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22話 ダンジョン

 龍之迷宮(ダンジョン)。それは真龍の巣である。

 この世に7体存在する真龍。〈バハムート〉〈ヨルムンガンド〉〈ヒュドラ〉〈ケツァルコアトル〉〈八岐大蛇〉〈バジリスク〉〈龍神〉が作る巣は莫大な財宝が眠っているが、侵入を阻む罠や守護者も満載。

 だがそれを突破した者は龍に認められ、望む財宝を一つ与えられるという。

 また、道中にも宝箱が多く隠されており、中は武器や鉱石、金貨や装飾品など様々な財宝が入っていることもある。龍の目的は「暇潰し」。龍神が滅びない限り永遠に生き続ける彼らは人で遊んでいると言っても良い。

 そんなイカれた目的で作られたダンジョンはそれぞれ特徴があり、人にとっては資源豊富、一攫千金の大チャンスである。

 ただダンジョンの恐ろしいところは龍の気まぐれで何が起こるか分からないところだ。

 一度転移罠で3層から999層に飛ばされたことがあり、あのときはマジで死ぬかと思った。なんとか転移魔法で逃げ切ったが結構トラウマである。場所によっては転移魔法使えないこともあるし。


「なんでダンジョン?」


「ちょっと欲しいものがあって……」


 着いたのは〈石のダンジョン〉。鉱物系が多く手に入り、ゴーレムが多く闊歩するダンジョン。全2000層。

 深さイカれてるだろう。まあ数十層毎に転移結晶があり、一度たどり着いたらいつでもそこに転移できるから時間をかければ攻略は不可能ではない。

 私は234層である。思ったより少ない?まああんまり来てないし。ていうかここはかなりやばいからかなり多い方だぞ。攻略者は今のところ団長と父上、あと伝説の冒険者と言われる「名無し」と呼ばれる人が組んだパーティーだけである。

 このメンツでもギリギリだったらしいから、中々にやばいところだというのが手に取るように分かる。

 ちなみに彼らが貰ったのは「天霊珠」と呼ばれる結晶で、今破壊神の封印に使われている。

 もはや神話である。


「なんか二人で出かけるの久しぶりですね。」


「まあそうだね。女子二人が出かけるのがダンジョンってどうかと思うけど。それで欲しい物って何?」


「とりあえず魔鉄鉱と龍鱗石。あと万年結晶と嵐玉が欲しいです。」


「そんなの何に使うの?」


「姉さんの誕生日プレゼントに。姉さんが篭手を欲しがってたので。」


「ふーん……あ、ゴーレム。」


 現れたのは巨氷岩兵アイスゴーレム。コイツの核は氷玉という。

 欲しいのは嵐玉なので、倒したいのは巨嵐岩兵ストームゴーレム

 このダンジョンは通路が広く、天井が高いのが特徴で、ゴーレムが暴れやすいようにできている。


 ゴーレムは多くの種類がある。風属性だけでも、風岩兵ウィンドリトルゴーレム巨風岩兵ウィンドゴーレム嵐岩兵ストームリトルゴーレム巨嵐岩兵ストームゴーレム巨空岩兵スカイゴーレム巨竜巻戦岩兵テンペストエルダーゴーレム等。最後の巨竜巻戦岩兵はこのダンジョンの1960階層にいるフロアボスであり、私では確実に勝てない。


 ちなみにこのダンジョンのラスボスは災厄魔龍破戦天門番ドラグライドエルダーゲートガーディアン岩将軍ゴーレムヒーロー。この名前考えたやつ中二病だろ。


 それはそうと巨氷岩兵は普通に強い。倒すのに6分かかった。怪我は……無しっと。

 死滅属性は非生命体であるゴーレムには効果が低いんだよね。勝てなくは無いけど。


 探索していると隠し扉発見。こういうのがいたるところにあるから。

 ちなみにこのダンジョン、一定以下の階層なら死んだら外に放り出されて生き返り、転移結晶がリセットされる。龍神のダンジョンとかは普通に死ぬので注意しよう。


「あ、龍鱗石です。これだけあれば十分です。さっき取った万年結晶と魔鉱石があるので、あとは嵐玉です。」


「もうすぐだね。」


「はい。」


 探索を再開。


「最近平和ですよね~。」


「そうだね。」


「師匠って好きな本とかはありますか?」


「うーん。特に無いなあ。リアは?」


「私は『雷鳴物語』です。」


「昔っからそれだね。」


「もちろんです。主人公の騎士も、ヒロインの女騎士も大好きです。」


 雷鳴物語。王都で万年大人気の物語。主人公である騎士の半生を記した物語だ。

 詳しく話すとクソ長いので割愛するが、まあ面白い小説である。

 何が面白いかって、なんとそれは実話なのである。騎士団長ライトと、騎士隊長ホムラの物語。壮絶な過去、壮絶な戦い、壮絶な出会いから、どこまで真実か分からないが読んでるこちらが赤面するようないちゃいちゃなどが記されている。全39巻。

 故に騎士団長とうちの隊長は国民からものすごい人望を持つ。信じていない者もいるが、それでも彼らの強さを認めない者などいない。


 カチッ


 ………ダンジョンで最も聞きたくない音を聞いた。


「し、師匠ぉ。すいません〜。」


 足元に転移魔法陣。最悪だ。トラウマが蘇る。


 魔法陣が光り、転位した。

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