14話 災厄 四 ー厳鎚ーのライト
「エクス、双剣」
「了解しました。」
直後、奴の槍が一瞬で双剣に姿を変える。
「《雷雨天縫》」
何百もの雷が俺を貫く。
「まだ死なないのか。頑丈な奴だ。」
「はあ、はあ、はあ、クソがっ!!《氷炎ノ塔》!!!」
俺が何千もの氷と炎の大槍を地面から突き上げるも、瞬きの間に上空に回避し、上空から反撃。
「《雷神雷轟雷帝鑓》」
奴の手元に現れたのは巨大な雷の大槍。
それを俺に向けてぶっ放す。
「《陽炎》」
ぎりぎり回避。大槍は直線に飛んでいき、はるか向こうの山を砕いた。
「化け物が!!」
「無駄口叩いてる暇があるとは。」
俺の耳元で奴が囁く。速すぎる。まるで雷。
「はあっっ」
「遅いな。」
俺の骨を剣が貫通する。
「ほんとにタフだな。いつ死ぬんだお前。」
「貴様は速すぎだ。《爆炎散氷刃》!!!」
「エクス、盾」
「了解しました。」
奴の剣が盾に変形。俺の魔法を弾く。
「まだまだぁ!!!神位並列複合術式《爆炎ノ花道》」
何十、何百もの爆破魔法と剣技の融合。広範囲に超威力の攻撃を届かせる広域爆破。
「あっぶね。」
おそらくエクスとやらが変形したものであろう、青い球体が開き、中から無傷で奴が現れる。
あのエクスとやら。変形に制限は無いのか?
「《超回復》」
俺が魔法で傷を癒やすと、奴はあからさまに嫌そうな顔をした。
「仕方ない。これは少し嫌いなんだが、、《無膽ノ雷刃》」
速っ
、、なんだ?当たったのに何も、、ん?急に気だるさが、、、
「お前は良い奴だから。俺が最も梃子摺るタイプだ。」
何を言っている?反撃を、、出来ない。体が動かない!?
「お前は仲間の為に、命を削って根性で動いてる奴だから、俺の魔法があまり効果を発揮しない。」
早く、動け!!まだ俺は!!勝たなければ!!
「俺の魔法は、相手が罪人である程、威力が上がる。厳正なる裁きの鉄鎚を意味する二つ名。」
彼奴との、約、、束を、、、
「すまないな。不幸にも、お前は俺の敵だった。」
視界が暗くなり、その後俺は二度と目を覚まさなかった。