16話 七魔王
「それにしても魔王って思ったより弱い?」
「そんなわけないじゃないですか。あれはほとんど本気出してないですし、ワンパンでぶっ飛ばせる父上が異常なだけですし、そもそもさっきのは魔王でも最弱レベルですからね。」
「え?サタンって2番目に強いんじゃないの?」
「えっとですね……七大魔王は簡単に言うとこんな感じですね。
魔王7位 嫉妬 レヴィアタン
最下位とはいえ地獄の魔王。普段は或る海域に引き籠っていて、近づいた者を殺す。
水、天候、海域の魚や魔獣を操り、強靭な鱗を持つ魔竜である。
十分な準備もなしに行けば姿を拝む前に物理的に微塵切りである。
言葉は通じるが話は通じない。
魔王6位 色欲 アスモデウス
自分の城に引き籠もり、眷属達を侍らせている。
見た目は人間のイケメンっぽい感じだが、真の姿は牛、人、羊の頭とガチョウの足、毒蛇の尻尾といった化け物である。女性は攫われ、男性は殺される。うまくやれば気に入られて加護を授けてくれたりする。
魔王5位 強欲 マモン
紫の目の青年。よくアスモデウスと絡んでいる。
気まぐれで街を滅ぼしたり、気まぐれで弱者を救けたり、気まぐれで子を育てたりと、自由奔放な男である。
実力はある上に強かで、頭も回る。敵にしたら最も厄介かもしれない。
魔王4位 暴食 ベルゼブブ
地獄で茶髪黒目の少年に会ったら全力で逃げろ。無数に伸びるその影に触れれば食われる。
影は変幻自在で最大間合は70m以上である。更に具現化もする。
ねぐらを決めず、地獄を徘徊し続ける。
常に笑顔の、狂気の魔王である。
魔王3位 怠惰 ベルフェゴール
巨獣。大森林でいつも寝ていて何をしても決して起きない。
彼が本気を出したのは3回のみ。
神魔大戦、ベルゼブブ戦、そして復讐。
彼の寵愛を受けし者を殺す。それは世界の消滅の引き金と心得よ。
魔王2位 憤怒 サタン一族
一人ではレヴィアタン以下だが、恐るべきはその統率力と成長速度。
その魔王軍は億単位に上り、もはや魔界大国である。
またサタン一族は寿命が他の魔王と比べて短いので他とは違い世代交代を行っている。代替わりした直後は最も弱いが、決して人が敵う相手ではない。
魔王1位 傲慢 ルシファー
地獄のルールその1、太陽を見るな。
空中の黒く輝く太陽を直視した者はその瞬間、首から上が消える。
謎。容姿も不明。強さも不明。解っていることは唯一つ。
そこに居る。
地獄の探検家、ハボックの手記より。
そのハボックって人がたった一人で7魔王について調べた偉人。移動魔法、転移系魔法、危機察知魔法の達人で、自分の目で全て調べた学者です。2位っていうのは魔王軍勢全員合わせての戦力ですから。」
「全然やばいわ。」
「しかもサタンの恐ろしいところは成長速度です。数年後には今の数倍、数十倍は強くなってますよ。」
「なんでもありかよ魔王。」
「友好的なのもいますよ。ベルフェゴールとか。」
「へえ。」
「それはそうと優介さん。」
「ん?」
「ドラ●エは何まで出ましたか?」
「ああ今はⅩⅣまで……え?」
「やっぱり。日本人ですよね。」
「………マジか。」