表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/31

7話 入団試験 その2

彼は思ったより強かった。


〈光〉〈闇〉の2属性持ち。しかも二刀流でそれぞれ属性が違う剣で緩急のある連撃。


「鬼神双剣術・閃淵斬」


彼を中心に放射状に広がる光の斬撃に、足元から現れる不規則の斬撃。

希少二属性の特徴として、お互いが打ち消し合うため、制御は難しいはずなのだが、うまく使いこなしている。


私が光を氷の水晶で屈折させながらロンダードジャンプクからのバク転、さらに伸身後方空中回転で回避すると、彼が


「猿かよw」


と呟いたので、少し怒りを込めた破壊光線を30発程撃つ。

彼は闇の防壁で防ぎつつ、対抗するように二連続側方倒立回転からのロンダードジャンプ、屈身後方空中回転、さらにバク転、ついでにトリプルアクセルも付け加えて回避し、おまけに空中で光の目眩ましを撃つ。からの超速接近で6連撃。

私が目を瞑りながら全て槍で受ける。


「《光ヲ包厶暗瀞》」


「《妨害拒否(レジスト)》」


光属性封じも弾かれる。面白いな、気合入れよう。


「死滅属性、神位《呪イノ腕(ノロイノカイナ)》」


足元からおびただしい数の白い腕。並列発動で更に、


「死滅属性、神位《死屍累々》」


大量のアンデッドモンスター召喚。


「マジかっ、『鬼神双剣術・昼夜永連撃』」


360度全方向に487連撃、召喚した全て斬り伏せる。しかし、その直後に隙。


「死滅属性、神位《戦場ヲ駆ル死神》」


「やばっ」


彼が一瞬遅れた。剣で防いだが、私の鎌を左手で受け止めきれる訳もなく、剣ごと首をぶった斬る。


しかし、安堵した直後、刹那、空中で首の口が動くのを見た。道連れにする気だ。


「神位《陰陽融合広域爆破(エクスプロージョン)》」


「神位《烈光スラ包ミ込厶命亡キ深淵》」


相手の複合術式を闇、命属性で包み込む、魔力空になるまで絞り出す。


少し衝撃が溢れ、30mほど吹っ飛んだが、何とか生き残った。


◆◇◆◇


「いやー、油断した。言い訳ではないが、まさかあんなに強いとは。」


「こっちのセリフですよ、結構危なかったです。」


「初見の相手に負けたのは君で6年ぶりだよ。」


「それは退屈だったでしょう。」


「お、分かる?久しぶりにめっちゃ楽しかったよ。」


「こちらこそ。私はボコボコにしたりされたりしますが、実力が拮抗してると楽しいですね。」


「『されたり』?まあいいか。ただし、あれが俺の全身全霊だと思うなよ。」


「さっきから言ってるでしょう。こっちのセリフです。」


「何やってるんですか。」


「あ、リル。どうだった?」


「絵に描いたように舐め腐ってましたから、ボコボコにしました。」


「お、君も強いの?プライベートで一戦やらない?」


「やりませんよ。師匠の対戦相手の方ですか。試合見てました。この人相手にあそこまでやるって、凄いですね。相手が違ければ、合格間違いなしだったでしょうに。」


「筆記は問題ないから多分セーフ、、、と信じるよ。あ、勝者呼ばれてるよ。早く行きな。」


「ありがとうございます。私はエリリアと言います。そちらのお名前は?」


「本田優介。じゃあ、お互い合格したら、また。」


・・・え?日本人?


彼に詳しく聞こうとしたが、早く来いと急かされ、結局聞けずじまいだった。


◆◇◆◇


「最終試験はこのくじで出たものを行います。現在総合一位のエリリアさん。くじ引いてください。」


「おい、あの子、ホンダに勝った奴だ。」


「は?まぐれにも程があるだろ。」


「試合見てなかったのかよ。化け物だぞあの子。迷宮の時も一位だったし。」


「まじかよ。何もんだ?」


どうやら本田さんは有名人らしい。まあ、あの強さじゃ当然か。

ていうか私がくじ引くの?恨まれそう。簡単なの来い!!


「26番は、、、え?」


試験員が困惑顔を見せる。


「さっき見たときはこんなのなかったような、、、」


「ボクが付け足したからね。」


いつの間にか試験員の背後に、長い金髪蒼眼の美少女。ただし身なりはあまりきれいではなく、服は血の付いた白衣、髪はボサボサ、丸メガネをかけ、忌々しい豊かな胸をした、自由奔放自己中心といった印象だ。


「ちょっソラ様!困りますよ!勝手に!」


「大丈夫だって。この方が見込みあるなしよくわかるじゃん。」


・・・ソラ!?なんでこんなところに!?いや、それより、


「あ、あの、、、」


「あ、ボクのファンかい?サインが欲しかったら合格してみな〜」


「いや、そうじゃなくて、、、」


「さあ、最終試験!!ボクの最大出力の魔法を受けきったら、筆記0点でも合格にしてあげるよ〜」


それを聞いて会場の空気が引き締まる。仕方ない。話は合格してからにしよう。


「それはいくらなんでも、、、」


「試験員ちゃん、堅いこと言わずに、全責任はボクが負うから。」


「、、、言いましたね。守ってくださいよ。はあ。」


「じゃあ、みんな疑似世界に入って〜」


、、、魔法一つ受けきるだけなら、簡単そうに思えるが、そう簡単ではないようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もしかして……優介さんは属性を二つ持っていて、しかも希少な属性の光と闇だからですか? (多分違う)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ