えたり、、、?」


「鋭いですね。」


「!!」


 直後、ベルちゃんは破壊光線で既に作ってあったもう一つの魔眼と、1枚しかない設計図を完全に消し去った。


「あ!!ベルちゃん何するのさ!?」


「絶対に作らせん!!俺の秘密を知られてたまるか!!」


「なにをー。お互いの間に秘密なんか無いじゃないか!」


「お前にだけは知られてなるものか!」


「いいもーん。大体覚えてるから3ヶ月もあれば組み立て直せるもーん。」


「もう一度作ってみろ。何度でも破壊してやる!」


 、、、大体状況は解ったが、、、ベルちゃんの状態が〈照れ・赤面〉になっていて、とても災厄の魔王の一人とは思えない。

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